現存する500年前の日章旗分析に協力 

2019年8月16日


当社ならびに株式会社堀場テクノサービスは、この度、NPO法人大和社中、染色史家の吉岡幸雄氏、京都大学化学研究所、京都大学総合博物館、兵庫県佐用町にある大型放射光施設「SPring-8」から構成される調査チームに参加し、奈良県の「賀名生(あのう)の里 歴史民俗資料館」に保管・展示され、日本最古と推測される日章旗に関する元素分析と化学組成の構造分析を行いました。
この「日章旗」は、奈良県五條市西吉野町の賀名生の旧家である堀家が、延元元年(1336年)に足利尊氏によって京の都を追われ吉野に南朝を開いた後醍醐天皇から下賜されたとされ、堀家の二十九代に至る今日まで大切に伝世されてきたものです。
 

当社の調査内容について

当社は、顕微レーザーラマン分光装置、X線分析顕微鏡などを用いて、日章旗の赤色顔料と布地の元素分析、化学組成の構造解析を行いました。これにより、日章旗の赤色顔料は硫化水銀からなる鉱石である辰砂と同じ元素と化学組成を示す数値、布地は絹と同じ化学組成を示す数値が得られました。
 

共同調査チームによる調査結果

絹地の年代

  • 絹地の年代は、放射性炭素年代測定から、室町時代の西暦1463年から1634年であることがわかりました。

素材

  • 赤色顔料として硫化水銀からなる鉱石である辰砂が用いられていること、繊維の素材が絹であることが明らかになりました。
  • 1本の絹糸の太さが約30ミクロンメートルで(人間の毛髪の5分の1程度)、古代の蚕に特有の扁平にひしゃげた形であること、絹糸の撚り方と織り方が室町時代当時の特徴を示すことなどが明らかになりました。 


日章旗(五条市教育委員会提供)

  

調査に使用した当社の製品情報

顕微レーザーラマン分光測定装置 LabRAM HR Evolution
微小部X線分析装置 XGT-9000