マスフローコントローラは流体の質量流量を計測し流量制御を行う機器です。流体の流量計測には主に“体積流量”と“質量流量”が用いられています。体積流量は、計測対象となる流体が“環境温度”や“使用圧力”等の変化により体積変化が生じ、正確な流量を計測する場合は変化量に合った補正を行う必要があります。一方質量流量は、流体の質量(重さ)を計測する事により、使用条件の変化による補正を行う必要がありません。半導体プロセスをはじめ、高精度な流量計測・制御を要求されるプロセスにおける流量制御機器としてマスフローコントローラは幅広く使用されています。当社のマスフローコントローラは、CPUを搭載したデジタルマスフローコントローラやデバイスネット通信に対応したモデルなど、さまざまなお客様の用途に合ったモデルをラインアップしています。

■構造/動作原理

マスフローコントローラの基本構造は下図の通り、流量センサ、バイパス、バルブおよび電気回路から構成されています。また、デジタルマスフローコントローラでは、回路部へのCPU搭載により高度な補正が行えます。入口から入ったガスはまずセンサとバイパスに分流されます。センサで質量流量に比例した温度変化をとらえてブリッジ回路で電気信号に変換します。この信号は増幅回路、補正回路を経てリニア電圧信号として外部へ出力し、一方比較制御回路へも送ります。外部からの設定信号とセンサからの流量信号を比較制御回路で差信号としてバルブ駆動回路へ送ります。流量制御バルブは、この差信号がゼロになる方向に作動し、常に設定された流量に制御します。

■流量センサ

マスフローコントローラに搭載している質量流量センサは、熱式質量流量センサと呼ばれています。当社のセンサは、ステンレス製の毛細管に2対の発熱抵抗線を巻き、ブリッジ回路を形成しています。発熱抵抗線に電流を流す事により加熱されます。加熱された状態で毛細管内に流体を流すと、上流側、下流側に温度差が生じ、この温度差をブリッジ回路を用いて電気信号へ変換し、流体の質量流量を計測します。

■バイパス

センサはガスの流れを温度変化として捉え、毛細管を使用している為流せる流量に限りがあります。流量レンジを拡大する為にセンサの差圧流量特性に非常に近い特性を持ったバイパスを並列に設置し、センサ、バイパスを流れる流量の合計により流量レンジを拡大しています。下図の分流比(k)が使用温度・圧力等の外的要因による影響や流量域において変化しない値となる特性を持ったバイパスを搭載しています。センサと同じ特性を持つことにより直線性に優れ、つまりに強い特徴を持っています。

■流量制御バルブ

ピエゾアクチュエータバルブ、サーマルアクチュエータバルブ、ソレノイドアクチュエータバルブの3方式があります。当社が世界に先がけて開発したピエゾアクチュエータバルブは、ピエゾスタックに印加する電圧によって生じるピエゾ素子の歪をバルブの駆動に利用しています。バルブ部にメタルダイヤフラム構造を採用することによりオールメタル、ウルトラクリーンマスフローコントローラを実現しました。サーマルバルブは膨張軸に巻かれたヒーターに流れる電流によりバルブ開度が連続的に変化するものです。このほかソレノイドを利用したソレノイドバルブも製品化し、ご用途に応じた流量制御バルブをラインアップしています。