HORIBAのひとり言

分析をささえる
技術と胃袋とは?
──中国より


中国というと何を思い浮かべますか?4000年の歴史、パンダ、孫悟空、中華料理、万里の長城、世界一の人口をかかえる大国…。堀場製作所・北京事務所の二谷慎司氏より、中国における正確な分析をささえる技術力と「胃袋」との関係についてのレポート(?)です。

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わたしは2001年3月から堀場製作所北京事務所に赴任し、フィールドサービスを通してお客さまの分析のお手伝いをしています。
中国はとても大きな国です。「分析装置の調子が悪いのでちょっと見に来てください。」と言われて、飛行機で1時間ならばまだ近い方です。北京から飛行機で3時間、夜行列車で7時間、さらにクルマで2時間の山奥で活躍している分析装置もあります。

広大な国土ですから、分析装置が使用されている環境もさまざまです。
冬はマイナス20℃まで気温が下がる黒龍江省。乾燥が激しく砂ぼこりが舞うシルクロードの新彊ウイグル自治区。熱帯雨林もすぐ近くの広西壮族自治区。ハイテクビルが立ち並ぶ近代都市上海。

つけくわえて、各地で出会う人たちや食事、習慣にも驚かされることばかりです。青い目をした絶世の美人がいるかと思えば、ジンギスカンの生まれ変わりかと見まがうような巨漢にもお目にかかります。中国の人たちとの宴席では、ヘビの生き血を飲んだり、サソリのから揚げ、強烈な匂いのする臭豆腐、激辛の鍋を囲んで58度の焼酎で杯を交わすのも楽しみです。

このような過酷で多様な条件下で長いあいだ正しく分析装置を使用していただくには、耐久性のある設計はもとより日常のメンテナンスが必要条件となります。そして、修理やメンテナンスのために全国を飛び回るサービスエンジニアには、技術はもとより体力と好奇心と丈夫な胃袋が要求されるのです。

2008年の北京オリンピック開催が決定し、ますます活気に沸く中国で、分析装置の正しい使用方法とメンテナンスの大切さを中国のお客さまに紹介することを通して、環境問題の解決などをこれからもお手伝いしつづけたいと考えています。