エンジン試験システム分野に本格参入 欧州企業と提携し、同分野の最先端研究を展開

|   ニュースリリース

当社は、エンジン開発用試験システム分野での連携を強化することを目的に、独シェンク・ペガサス社、英リカルド社と、両社が新製品開発を目的として2001年2月に設立したジョイントベンチャー、英シェンク・リカルド・システムズ社に資本参加することに合意しました。同ジョイントベンチャーは当社の参加により、11月1日付で新たにSRHシステムズ社に社名変更し、英国の拠点において最先端のエンジン研究・開発用に使用される計測・自動化システムの開発を行ないます。また、3社はエンジン開発用試験システム分野での世界的なネットワークを構築して同分野での競争力をさらに向上させることに加え、各社の主力分野においても相互に協力体制を敷くことでより効果的な事業展開を狙います。


当社はエンジン排ガス計測分野を主体としており、エンジンおよびパワートレイン分野での研究開発システムを主力とする独シェンク・ペガサス社と、エンジン、トランスミッション、車載用エレクトロニクスの開発を得意とする英リカルド社との提携は、エンジン研究・開発用試験システム分野での効果的な補完関係を得られるものと期待しています。

最近のエンジン開発現場では、高性能かつ低環境負荷の世界的な要求に応えるため、エレクトロニクスを駆使したエンジン本体や排ガス浄化触媒の研究開発が進められており、データ収集の効率化と実験の自動化が開発スピードアップのために必須となっています。今回設立のジョイントベンチャーが最初の目的とする開発システムのターゲットはこのような開発現場でのニーズに合ったものを提供することにあります。さらに、今回のシステム開発をベースとし、参加各社の必要に応じた各種プロジェクトを発足させ、中長期的により緊密な強力関係を築いて行く予定です。


なお、当社では、完成車の排ガス試験を行なう分野においては既に独マハ社とシャシダイナモ共同開発の提携関係に入っており、今回のジョイントベンチャー参加でエンジン単体から完成車に至るまでの排ガス計測分野におけるラインアップをより強化し、排ガス関連の総合システムメーカーとしての基盤をさらに確固たるものにして行きます。

参考資料

<ご参考>

  • エンジン研究・開発用に使用される計測・自動化システム
    エンジンを所定の条件(スピード、負荷)で自動的に運転し、各種性能・排ガスを計測して記録し、データ演算などの解析を行なって実験・試験の効率的に行なうことを目的とするもの。自動車メーカをはじめとしてエンジンメーカ、部品メーカなどでの研究開発設備として必須のもの。
  • シャシダイナモメータ
    完成車の排ガス試験や性能試験を行なう際に、測定室内で路上での走行を再現するための大型ローラ装置。実際の走行と同じ負荷を車に与えることができる。
  • 各社の概要

    シェンク・リカルド・システムズ社(Schenck Ricardo Systems Ltd)
    概要:シェンク・ペガサス社とリカルド社が自動車とその部品の試験と開発のためのシステム事業を強化するために設立した。両社が協力することで、エンジンと関連システムの開発とテストシステムのノウハウ相互利用が可能となる。また、自動車の総合テストセンターを提供することもできるようになった。
    創立:2001年2月
    住所:Unit 16 Lowesmoor Wharf, Worcester, WR1 2RS, UK

    シェンク・ペガサス社(Schenck Pegasus GmbH)
    概要:同社はドイツに本社があるデュール社(Durr)の子会社であるカール・シェンク社(Carl Schenck AG)の最大部門で、1993年設立で世界50ヶ国に販売サービス網をおいている。事業分野としては、自動車と部品の開発・テストシステム、製造部門での試験設備がある。
    創立:1993年
    住所:Landwehrstrasse 55, D-64293 Darmstadt, Germany

    リカルド社(Ricardo plc)
    概要:同社は英国に本拠地を置くリカルドグループの持ち株会社で、自動車エンジン分野でのコンサルティングで有名なリカルド・コンサルティング・エンジニアーズ社などを傘下に置く。
    創立:1915年
    住所:Shoreham-by-Sea, West Sussex, BN43 5FG, UK