アンモニア態窒素計 HC-200NH

概要

アンモニア態窒素計 HC-200NHは、硝化プロセスの最適制御を実現するためのイオン選択電極式のアンモニア態窒素計です。

  • 生物処理プロセス流入水中のアンモニア態窒素濃度監視
  • 生物処理反応タンクでのアンモニア態窒素濃度監視による曝気風量制御
  • 放流水中の残留アンモニア態窒素濃度監視
  • アナモックス排水プロセスへの導入

など下水処理や排水処理のプロセス制御のエネルギー効率向上や適正運転に貢献します。

特長

  • 汚れに強いセンサ
    微生物からセンサの応答膜を保護し、汚れ影響を低減しました。
  • 超音波洗浄による汚れ防止
    バースト発振方式により電極の局部へのパワー集中を防ぎダメージを防止。
    微生物由来のスケール付着を事前に予防します。
  • センサの交換時期をお知らせします。
    測定中にセンサの劣化の自己診断を行います。
    測定困難になる前にセンサの交換準備が可能になり測定値の信頼性が向上します。
    突然の測定異常などで稼働停止のリスクを低減します。
  • サンプルアジャスト機能で日常メンテナンスの負荷低減
    センサを槽内に浸漬したまま手分析への合わせこみが可能です。
  • センサチップの交換に工具は必要ありません。
    すべてのセンサチップは簡単に手作業で交換できます。
    特殊な工具は必要ありません。
  • アンモニア濃度が低濃度でも安定測定
    試料水と電極内部液間の濃度差による吸水が原因で発生する指示値の変化や内圧変化による指示値のドリフトを、弊社独自の”内部液の最適化”により低減。(特許登録済 第5144829号)
  • アンモニア態窒素センサと同時に蛍光式溶存酸素センサの2チャンネル測定が可能(オプション)

詳細はQ&Aをご覧ください。


製造会社: HORIBA Advanced Techno

仕様

■指示変換器仕様

形式

HC-200NH

●アンモニア態窒素計仕様

組合せセンサ本体型式

AM-2000

センサ型式

7691:アンモニウムイオンチップ、7692:補正用カリウムイオンチップ、7211:比較チップ

測定範囲

濃度:0〜1000mg/L(表示範囲:0〜2000mg/L)
温度:0〜40℃(表示範囲:-10〜110℃)

表示分解能

濃度:0.01mg/L:0.00〜10.00mg/L 0.1mg/L:0.0〜100.0mg/L 1mg/L:0〜1000mg/L
温度:0.1℃

繰り返し性

濃度:読み値に対して3%±1digitまたは0.2mg/L±1digitどちらか大きいほう(標準液にて)
温度:±0.3℃

温度補償

温度補償素子:白金抵抗体:1kΩ
温度補償範囲:0〜40℃
温度校正機能:基準温度計との比較1点校正

カリウムイオン温度補償

補償範囲:カリウムイオン濃度がアンモニウムイオン濃度の10倍以下かつ1000ppm以下
補償誤差:±20%(読み値)

校正方法

2点標準液校正

付加機能

手分析との合わせ込み(1点)、検量線入力機能(1次式)、調整履歴

自己診断機能

校正エラー、センサ診断エラー、変換器異常

●光学式溶存酸素計(オプション)

組合せセンサ本体型式

DO-2000

センサ型式

5700A:センサキャップ

測定範囲

溶存酸素濃度:0〜20mg/L 表示分解能0.01mg/L
飽和度:0〜200% 表示分解能0.1%
温度:0〜50℃ 表示分解能0.1℃

温度補償

温度補償素子:サーミスタ 温度補償範囲:0〜50℃

校正方法

大気スパン校正、ゼロ液(亜硫酸ソーダ)校正、スパン液(大気飽和液)校正

自己診断

校正エラー、センサ診断エラー、変換器異常

●変換器共通仕様

伝送出力

3点 DC4〜20mA 入出力絶縁形 最大負荷抵抗900Ω
下記より3項目選択
出力範囲1:アンモニア態窒素濃度 測定範囲内で任意に設定可能
出力範囲2:溶存酸素濃度 測定範囲内で任意に設定可能
出力範囲3:アンモニア態窒素計の温度 -10〜110℃の範囲内で任意に設定可能
出力範囲4:-10〜110℃の範囲内で任意に設定可能

