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米国など4か国で蛍光分析事業を買収

2014年2月10日


生物医学分野でアプリケーション拡大
業界ナンバーワンポジションを確固たるものに

当社は、米国Photon Technology International(フォトン・テクノロジー・インターナショナル:以下、PTI)社と蛍光分光分析(※1)事業の買収についての契約を締結しました。PTI社が持つ細胞内イオンの画像化技術(※2)などの独自技術と研究設備などの資産を譲り受け、当社が持つ世界最高水準の蛍光分光技術と融合し、同分野でシェアを高めます。解析需要が高まっている生物医学分野において、iPS細胞(※3)などに代表される再生医療の実現に向けた研究や次世代医薬品、農業・食品分野への事業拡大を進めます。

買収するPTI社について

PTI社は、蛍光分光分析市場において、生物医学分野向けの細胞内イオンイメージングならびにその解析技術に強みを持っています。特に、細胞内イオン分布(※4)の観察に特徴ある製品を有し、操作性や拡張性の高さにおいても高い評価を得ています。カナダのWestern Ontario大学医学部に研究開発用のラボを所有しており、生物医学分野へのアクセスルートを多く保有しています。<

HORIBAの事業背景

当社は、ホリバ・ジョバンイボン社を1997年に買収し、近赤外線から紫外線を使った波長領域での分析技術を取得したことで、赤外線からγ線までの全波長域での製品ラインアップを揃えることが可能になりました。アメリカにおいて蛍光分光光度計及び蛍光寿命測定装置の開発・生産・販売を行っており、カーボンナノチューブやグラフェン(※5)などの先端材料の評価用に国家研究機関や大学などに蛍光分光分析装置を提供してきました。蛍光分光分析分野ではグローバルに15%のシェア(世界一位、2012年発行のSDI社レポート)を獲得しています。

新しいアプリケーションでの成長可能性

生物医学分野においては、今、世界的に注目を浴びているiPS細胞などに代表される再生医療の実現に向けた研究や次世代医薬品、農業・食品分野では分子レベルの分析・解析の需要が高まっています。
昨今、欧米や中国などにおいて、国家予算の削減などにより国立研究機関や大学での新規製品需要が低迷しています。一方で、生物医学関連企業での製品化に向けた技術開発を目的として、アプリケーションソフトを組み込んだ分析装置の需要が増加しています。急速に拡大が予想される生物医学分野のアプリケーションにおいて、PTI社が保有するネットワークを活用することで、蛍光分光分析市場でさらなるシェアの拡大を実現します。
同時に、当社グループが持つ蛍光分光技術にPTI社の強みであるソフトウェア開発力や生産技術を合わせ、効率的な製品投入によりコストダウンを進めることで材料解析市場でさらなる販売増をめざします。5年後には、現有の蛍光分光事業と合わせて売上高45億円をめざします。

ご参考

Photon Technology International, Inc., の概要

代表者

Charles Marianik

設立

1983年

売上高

8百万USドル(約8億円、2013年度)

所在地

300 Birmingham Rd, Birmingham, NJ, USA

従業員

40名(連結、2013年12月末現在)

事業

蛍光分光測定機器の開発・製造・販売

買収する拠点

4か国4拠点:アメリカ(ニュージャージー州バーミンガム)、カナダ(オンタリオ州ロンドン)、イギリス(ウェストサセックス)、ドイツ(シーフェルド)

用語解説

※1 蛍光分光分析技術
電磁波の照射による光吸収によって原子や分子を励起する発光分光分析手法。

※2 細胞内イオンの画像化技術
着目するイオンに感受性をもつ蛍光色素で細胞を染色し蛍光顕微鏡にて観察する手法で、アルツハイマー病の特効薬の開発など次世代薬剤の開発に向けた解析において期待されている技術。薬剤による脳内細胞の活性化解析などに利用される。

※3 iPS細胞(人工多能性幹細胞)
iPS細胞:体細胞に特定の遺伝子などを入れ、神経や筋肉など体のさまざまな組織になる能力を持たせた細胞。2006年8月、山中伸弥・京都大学教授らのグループがマウス実験での成果を世界で初めて発表し、翌2007年11月にはヒトの皮膚細胞での成功を公表。2012年にノーベル医学生理学賞を受賞。

※4 細胞内イオン分布
細胞内でのイオン濃度分布の変化は、細胞内での情報伝達や生命活動の維持に深く関係することが知られている。

※5 グラフェン及びカーボンナノチューブ
グラフェンは、1原子の厚さの炭素原子のシートで、グラファイトやカーボンナノチューブの基礎構造体。カーボンナノチューブは、シート状のグラフェンが円筒状に組成されたもので、半導体や燃料電池の材料としての他、電子材料としても期待されている新素材。