環境測定

先に述べたとおり、もともと導電率の低い水が汚染されると導電率が上昇することから、導電率は雨水、河川水、湖水に対する汚染の指標として広く測定されています。
また、私たちが直接からだに取り込む水道水や飲料水、からだに直接触れるプールの水などについても導電率は測定されています。

環境保全の視点から、雨水の汚染度合いをモニタリングすることは非常に重要です。雨水については酸性雨という名称があるように、その汚染指標としてpHのモニタリングが重要なことは言うまでもありませんが、導電率も汚染の指標として非常に重要であり、pHと併せてモニタリングされています。実際、pHの値がそれほど低くなくても、汚染の原因によっては導電率が高くなることもあります。


排水管理

環境中に排出される水は汚れが最小の状態にされて排出されなければなりません。そのため下水処理場や工場の排出段階では、汚れの指標となる導電率が24時間モニタリングされています。


塩分測定

食品中の塩分は塩化ナトリウムという物質が溶解したものです。塩化ナトリウムの溶解量が多いほど塩分は高く(塩辛く)なりますが、その値と導電率はおおよそ大小関係が一致します。この性質を利用して、食品中の塩分濃度測定には、導電率を求めてその値を換算するという手法が広く採用されています。健康維持のためには塩分を適切に摂取することが重要ですが、そのチェックのための手軽な塩分計は、導電率を塩分に換算しているものが多いようです。


半導体洗浄水・医薬用水

半導体産業における電子部品や、液晶パネルに使うガラスなどの製造工程で使う洗浄水にはごく微量の不純物が残っていても製品の品質に重大な影響を及ぼします。このため洗浄に用いられる水には、純水から純度をさらに上げた超純水が用いられます。そしてその純度の指標として導電率が用いられ、その値が一定値以下であることが常時モニタリングされています。
また、食品や飲料、さらには医薬品を製造する際、原材料としての水にも不純物の少ない純水が用いられます。その純度の管理にも、導電率が用いられています。
ちなみに、これらの工業的に用いられる水については、純度に応じたレベル分けがJIS K0557に規定されており、その中に導電率も指標として用いられています。

純水

水道水や河川の水といった私たちの身のまわりにある水には、いろいろなものが溶け込んでいるため、化学的には純粋な水(H2O)ではありません。もちろん私たちが日常使うにはそれで構わないのですが、科学技術分野での研究や製造業をはじめとした種々の産業用途、さらには医療用途にはもっと高純度の水が必要となります。
私たちの身のまわりにある水から、溶けている物質、すなわち電解質を取り除いて純粋な水にしていくと、どんどん導電率は低くなっていきます。もしも電解質を全部取り除いたとしたら導電率は0になるのでしょうか ? 答えはNOです。と言うのは、水の分子自体がほんのわずかに(5億個に1個くらい)だけ水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とにイオン化します。このとき導電率は、理論的には25℃で0.0548μS/㎝になります。
現在、半導体産業で電子部品などの製造工程での洗浄や超LSIの製造に使われている水の導電率は、0.06μS/㎝以下でとても純度の高い水です。このような水を超純水といいます。超純水レベルにまでいかなくても、脱イオン処理をして導電率を1μS/㎝程度以下まで下げた水のことをイオン交換水、または脱イオン水といいます。ふつう純水と言えば、このレベルの水のことを指します。
ちなみに、水が空気に触れると炭酸ガスが溶け込み1μS/㎝程度導電率が上がりますが、純水レベルになると、こうしたことも導電率に影響を与える因子になるのです。


硬水と軟水

カルシウムイオンとマグネシウムイオンを多く含む水のことを「硬水」といい、それらが少ない水のことを「軟水」と言います。それらを示す指標として「硬度」と呼ばれる単位がありますが、硬度と水のおいしさには多少なりとも関係があるとも言われています
(1985年4月25日 厚生省「おいしい水研究会」発表による)。
残念ながら、水の硬度を導電率で直接測定することはできませんが、硬度が高くなればその分導電率も上昇しますので、水のおいしさを導電率で示そうとする考え方もあります。


基礎研究

液体に溶けている物質の量を求めたいとき、「滴定」と呼ばれる方法が用いられる場合があります。滴定は、量を求めたい物質を含んだ溶液に特定の試薬を少しずつ滴下し、そのときに生じる溶液の性質の変化から対象となる物質の量を求めるという方法です。溶液の性質として導電率が用いられることも多く、特に化学の研究では広く用いられています。また、導電率を用いた滴定は、イオンが多く溶けた電解質溶液の性質を理解する上でとても重要であり、電解質溶液を対象とする電気化学の入門的な実験として大学などでの初等教育における実習や教科書でもよく取り上げられています。


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