接点出力

5点 無電圧接点出力 リレー接点、SPST(1a、1c)
接点機能 R1,R2:上限警報、下限警報、伝送出力ホールド中、洗浄出力より選択
     R3:イオンチップ劣化通知
     R4:イオンチップ寿命警報
     FAIL:異常警報

洗浄出力

2点 有電圧接点出力(接続電源電圧出力) リレー接点、SPST(1a)
接点機能:洗浄用電磁弁駆動

接点入力

1点 接点形態:オープンコレクタ無電圧a接点

通信機能

RS-485 2線式、入出力絶縁形(ただし、伝送出力とは非絶縁)

動作温度範囲

-20〜55℃(凍結しないこと)

電源

AC100〜240V 50/60Hz 消費電力28VA(max)

構造

屋外設置形:保護等級IP65 取付方法:50Aポールまたは壁面取付
ケース:アルミニウム合金 取付金具・フード:SUS304

質量

本体:約3.5kg フード、取付金具:約1kg

適合規格

CEマーキング、FCC規則

■検出器仕様(アンモニア態窒素計)

センサ本体形式

AM-2000

測定条件

0~40℃,pH4.0~8.5,[Na+]: アンモニア態窒素濃度の100倍以下

測定深さ

0.3〜10m

接液材質

SUS316、FKM、PVC

質量

約2.7kg(ケーブル10m含む)

■検出器仕様(光学式溶存酸素計)

センサ本体形式

DO-2000

測定液温度

0〜50℃

測定深さ

0.3〜10m

接液材質

SUS316、NBR、PVC

質量

約3.0kg(ケーブル10m含む)

■補用品

形式

品名

7691(※)

アンモニウムイオンセンサチップ

7692(※)

カリウムイオンセンサチップ

7211

比較電極チップ

C-7211

比較電極先端ゴムキャップ

5700A

センサキャップ

(※)冷蔵または冷暗所にて保管してください(1〜30℃)

外形寸法図・他(単位:mm)

指示変換器 HC-200NH
態窒素センサ AM-2000
浸漬型超音波洗浄器 UH-16A
光学式DOセンサ DO-2000
取付金具 MH-120

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アンモニア態窒素計の塩素注入処理への転用

アンモニア態窒素計の塩素注入処理への転用

1. 塩素ブレイクポイント処理

水道水や、工場用水、排水(めっき、半導体、化学系工場)などの水処理においてはアンモニア態窒素を塩素注入にて処理する事が一般的である。

純水等(高純度水)へ塩素注入する場合
注入量= 遊離塩素量となる。(図1)

塩素を消費する成分がある場合(鉄分等)
ある一定点から結合塩素+ 遊離塩素が発生する。(図2)

アンモニア態窒素が含まれる場合
一定量までは結合塩素を生じ、さらに注入を継続するとある点から結合塩素量が減少する。
そして、ある一定点まで低下した後、注入量に比例して遊離塩素濃度が増加する。(図3)

この点(図3①)をブレイクポイントと言い、この点を若干超えた点で制御するのが塩素ブレイクポイント処理となる。
また、塩素をアンモニア態窒素の10倍量注入する事が必要だと言われている。

2. 課題

アンモニア態窒素の量を正確に把握せずに注入すると、

  • 過注入:不必要な薬品代発生、次の処理工程へ高負荷等
  • 注入不足:処理不足による基準値Over等

という問題を抱える事となる。

3. HORIBAセンサの特長

(A) 測定の安定性をセンサ構造にて解決(特許)

(B) 測定中の劣化診断(特許)

フィールドテスト実例【東京都下水道局殿との共同研究データ】

※下水処理場の反応槽での実証結果

アクセサリ

Q&A

pH電極がありませんが、pH補正は必要ないのでしょうか?

弊社では、pH補正は不要と判断しております。
pH補正が必要となるのは、アンモニウムイオンがガス化するようなアルカリに傾いた場合です。pH9に近づいてくるとその影響が見られ始めますが、pH10を超えると補正はできません。事実上、pH補正の意味があるのはpH8の後半からpH10までの間です。補正範囲は「7〜9」となっていますが、実際に使用される生物反応槽向けでは、pH7付近のため不要です。また、仮にpH電極を付属した場合は、適切なメンテナンスが求められます。pHの校正は毎月1回洗浄も必要になり、交換費用もかかります。生物反応槽に限れば精度が良くなるわけではありませんので、費用が余計に必要となります。

超音波洗浄器とジェット(エアー・水)洗浄器の選定基準はどのように判断すればいいでしょうか?

