土壌中の交換性カルシウムイオンの測定法として、1mol/L 酢酸アンモニウム(酢安)にて抽出されたカルシウムイオンを原子吸光法(AA)や誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-OES)などで全量測定することが慣用法とされています。しかし、AAやICP-OESは大型で高価な装置であり、現場や一般農家での測定は困難なため、現場で簡易に測定する手段として小型で安価なLAQUAtwinCa2+計(イオン電極法)を用いた測定法を開発しました。
イオン電極法でカルシウムイオン濃度を測定する場合、カルシウムイオン濃度に対して酢安が大量に存在すると、イオン強度の影響により電位シフトが生じ、正確な測定が困難になります。そこで、酢安の共存影響を受けない方法で測定しました。

【方法】

  1. 5 種類の土壌試料を1週間室内にて風乾させ、2mm角のふるいにかけた後、試料1gに対し酢安(濃度1mol/L)20mLの割合にて振とう抽出しました。
    《条件:大洋科学工業(株)製RECIPRO SHAKER SR-ⅡW,振幅40m/m,振とう速度250rpm程度で1時間》
  2. 振とう後の液をろ紙(JIS規格:6種)でろ過し、LAQUAtwinCa2+計で測定しました。なお、LAQUAtwinCa2+計の校正は、抽出液と同じ濃度の酢安で調製した150ppm、2000ppmカルシウム標準液の2点で行いました。

※LAQUAtwinCa2+計の測定範囲について: 40mg/L未満では測定範囲外のため表示値は点滅しますが、支持塩として塩化カリウム0.1mol/Lを含む標準液にて、 4mg/Lまで直線性があることを確認し測定しています。
※土壌サンプルによっては相関性が異なる場合があります。


【結果】

1 mol/L酢安による土壌抽出液をICP-OESとLAQUAtwinCa2+計にて測定した結果を表1に示しました。表1より付属の標準液にて校正したLAQUAtwinCa2+計の結果は土壌抽出液のICP-OESの結果に対して1/10の値を示しました。
これに対し、抽出液と同じ濃度の酢安を含む標準液で校正した場合では、ICP-OESでの定量値とほぼ一致する結果が得られました。ICP-OESに対するLAQUAtwinCa2+計の値を記した図1では、1mol/L 酢安含有標準液での校正の場合、1:1の関係を示す傾きがほぼ 1であり、また高い相関性(R=0.998)を示しました。
このことから、土壌中の交換性カルシウムイオン測定法として、LAQUAtwinCa2+計を用いた測定法は、簡易に測定する手段として有効なことが立証できました。

表1:1mol/L酢安抽出液のICP-OESとLAQUAtwinCa2+計によるカルシウムイオン定量の結果

※1 ICP-OESの結果は前処理で行なった希釈を換算した後の値です。
※2 付属標準液には支持塩として塩化カリウム0.1mol/Lが含まれています。


図1:抽出液のICP-OES値とLAQUAtwinCa2+計の値の関係


なお土壌診断結果とする場合、測定で得られたCaイオン濃度は、次の換算式にて CaO(mg/100g風乾土)へ換算する必要があります。

参考として、今回の測定結果から算出したCaO値を表1に追記しました。




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