HORIBAのひとり言

生活から感じる環境意識
─ ドイツレポート第2弾


ドイツといえばどんな国でしょう。サッカーW杯では準優勝に輝き、冷静な攻撃と鉄壁の守備が印象的でしたが、日々の暮らしも同じく厳格…なのかどうか?ホリバヨーロッパ社へ赴任5か月めの山口大輝氏より、ドイツでの生活にみる環境保全についてのレポートです。

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 環境保全へのとりくみ
こちらに来てはじめに驚いたことは、やはり住民ひとりひとりの環境意識の高さと、保全のためのとりくみが徹底しているということでしょうか。

たとえば、リサイクルのための原料をあらわすマークが、包装材や容器に表示されていることは日本も同じですが、実際その分別ぶりはまったく徹底しています。それにくわえて、スーパーでも街角の市場でも、野菜や肉類は量り売りがふつうで、そもそも包装も最小限ですみます。これには環境負荷を低減するだけでなく、必要な分だけ買えるということで、経済的なメリットともよく適合しています。

また、ドイツといえばアウトバーンに代表されるように自動車が不可欠な社会のように考えていたのですが、騒音や大気汚染などの問題から、できるだけ公共交通機関をつかうよう呼びかけられています。ただ呼びかけだけでなく、家から最寄りの駅まで自動車で行き、無料で駐車できる「パーク・アンド・ライド」というシステムや自転車専用道路がととのっていて、電車にも自転車ごと乗れることがほとんどです。

環境保全へのとりくみというと、とかく制限がつきものとイメージしがちですが、工夫しだいでそれほどではなくなったり、かえって経済的になる場合があることを感じます。また、決めたことはまもろうという姿勢がドイツに暮らす多くの人にみられるので、これらのしくみがよく機能しています。
 生活とリンクした保全活動
ルールに対しては厳格なドイツの人々ですが、仕事に関してはまた違った一面も見せます。というのも、毎週金曜日になるとほとんどの人が、午後4時ごろには帰ってしまうのです。はじめは面喰らったのですが、仕事をしていないのかと思えばそうではなく、週末にそなえて早く帰るために、金曜日は朝早くから働いているのです。

オンとオフはしっかり区別し、休日は仕事を持ち込むことなくしっかりと休むという「ルール」が、ここにもきっちりとまもられていました。したがって、やるべき仕事は時間内にやって、残業をすることはほとんどありません。

さらに、長期のバケーションをとることがふつうで、年のはじめに日程を決めてしまいます。日本では考えにくいことですが、仕事を依頼すると、バケーションだから1か月後になるという返事が返ってくることもあります。

さて、その休日には何をしているのかとたずねると、大都市やいわゆる観光地のようなところへ行くよりも、自然の中でゆっくりすごすことが多いようです。実際、身近なところに自然保護区域などが多く、週末などに訪れると若いカップルから家族づれ、老夫婦まで、いろいろな年齢層の人たちに出会います。

こんなふうに自然とすごす日常あたりまえの生活も、環境に対する意識を生むきっかけになっているのかもしれません。ここドイツで、環境保全にかかわる製品を広める仕事に携われることに喜びと感謝を感じる毎日です。


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