愛宕物産を買収

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(株)堀場製作所(本社・京都市,社長・堀場 厚)は、分光器およびその応用製品の輸入販売・製造をてがける、愛宕物産株式会社(本社・東京,社長・貝沼 敬二氏)の株式の95%を同社より取得します。株式買収契約の締結は、8月下旬の予定です。事業体質強化のための投資などを含め、今後2年間で5億円の投資総額を計画しています。同社の社長には、契約締結日に開催予定の同社臨時株主総会にて、当社専務取締役の石田耕三が就任(兼任)します。国内市場で分光関係装置で半導体分野に納入実績をもつ同社の買収で、当社としては、顧客に密着した販売ルートの獲得と共に、当社の生産技術と同社のアプリケーション技術の融合により、迅速な市場ニーズに適した製品の提供をはかります。なお、国内企業の買収は、今回が初めてです。

当社は、昨年9月に分光器ではその歴史と技術力で世界的に有名な"ジョバンイボン社"を前身とする、フランスの分光機器メーカのインスツルメンツ社を買収。理化学機器や半導体分野での製品ラインアップや市場開拓を進めています。
一方、愛宕物産株式会社(以下、愛宕物産)は、1955年設立(創業は1928年)で、1971年にジョバンイボン社(現インスツルメンツ社)と日本における総代理店契約を結び、回折格子(グレーティング)や分光器および各種分光分析機器の輸入販売を主に行っています。主力製品は、血液分析メーカ向け回折格子や、各種大学研究所向け分光器(いずれも国内トップシェア)をはじめ、半導体関連向けの分光エリプソメータやラマン分光測定装置といった、分光関連製品の販売を行っています。また、輸入販売にとどまらず、顧客密着型のサポート体制を充実。カスタムニーズに対応するエンジニアリング力には定評があります。とりわけ、半導体分野においては、独自の販売ルートならびに販売力をもっています。

同社の主な市場であると同時に当社が注力している半導体分野は、ますます短納期化すると同時に、市場ニーズが複雑かつ高度化しています。このような、複雑に変化する市場ニーズに迅速に対応するため、同社の株式取得という形でグループ化し、当社の持つ生産技術と同社のアプリケーション(応用展開)技術・エンジニアリング力、さらにインスツルメンツ社の持つ基礎技術力の、3社それぞれが得意とする技術・分野の融合をはかり、新たな製品展開を積極的に推進していきます。販売面では、インスツルメンツ社製品の拡販を中心とした事業展開の中で、当社と愛宕物産が持つ営業拠点の共有化や人的交流も含めて連携を強化し、半導体分野における国内営業体制の構築を目指します。さらに、同社は商社機能に加えて製造技術も持っています。将来的には当社の東地域の開発・製造拠点としての位置付も視野に入れています。両社の連携強化による事業推進により、2年後の2000年には、愛宕物産単体で本年(見込み)の1.5倍の40億円の売上を目標としています。


参考資料

  • 愛宕物産(株) 概要
    事業内容:分光分析機械,分光素子輸出入・分光分析装置などの製造・販売
    設  立:1955年4月 (創業:1928年6月)
    資 本 金:2,000万円
    社  長:貝沼 敬二
    住  所:東京港区新橋5−23−7 TEL.03-3432-8741
    売 上 高:約25億円('97年度実績)
    社 員 数:43名