ぶんせきコラム

ガス分析が
ダイオキシンをふせぐ


今回は、環境問題として最も注目されるもののひとつ、「ダイオキシン類」の抑制に、ガス分析計が役立っているというお話です。

ごみ焼却でのダイオキシン発生のメカニズムは、その燃焼状態と深くかかわっています。

一般的に、燃焼温度が高いほどダイオキシン類が生成されにくいといわれています。

このことから、ごみ処理施設にはダイオキシン類の発生を防ぐガイドラインが設けられ、燃焼温度を800〜850℃以上に保ち続けることが求められています。

燃焼状態を示すもう一つの指標として、CO(一酸化炭素)濃度があります。

CO濃度が低いほど完全燃焼に近く、燃焼温度も高くなることから、ダイオキシン類の生成も抑えられることが知られています。

そこでガイドラインでは、測定が難しいダイオキシン類濃度そのものよりも、比較的測定が簡単で連続測定に向くCO濃度を、ダイオキシン発生防止の管理指標として採用しています。

さらに最先端の半導体デバイスでは、極限まで薄いシリコン酸化膜が要求されます。

このCO濃度を測定するのが赤外線をつかった「ガス分析装置」。全国各地のごみ処理施設からダイオキシン類が発生することのないよう、いつも目を光らせているというわけです。





※記事中に登場する関係省庁の名称は執筆当時のものを使用しています。