製薬業界におけるTOC測定の背景

日本国内の医薬品の規格基準書である日本薬局方では、注射用水のTOC値を一定量以下に管理することが規定されており、分析することが義務付けされていま す。現在、測定サンプルを抜き取ったものを手分析する方法と、注射用水の製造装置に直接接続し連続測定する方法が用いられていますが、連続測定を採用して いる現場は約30%程度といわれています。しかしながら手分析は、特に濃度が低い場合に測定液の採取時の汚染などで誤差が発生する場合があり、注意を払う 必要があります。また、手分析には時間がかかるため、設備の規模が大きくなると、件数が増えて工数が増えるだけでなく、異常が発生した場合の対処に遅れが 発生する場合があります。このような問題に対処するために、連続測定用計測器の必要性が高まってきています。

紫外線酸化分解導電率方を採用したTOC計が製薬用水の管理に適している理由

医薬品の製造に使用される製薬用水は、極限まで有機物が取り除かれた、純度の高い水です。したがって製薬用水に含まれるTOC濃度も極低濃度であるため、高精度な計測技術が要求されます。
このような低濃度域での二酸化炭素の測定は、非分散赤外線吸収方式の場合、その感度を高めるために測定セルを大きくする必要があり、連続測定用計測器を構 成するうえで困難な手法です。一方、導電率方式は有機物を分解する前後の差分により二酸化炭素を測定する手法のため、低濃度域での測定に適しており、シン プルな構造にできるため小型化も可能です。さらに分解する有機物の絶対量が少ない製薬用水においては、紫外線による酸化分解が、その効率において最適な手 法です。紫外線酸化分解導電率方は試薬やパージガスが不要で、メンテナンスコストが安価であるなどのメリットがあります。