アンモニアセンサには標準的に洗浄器を必ず組み合わせるようにしてください。

  • 超音波洗浄器の選定
    生物反応槽で使用される場合。
    微生物膜を超音波で分解し付着を防止します。
  • ジェット(エアー・水)洗浄器の選定
    生物反応槽以外の流入原水等で使用される場合。
    微生物膜由来以外の汚れの洗浄に効果を発揮します。

センサチップの交換周期はどの程度でしょうか?

推奨期間

  • アンモニアイオン電極:6か月毎
  • 比較電極:1年毎

ただしサンプル・環境条件によりバラつきがあります。
上記交換周期はいろいろな実装現場から得られた目安交換頻度の最短ラインですので、現場によっては推奨期間以上使用できる可能性があります。
特にアンモニアイオンセンサは自己診断機能として交換アラームを有しておりますので、風量制御している場合などにも安心してご使用いただけます。

排水処理生物反応槽以外にアプリケーションはありますか?

現在、弊社では下水処理場の反応タンクでの使用・評価については、数多くの事例と経験値を有しております。
他のアプリケーション事例にも積極的に取り組んでおり、下水(排水)においても生物反応槽の処理前・後やアナモックスを利用した各種水処理、上水における流入原水等にも今後導入を行うべく進めていきます。
事前の評価が必要となりますので、具体的なアプリケーションについては営業担当者にご相談ください。

現場での校正方法・校正周期について

初期設置時・新品交換時は標準液による2点校正となります。以降、日常の運用面ではサンプルアジャスト機能をご使用ください。サンプルアジャストの周期は設置初期・新品交換時は初期変動があるため、頻繁にご確認いただくのが良いです。
初期変動はこれまでの経験上、設置開始後、約12時間ほど経過してから発生します。そのため、設置した翌日にはサンプルアジャストを行ってください。
安定が確認されてきたら周期を延ばしていただけます。推奨は2週間〜1か月としておりますが、現場状況によって千差万別のため一概には特定できかねます。

校正時に劇薬・毒薬は必要ですか?

インドフェノール法等に代表される比色測定では、試薬に劇薬・毒薬を使用しますが、弊社が採用していますイオン電極法の標準液校正には不要です。
サンプルアジャスト機能を使用される場合に関しては、お客様の基準とする測定方法によります。

流速影響は受けますか?

密閉型比較電極は流量影響を受けやすくなります。標準付属のキャップを使用することで流量影響を軽減し安定測定を実現しました。
キャップは補用品として用意しています。
必ずキャップを装着してご使用ください。

応答速度について

反応槽の風量制御では、アンモニア態窒素濃度に応じて風量を制御するため、応答性は重要項目の一つとして開発しています。
アンモニア態窒素濃度の減少局面では応答速度が遅いと過剰曝気となり、目的とする風量削減ができない可能性があります。また、応答速度がより求められるのは増加局面であり、曝気不足では処理水質が低下する恐れがあります。そのため通常は10分以内の応答速度が求められますが、HC-200NHの標準液中に対する応答性は3分以内に指示値が安定することが確認されており、風量制御する上で十分な応答性を有しています。

校正をしないとドリフトはプラス方向、マイナス方向、どちらにドリフトする傾向があるのでしょうか?

イオン電極の特性上、両方向にドリフトする可能性があります。

現状は正方向が多いと考えられます。
 正方向 ⇒ イオンチップ内部液が希釈される場合
 負方向 ⇒ 比較電極内部液が希釈される場合

サンプル温度影響はどの程度受けるでしょうか?

検出器にはPt1000Ωの温度センサを搭載しアンモニア態窒素濃度を温度補償しております。
ただし、上記の温度センサの校正時は注意が必要です。
温度校正する液に浸漬させ十分になじませ、指示が安定するまで待機してください。特に

  • サンプルと外気に温度差がある場合
  • サンプルと校正液に温度差がある場合

は、十分に安定するまで水温に十分なじませてください。
十分に安定する前に温度校正をした場合は、時間経過とともにズレを生じますので、サンプル測定開始後、十分に時間を置いてサンプルアジャストを行うようにしてください。