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「2007 堀場雅夫賞」募集開始 対象テーマは「医療分析」

2007年4月 5日


当社は、2004年に創設した社外対象の研究奨励賞「堀場雅夫賞」の第4回目となる本年度募集を4月5日から開始します。今回の対象テーマは「医療分析」です。

本賞は過去、第1回の募集対象分野“pH計測”、第2回の“赤外線計測関連技術”そして3回目となる昨年は“X線分析”をテーマに多数の研究者から応募をいただきました。本年は当社が医療関連製品として血液分析装置を30年にわたり販売してまいりました“細胞・生体粒子計測”に焦点を当てることで、学術的・工業的にも価値の高い同技術の更なる医療ニーズを追求していきます。

分析・計測技術発展の将来の担い手となる方々の積極的な応募を期待するとともに、画期的でユニークな分析・計測技術に「おもしろおかしく」従事されている研究者・技術者を支援することで、計測技術の発展の一助になればと願っています。

〈今回の募集対象:医療分析について〉
細胞・生体粒子計測は、医療分野はもとより、基礎医学、臨床検査学において根底を形成する計測技術であり、かつ応用範囲は極めて広く、医学の進歩に呼応しその重要性はますます大きくなっています。今回は、計測の対象として細胞、生体粒子内部の化学分析から形態、個数などの物理分析まで幅広い視点からの募集が対象になります。ただし、PETやSPECTなどによる生体イメージングは除きます。

〈応募要綱〉

【募集対象】
  国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方
【募集分野】
  「医療分析」
【審査方法】
  審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定
【発表】
  7月末予定
【賞の内容】
  受賞者には、賞状及び副賞として助成金を支給
 (副賞は、1件あたり金150万円を支給します。ただし本賞および副賞の授与は応募資格の継続が条件)
【表彰式】
  2007年10月17日(水) 京都大学芝蘭会館
  (京都市左京区吉田牛の宮11-1)
  受賞者による講演やポスターセッションを通して、研究内容を広く社会にアピールする予定
【応募期間】
  5月31日まで
【応募方法】
  応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載:

http://www.mh-award.org/


【応募・お問い合わせ先】
  郵便番号601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地
  株式会社堀場製作所 内 堀場雅夫賞 事務局
  TEL 075-313-8121(代)
  E-mail: info@mh-award.org
【審査委員会】(敬称略、順不同)
  名誉審査委員長 堀場 雅夫
   (株式会社 堀場製作所 最高顧問)
  審査委員長 堀場 厚
   (株式会社 堀場製作所 代表取締役 社長)
  副審査委員長 一山 智
   (京都大学大学院 医学研究科 臨床病態解析学講座 教授)
  審査委員 小寺 秀俊
   (京都大学 大学院工学研究科 マイクロエンジニアリング専攻 教授)
  矢冨 裕
   (東京大学大学院 医学系研究  臨床病態検査医学 教授)
  嶋本 伸雄
   (国立遺伝学研究所 総合研究大学院大学 生命科学研究科 教授)
  奥 成博
   (株式会社堀場製作所 医用システム統括部 医用システム開発部 部長)
  伊串 達夫
   (株式会社堀場製作所 科学システム統括部 分析技術開発部 副部長)
  Dr. Phillipe Nerrin
    Biophotonics & Insrumentation Manager
    Research Department, HORIBA ABX
  特別審査委員 Dr. Brian Herman
    Vice President for Research, Professor
    Cellular and Structural Biology University of
    Texas Health Science Center


参考資料

〈医療分析と当社の関わり〉
当社は、医療分析分野において血液中のpHや電解質の測定、呼気ガス分析、液体シンチレーションカウンタなどを創業以来手がけてきました。最近では1987年の血球計数技術導入を契機にした中小型血球計数装置市場への参入、小型電極式血糖測定装置の販売、世界初の血球とCRP(C反応性蛋白)の同時測定装置の自社開発など、積極的な事業展開を行っています。今回、募集対象として「医療分析」に焦点を当てることで、当社が保有している各種分析技術を応用した医療現場で重宝される製品開発の可能性を追求していきます。

〈堀場雅夫賞募集に当たって〉堀場雅夫 談
内容、性質、挙動が不明の物質を解明することは、科学者や技術者にとって大変必要なことであります。問題を解くには高度の科学、技術を駆使した分析器が必要となります。ただ、その重要性と高度の技術を必要とする割には一般社会は勿論のこと、学界においてもその存在は大きなものではありませんでした。当賞が地味ではあるが分析の基本をより確立する学究の徒に少しでも勇気を与えてくれることを願って、皆様からの応募をお待ちしています。

〈過去の堀場雅夫賞の受賞者とテーマ〉
(所属・肩書き等は受賞当時のものです。)

初年回は「pH計測」の分野が募集対象。

  • 東北大学大学院 環境科学研究科 環境科学専攻
    助手 陶 究氏
    受賞テーマ:『電位差法による超臨界水溶液のpH測定装置の開発』
  • 甲南大学先端生命工学研究所 所長
    (理工学部機能分子化学科 教授)
    杉本 直己氏
    受賞テーマ:『DNAをセンシング素材として用いた細胞内pH測定法の開発』
  • (財)電力中央研究所 環境科学研究所 主任研究員
    下島 公紀氏
    受賞テーマ:『ISFET-pH電極を用いた海洋の現場計測用pHセンサの開発』

2回目は「赤外線計測関連技術」が募集対象。

  • 関西学院大学 理工学部 博士研究員 佐藤 春実氏
    受賞テーマ:『赤外分光法とX線回折法による生分解性高分子のC-H・・・O水素結合の研究
    —“弱い水素結合”が結晶構造安定化と熱的挙動に果たす役割—』
  • 日本大学 生産工学部・応用分子化学科 助教授
    長谷川 健氏
    受賞テーマ:『多角入射分解分光法:仮想光概念を利用した計測法の構築』
  • 大阪大学大学院 生命機能研究科 助教授 井上 康志 氏
    受賞テーマ:『近接場ナノ振動分光学の開拓研究』

3回目は「X線分析」が募集対象。
計40件(国内30件/海外10件)の応募。

  • 財団法人 高輝度光科学研究センター
  • 寺田 靖子(てらだ やすこ)氏
    受賞テーマ:『高エネルギー放射光を用いたマイクロビーム蛍光X線分析法の革新とその応用』
  • 日本女子大学 林 久史(はやし ひさし)氏
    受賞テーマ:『共鳴X線非弾性散乱を利用した新しいX線分光法の開発』
  • University of Antwerp Prof. JANSSENS, Koen
    (アントワープ大学 コーン・ヤンセンス)氏
    受賞テーマ:『X-ray based speciation of major and trace constituents in heterogeneous materials of environmental and cultural heritage origin』