次に、水溶液の酸性、アルカリ性は、何によってきまるのかという疑問が起ってくるはずです。
じつは、水溶液の酸性、アルカリ性は、水素イオンの濃度、つまりその水溶液に、どれだけの割合で水素イオンが含まれているかによってきまるのです。
ここでは、普通の水を例にとって考えてみましょう。
ご存じのように、水はH2Oという分子式であらわされますが、実際にも、そのほとんどが、H2Oという非常に安定した分子のカタチで存在しています。
ところが、ごく一部ですが、水素イオンH+と水酸イオンOH-というイオンの形で存在しているのです。

つまり図のようになっています。
じつは、この水素イオンと水酸イオンとのバランスがpHを決定する要素なのです。
水素イオンの方が多い場合は酸性、水酸イオンの方が多い場合はアルカリ性になるわけです。


ところで、温度が一定であれば、どのような水溶液でも、つねに、水素イオン濃度〔H+〕と水酸イオン濃度〔OH-〕との間に次の関係がみられます。

[H+][OH-]=Kw=10-14(=一定)

Kwは水のイオン積あるいは水の解離定数とよばれます。
純水または中性溶液においては、

[H+]=[OH-]であるから

[H+]=[OH-]=√(KW)=10-7

(H+)あるいは(OH-)のどちらか一方の値を知れば、他方の値もわかります。

そこで、実際には〔H+〕だけを測定し、これをpHの目安としています。pHが水素イオン濃度によってきまるというのは、以上のようなことからなのです。

pHは次の式で定義されています。

pH=-log10[H+]

ふつう、私たちが接する水溶液の水素イオン濃度は、ときに1リットル中に1モルぐらいのこともあれば、また0.000001モルぐらいのこともあります。しかし、とくにpH測定が必要な水素イオン濃度の非常に低い水溶液の場合は、小数点以下が非常に多く、数学的に取り扱いが不便です。デンマークのSφrensen(ゼーレンセン)は、水素イオン濃度の逆数を常用対数で示したものをpHと定することを提案した。すなわち

pH=-log10[H+]

中性の溶液の場合ですと、

[H+]=10-7ですからpHは7になるわけです。


以上のことでおわかりのように、例えばpH4とは、水溶液中の水素イオン濃度が10-4mol/リットル、つまり水溶液1リットル中に0.0001molの水素イオンが含まれているのです。

同じように、pH5は10-5mol/リットル、pH6は10-6mol/リットルの水素イオンがふくまれています。ここで気がつくことは、pH4とpH6を比較して、pHが2しかちがわないのに、実際は、水素イオン濃度が100倍もちがうわけです。

ピーエッチか、ペーハーか?