「2016堀場雅夫賞」 募集開始

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対象テーマは「自動運転社会を支える計測技術」

当社は、2003年に創設した研究奨励賞「堀場雅夫賞」の第13回となる本年度募集を、3月1日から開始します。今回の対象テーマは「自動運転社会を支える計測技術」です。本賞は、毎年テーマを定め、多数の研究者の皆様から応募をいただき、その中から毎年3名の研究者を表彰しています。
分析・計測技術発展の将来の担い手となる方々の画期的でユニークな研究を支援することで、分析・計測技術の発展の一助になればと願っています。弊社の社是である「おもしろおかしく」を研究の場で実践されている研究者・技術者の積極的な応募を期待しています。

 

今回の募集対象:自動運転社会を支える計測技術

自動運転社会の実現に寄与する、下記の分析・計測・解析技術を募集対象とします。

  1. 自動運転に必要な走行環境を正確に把握するための研究
  2. 人と車の協調に関する研究
  3. 安全で環境にやさしい交通流計測制御に寄与する研究

車両に限らず、路上からの定点計測、人体にかかわる計測、これからの完全自動運転社会の実現、さらには安全・環境負荷低減に寄与する、革新的な分析・計測・解析技術の応募を期待します。なお、自動運転社会実現に伴って必要となる、セキュリティ・法規制に関する研究は除きます。

 

募集要項 

応募資格国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方

募集分野 

 「自動運転社会を支える計測技術」
応募期間2016年3月1日~5月20日
審査方法審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定
発表7月末予定
賞の内容 賞状及び副賞(1件あたり金150万円(50万円/年 × 3年))を授与します
授賞式および受賞記念セミナー2016年10月17日(月)に京都大学芝蘭会館(京都市左京区吉田牛の宮11-1)にて実施します(受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピール)。
応募方法応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載:http://www.mh-award.org/
応募・お問い合わせ先〒601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地  株式会社堀場製作所内 堀場雅夫賞事務局
TEL:075-313-8121(代)/ E-mail:info(at)mh-award.org

 

審査委員会 

審査委員長堀場 厚:
当社 代表取締役会長兼社長
副審査委員長

須田 義大:
東京大学 生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター
センター長 教授

海外審査委員Paul Newman:
BP Professor of Information Engineering, University of Oxford
審査委員大貝 晴俊:
早稲田大学大学院 情報生産システム研究科 自動運転・安全運転支援総合研究センター 副センター長 教授
 景山 一郎:
日本大学生産工学部 自動車工学リサーチセンター センター長 教授
 藤井 聡:
京都大学大学院 工学研究科 都市社会工学専攻 教授
 

佐渡 泰之(当社 第2製品開発センター自動車テレマティクス開発部)

 塩見 和広(当社 自動車計測事業戦略室)

 

自動運転社会を支える計測技術に関して

自動車は人が運転するものから、ブレーキサポートなどの技術革新を経て、完全自動運転の実現が近づきつつあります。そして、そのための研究開発がますます盛んに行われるようになっています。
自動運転の実現のためには、我々が運転動作として行っている「認知」「判断」「操作」という過程を自動化し、かつ、お互いが適切に関係し合える技術の実現が求められます。その中でも、「認知」においては様々なセンシング技術が、「判断」においては人の知能に匹敵するデータの分析・解析技術が必要です。これらの最適化・安定化に向けての分析・計測・解析技術の高度化も不可欠となります。さらに、自動運転から手動運転へのスムーズな移行や運転者の状態把握など、膨大な情報のやり取りが必要となり、革新的なヒューマンマシンインターフェイス(HMI)が求められています。
加えて、自動運転のもたらす期待効果として、交通事故低減はもとより、渋滞解消・環境負荷低減・快適な運転環境の実現といった、社会的な側面や人間の感性・感情といった側面に対する貢献も期待されます。そのためのセンシングや分析・解析が、研究開発の対象となっています。
2016堀場雅夫賞では、この自動運転社会を支える計測技術の研究開発にスポットライトをあてます。

 

ご参考

賞の背景

創業者の堀場雅夫が学生ベンチャーの草分けとして興した当社の歴史は、国産初のガラス電極式pHメータの開発から始まり、今日までその分析対象を液体・気体・固体分野へと拡大しながら、総合分析機器メーカーとしてグローバルに事業を拡大してきました。その発展を支えてきたものの一つに、創業当初からの大学や研究機関との連携があり、地道に基礎的な研究開発に取り組んできた研究者・技術者の努力が大きな原動力となっています。21世紀を迎え、分析・計測の重要性が社会的にも増してくる中、分析・計測技術の分野で、新たな起業・事業化の源となりうるアカデミックな研究・開発を支援するため、創業者の名前を冠した「堀場雅夫賞」を2003年創設しました。

 

賞の趣旨

本賞は、画期的な分析・計測技術の創生が期待される研究開発に従事する国内外の研究者・技術者を支援し、科学技術における分析・計測技術の価値をより一層高めることを目的とします。毎年対象分野を定めることで、その成果や今後の発展性を世界的にアピールするべき研究・開発に焦点を当てていきます。基礎から応用まで、対象分野においてユニークな研究開発に「おもしろおかしく」従事され、将来の分析・計測技術発展の担い手となられる方々の積極的な応募を期待しています。

 

堀場 雅夫について

1945年10月、京都帝国大学(現京都大学)理学部在学中に、当社前身の堀場無線研究所を京都に創業。今で言う学生ベンチャーの草分けとして出発。学生時代の専攻は核物理で、大学教授であった父・信吉氏と同じく、卒業後は大学に残って研究者になる道を志していた。しかし、終戦と同時に米軍が、サイクロトロン破壊など原子核関係の研究・実験を禁止する措置を取り大学での研究を続けられなくなった。自由に実験や研究ができる私設研究所をつくろうと決心したのが創業のきっかけ。


1953年1月、株式組織に改組し社長に就任。堀場無線研究所時代に電解質コンデンサーを開発し事業化を試みるが、朝鮮戦争のインフレのため計画は頓挫。代わりに、コンデンサー生産のために開発したpHメータを商品として売り出し、現在の株式会社 堀場製作所を設立した。設立当時から大学との産学協同体制で、次々と新しいpHメータを開発。現在までに至る事業の基盤を確立した。1978年、53歳で会長に就任。この時、人生哲学でもある「おもしろおかしく」を社是に制定。会長に就任後は、日本の中小企業、ベンチャー企業の支援や京都の活性化に力を尽くしている。現在は、財団法人 京都高度技術研究所 最高顧問やナノテクノロジーを中心として産学連携を推進する知的クラスター計画、京都ナノテク事業創生クラスター事業本部本部長などを務め、後輩起業家育成に注力している。また、最近は将来の社会を担う人材を育成するため、根本的な教育改革のためにも力を尽くしている。なお、2006年3月、革新的で情熱的な起業家として世界各国の研究や業績を支援する製品をもって地球規模の計測機器ビジネスを創始した活動は、分析化学分野の発展への貢献大として、米国「Pittcon Hall of Fame」(分析化学界の殿堂入り)を、欧米人以外で初めて果たした。2015年7月に永眠(享年90歳)。