免疫化学に基づく分析法

ストロビルリン系殺菌剤 アゾキシストロビン測定キット

概要

アゾキシストロビンは担子菌類由来物質から合成されたストロビルリン系の殺菌剤のひとつで、1998年に登録された農薬です。多種の菌類に強い抗菌活性を示し、多くの農産物に使用されています。本キットは農産物や環境中に残留するアゾキシストロビンを簡便、迅速(2時間以内)に高感度かつ定量的に多検体を分析できることから、生産現場での出荷/加工前検査や一次スクリーニングに最適です。

特長

機器分析との比較

機器分析は高精度な測定法ですが、下記の前処理や装置のオペレーションに高い技術と時間、また有機溶媒としてアセトン、ヘキサン、酢酸エチルなどが必要です。本キットは前処理が簡便で時間も大幅に短縮でき、抽出溶媒も少量のメタノールのみを使用するだけでアゾキシストロビンを測定することが可能です。

主要野菜のアゾキシストロビン残留基準値(ppm)




本キットの測定範囲は10-200 ppbで、弊社推奨法で希釈(50倍)した試料を測定した場合、残留濃度にして0.5-10 ppmの範囲で測定可能です。上記の残留基準値に照らして必要ならば追加希釈を行います。上限以上の値が検出された場合もさらに追加希釈が必要です。基準値は適宜変更されるので、厚生労働省もしくは財団法人 日本食品化学研究振興財団のホームページで最新の値を確認して下さい。また農産物の種類によっては抽出液中の夾雑物が測定値に影響を与えることがあります。ご不明の場合は右上の「見積もり・資料・お問合せ」よりお問い合わせ下さい。

主な適用例













図は、アゾキシストロビンを添加した各農産物のメタノール抽出液(10%メタノール相当に希釈)を用いて反応曲線を描き、10%メタノール標準曲線と比較したものです。両者が一致していると、その農産物抽出液の影響なくアゾキシストロビンを測定可能といえます。


製造会社: HORIBA

仕様

次のデータは基本性能です。詳しい仕様はお問い合わせください。

標準曲線

 

交差反応性

ストロビルリン系殺菌剤

交差反応性(%)

アゾキシストロビン

   100

(E)-メトロミノストロビン

      0.8

クレソキシムメチル

   <0.1

トリフロキシストロビン

   <0.1

   その他の殺菌剤     

交差反応性(%)

TPN

   < 0.1

 

 

同時再現性(トマト)

試料

平均(ppb)

SD

CV(%)

A

180

6.8

3.7

B

  40

1.5

3.8

C

  12

0.44

3.8

n=8

分析者間再現性(トマト)

試料

平均(ppb)

SD

CV(%)

A

180

11

5.8

B

  38

 2.0

5.3

C

  12

 0.7

5.8

n=3

日間再現性(きゅうり)

試料

平均(ppb)

SD

CV(%)

A

180

6.1

3.4

B

  40

1.2

3.0

C

  12

0.44

3.7

n=3

添加回収試験(トマト)

添加濃度(ppm)

回収率(%)

9.2

101±1.4

2.0

101±2.2

0.6

102±2.2

n=3

同時再現性、日間再現性、分析者間再現性、添加回収試験は、本キットが農産物中のアゾキシストロビンを定量的に測定できることを示しています。

キットの主な構成品・有効期間

内容(剤型)

容量

数量

抗体プレート(乾燥品)

8行×12列

1枚

標準試薬L(凍結乾燥品:10ppb)

1mL(溶解後)

2バイアル

標準試薬H(凍結乾燥品:200ppb)

1mL(溶解後)

2バイアル

酵素標識物試薬(凍結乾燥品)

6mL(溶解後)

2バイアル

洗浄試薬(溶液:10倍濃縮)

50mL

1バイアル

発色試薬(溶液)

13mL

1バイアル

発色停止試薬(溶液)

13mL

1バイアル

有効期間

製造後12ヶ月

2~8℃保存

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