環境放射線モニター“ラディ”4月13日発売

|   ニュースリリース

「はかるとわかる」暮らしの放射線をもっと身近に
タマゴ型で手のひらサイズ 放射線をかわいく計測

当社は、暮らしの中の放射線を計測する手のひらサイズの環境放射線モニター“ラディ”(PA-1000形)を、放射線学習向けに4月13日より発売。丸みのある可愛いデザインで、測り方は電源をポチッと一押し。簡単に持ち運んで自然界にもともとある放射線を計測できます。今月から中学理科で放射線に関する学習が始まります。校舎や公園、街中のわずかな放射線を"はかる"事を体験し、身近な発見や探究心など、理科のおもしろさが“わかる”機会を提供します。次世代を担う子供たちが、科学的思考力を養うきっかけになればと願っています。

 

暮らしの中の放射線

地球が誕生した時から放射線は飛び交っており、今でも私たちは放射線に囲まれて日常を過ごしています。上空・地面・食べ物などからも、放出されているほど身近な存在ですが、学校の授業ではほとんど触れられていないので、実はほとんどの日本人が知りません。もともと自然界に存在する環境放射線は、目には見えず触れることもできないため、測定器を使って“はかる”ことで、環境や人体に対する影響度がわかります。放射線量は場所によって異なり、地中からの放射線の影響を受けにくい海上と、コンクリートで囲まれたトンネルでは数値に差異が生じます。この放射線モニターは暮らしの中の微量な放射線を計測し、放射線における正確な理解に役立ちます。

 

新しい理科学習について

文部科学省は中学理科でエネルギーや粒子に関する学習を、平成24年までに完全導入すると発表し、今月から全国の中学校で学習導入への移行期間が始まります。今後の理科学習は実験や観察が充実し、自ら探求する能力と基礎を育むような理科学習指導を目指しています。放射線を学ぶ中学3年生では、年間の理科授業が80時間から140時間へと大幅に増え、教室以外で自然体験や科学的な実験などを経験できる時間が拡充しています。私たちの暮らしと科学技術を関連づけて、身近なところから科学的な検証を行うことで、物事の本質を見る科学的思考を育成する学習指導が実施されていきます。

 

環境放射線モニターと学習

街中、海、山などでの“はかる”体験が、暮らしの中の放射線の存在を知る「そうなんや!」海の上では放射線量が減る疑問「なんでやろう?」といった発見や探究心など、理科のおもしろさが"わかる"体験を提供します。また計測だけでなく、街の道路やトンネル、山などで計測したデータを基に、街の環境放射線マップを作成するといった活用法もあります。それぞれの場所で放射線量は異なり、「どうして?─番放射線量が多い場所はどんな理由があるの?」といった検証も行えます。計測データを使って検証することで、科学的思考力を養うきっかけになります。当社が永年専門施設や専門家向けに作ってきた技術をもとにした理科実験の教材です。

 

学習用途例

  • 街の環境放射線マップ作り
  • 物質ごとの放射線量の違いを測る
  • 学校から家までの放射線量を測る
  • 物質ごとの放射線の透過性を調べる
  • 中が見えないビンに入っている水の高さを調べる
  • 測定対象までの距離と放射線の強さの関係を調べる など

 

環境放射線モニターの導入メリット

  1. 小さくて持ちやすい、操作方法も一目瞭然
    名刺入れ程の手のひらサイズで持ち運びが楽チン。さらに計測まで電源を一押し。
  2. 業界最高水準の微量な放射線まで計測
    シンチレーション式で、他方式よりも約10分の1の微量な放射線を測定可能。

 

希望販売価格

税抜12,5000円(税込131,250円)

主な仕様
外形寸法68 (W) × 28 (D) × 121 (H) mm / 質量  175 g
測定範囲0.001~9.999マイクロシーベルト/毎時
測定放射線ガンマ線
検出方式シンチレーション式
計測時間60秒
電源単三乾電池 2本

 

参考資料

放射線とは?

エネルギーを持った電磁波や粒子線を指します。放射線にはアルファ,ベータ,ガンマ線をはじめ、X線,中性子線等があり、エネルギー量や放射距離、透過性に違いがあります。

  1. 環境放射線:生活環境に存在する放射線で、自然放射線と人工放射線がある
  2. 自然放射線:大地、宇宙、森、山などの自然界に存在する放射線
  3. 人工放射線:人工的に作った放射線で、診断に使うX線が代表例

 

放射能とは?

放射線を出す能力あるいは、その能力を持つ物質のこと。(ウラン、ラジウム、コバルト、カリウムなど)
放射能と放射線を「光を放つ蛍」に例えると蛍が放射能、発する光が放射線と言えます。
 

 

放射線の種類、単位:シーベルト

放射線にはアルファ、ベータ、ガンマ線をはじめ、X線、中性子線等があります。本製品ではこれらの内、ガンマ線の測定をします。人が受けた放射線の量をSv(シーベルト)という単位で表します。1人が1年間に自然放射線を受けている量は、世界平均で2.4ミリシーベルトと言われています。

 

シンチレーション式

放射線をキャッチしてその量に対応した強さの光を出すものを、シンチレーション式放射線検出器と呼びます。本製品では、放射線検出器として「固体シンチレータ」と呼ばれるヨウ化セシウムの結晶を用いています。放射線の量に応じて検出器から出る蛍光をフォトダイオードで電気信号に変換し、1時間あたりの放射線量として表示します。その他の放射線測定のガイガーカウンタに比べ、10倍以上高感度。そのため、微量な放射線の測定が可能です。

 

開発者からの一言

当社は大気、土壌、水質など、環境計測機器を開発し、“はかる”ことで地球環境に貢献をしています。この度、製品本体に採用したのは、植物由来のバイオプラスチック。耐熱性や耐久性が向上しており、当社製品では初めてバイオプラスチックを採用しました。化石燃料を削減できるため、環境負荷の低減に配慮をしています。