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ミャンマーにおいて、環境省が推進する水環境改善事業に日立造船と共同実施

2017年2月 9日


ミャンマー国における河川水質汚濁の改善事業を共同で実施
環境省モデル事業で排水処理設備に水質モニタリング機器を導入

当社と日立造船株式会社(本社:大阪市住之江区、取締役社長兼CEO:谷所 敬、以下、日立造船)は、政府の成長戦略の一環として、アジア域内の水ビジネス市場への進出を支援することを目的とした環境省の「平成28 年度アジア水環境改善モデル事業(現地実証試験)」の公募に対し、共同で事業提案を行って参りました。
本提案は2015年より、ミャンマー連邦共和国(以下、ミャンマー)のワンディン市にある染色工場周辺の河川汚濁状況や事業性などの調査を行い、2016年3月に両社提案が採択され、この度、2017年1月より、当社の水質モニタリング機器、日立造船の排水処理設備を使用した水質改善の実証試験を開始することとなりました。
本事業は、ミャンマーの染色工場の排水による水質汚濁改善をめざし、当社と日立造船が有する水環境改善技術を現地におけるビジネスとして具現化するとともに、ミャンマーの繊維・織物産業の発展と環境保全の推進をめざします。


ワンディン市に設置した実証試験機

事業の背景

ワンディン市は、ミャンマーの民族衣装であるロンジーの織物工場が集中しており、染色工程からの排水により周辺河川の水質汚濁が問題となっています。この織物工場は、市内に約6,300カ所あり、その10%となる約630の工場が染色工程を有しています。
また、ミャンマーでは、具体的な工場排水に対する規制や基準、罰則規程が定まっておらず、排水処理設備の無い工場がほとんどであり、排水処理設備の維持管理等を実施できる事業者も少ないのが実情です。
このような状況から、水質の計測・分析技術を保有する当社は、以前より、ミャンマーでの環境調査を進めていたことから、本事業の提案者となり、環境省の支援を受けて、日立造船と共同で、実証試験を開始することになりました。

事業の概要

本事業は、ミャンマーの産業発展にともなう環境保全を維持するため、排水処理および水質モニタリングシステムの実証試験設備を導入します。また、染色排水による水質汚濁の改善および運転管理業務、維持管理業務を行う現地技術者の指導を行います。

主な活動内容

  • 染色工場の規模、排水量、河川汚濁状況の調査
  • 対象工場の染料および排水の分析により実証試験設備の仕様確定
  • 実証試験設備の導入と効果確認(河川調査)
  • 試験設備の運転・維持管理に関する技術指導

技術の概要

当社の水質計測機器からの定量的なデータと、日立造船の排水処理技術を組み合わせることにより、現地ニーズに適したシステムを構築し、染色排水を適正に処理します。


処理フローイメージ

排水処理システム

  1. 水条件の設定:計測により水質と水量の条件を確定
  2. 凝集処理テスト: pH・凝集剤・ポリマー最適ポイントの確認
  3. 生物処理テスト: 1) 汚泥負荷(容積負荷)を確認  2) 曝気空気量(*)の適正化
  4. 高速繊維ろ過テスト
  5. 放流前水質モニタリング: 放流前の水質チェック

補足説明
(*)水に空気を接触させて酸素を供給するときの空気量

本事業に使用する主な製品
 堀場製作所:
 有機性汚濁物質測定装置「OPSA」 
 工業用水質計 「H-1」
 
 日立造船:
 高速繊維ろ過装置「まりも®


体制について

当社は、事業の遂行および染色排水の計測・分析等を行います。また、代理店が現地にて委託分析作業を行います。
日立造船は、染色排水の水質汚濁処理設備の構築を行います。
また、ミャンマーの環境保全局が、ワンディン市での調査・実証試験のサポートを行います。

将来と今後の展開について

現在のミャンマーは、今後も経済成長が期待され、その過程において発生する環境問題を未然に防ぐための規制を整える準備段階です。
当社ならびに日立造船の技術がミャンマー国内で浸透することで、水質汚濁の改善と防止を行い、また、現地オペレータおよびメンテナンス業者の技術向上を図ることで、環境規制・排出基準の制定を推進し、今後もミャンマーにおける染色産業の発展に貢献していきます。