電気化学あるいは電気分析化学関係の便覧、書籍には酸化-還元電位の例として次の表が必ず掲載されています。

表1 酸化-還元電位

電極

電極反応

Eo[V]

Li+, Li

Li+ + e = Li

-3.024

K+, K

K+ + e = K

-2.924

Na+, Na

Na+ + e = Na

-2.714

Al3+, Al

Al3+ + 3e = Al

-1.67

Mn2+, Mn

Mn2+ + 2e = Mn

-1.05

(Pt) H2 OH-

2H2O + 2e = H2 + 2OH-

-0.828

Zn2+, Zn

Zn2+ + 2e = Zn

-0.761

Cr3+, Cr

Cr3+ + 3e = Cr

-0.71

Fe2+, Fe

Fe2+ + 2e = Fe

-0.441

(Pt) H+ (10-7M)

2H+(10-7) + 2e = H2

-0.414

Cd2+, Cd

Cd2+ + 2e = Cd

-0.4021

In3+, In

In3+ + 3e = In

-0.340

Tl+, Tl

Tl+ + e = Tl

-0.338

Co2+, Co

Co2+ + 2e = Co

-0.277

Sn2+, Sn

Sn2+ + 2e = Sn

-0.140

Pb2+, Pb

Pb2+ + 2e = Pb

-0.126

Fe3+, Fe

Fe3+ + 3e = Fe

-0.036

(Pt) H+, H2

2H+ + 2e = H2

0.0000

(Pt) IO3- , I- , OH-

IO3- + 3H2O + 6e = I- + 6OH-

0.26

Cu2+, Cu

Cu2+ + 2e = Cu

0.344

(Pt) CIO3- , CIO2- , OH-

CIO3- + H2O + 2e = CIO2- + 2OH-

0.35

(Pt) O2 , OH-

O2 + 2H2O + 4e = 4OH-

0.40

Cu+, Cu

Cu+ + e = Cu

0.5222

(Pt) I2 , I-

I2 + 2e = 2I-

0.5355

(Pt) Fe3+ , Fe2+

Fe3+ + e =Fe2+

0.77

Hg22+ , Hg

Hg22+ + 2e = 2Hg

0.7986

Ag+, Ag

Ag+ + e = Ag

0.799

Pt2+, Pt

Pt2+ + 2e = Pt

ca 1.2

(Pt) Cl2 , Cl-

Cl2 + 2e = 2Cl-

1.3583

(Pt) Ce4+ , Ce3+

Ce4+ + e = Ce3+

1.61

Au+, Au

Au+ + e = Au

1.68

Co3+, Co2+

Co3+ + e = Co2+

1.82

日本分析化学会『分析化学データブック』 P89(1970).丸善


この表では、酸化-還元電位E0の数値として、プラス(+)側に数値が大きければ還元状態になりやすく、マイナス(-)側に数値が大きければ酸化状態になりやすことを意味しています。
この表からは次のような例が読み取れます。



(表1では電子 e と表示されているが、電荷をわかりやすくするため e- とする)

ここに表示された各平衡関係に対応したE0の値は、標準状態(25℃、1気圧)、各イオンの活量*1のときの値(標準酸化-還元電位)を熱力学的に計算して算出されたものです。
ただし、何らかの基準点が必要になるため、標準水素電極**(S.H.E.またはN.H.E.と略す)の電位を E0=0.0000 V at 25℃と定義し、相対的に表示しています。

前記の各平衡系を例にとると、金(Au)は金属状態(いわゆる金)として存在しやすく、ナトリウム(Na)はイオン状態(いわゆるナトリウムイオン)として存在しやすいことが理解できます。関連して、金製の宝飾品と海水中に大量に存在するナトリウムイオン
(あるいはイオン化合物としての食塩)が思い浮かびます。
たとえば、この表1を図1のように縦軸に表示した場合、その相対的な意味、すなわち縦軸の上位にあるものは還元状態になりやすく、下位にあるものは酸化状態になりやすいことが理解できます。

*活量については 「pH測定の基礎 - 理論的なpHの定義 水素イオン活量」の説明を参照して
  ください。
**標準水素電極については「pH測定の基礎 - 比較電極の電位」の説明を参照してください。


図1 標準酸化-還元電位の縦軸表示(月刊誌『電気化学』(1969年版)表紙より)

ただし、実際のサンプルのORPは、一種類の平衡状態に基づくものではなく、共存する多くの酸化体と還元体の平衡状態で定まりますので、前述のような単純な説明は不可能となります。

次ページ ORP測定の基礎


水質製品情報


コンパクトpH・水質計

コンパクトpH・水質計  
税抜¥22,000~

平面センサに滴下するだけ。ビーカいらずでどこでも誰でも簡単測定。


ポータブルpH・水質計

ポータブルpH・水質計  税抜¥59,000~

片手で使いやすく持ち運びもコンパクトで簡単。衝撃に強い、防水・防塵構造。


卓上型pH・水質計

卓上型pH・水質計  
税抜¥165,000~

ハイエンド卓上型。タッチパネルとナビゲーションでストレスフリーな操作を実現。


電極ラインアップ

電極ラインアップ 
pH・COND・ION・ORP・DO

測定項目、試料、アプリケーションに応じた電極ラインアップをご紹介。


[大型連休にともなうお知らせ]
2019年4月27日(土)より2019年5月6日(月)までの間は、大型連休にともないカスタマーサポートセンターの業務を休業させていただきます。あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます。