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環境分野でのバイオ研究へシーズ活用

2000年12月20日


(株)堀場製作所(本社・京都市、社長・堀場厚)は内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)や残留農薬を簡易に測定できる機器を開発する子会社の(株)バイオ・アプライド・システムズにこのほど、神戸大学農学部の大川秀郎教授を取締役に迎えました。
三年後をメドに卓上型の測定機器を商品化する方針です。
産学連携のベンチャー企業をグループ内に置き、環境分野の技術力を中長期的に高める狙いです。


当社の医用部門の免疫・生化学測定装置には長い実績があり、その原理を応用することで、環境ホルモンなどの環境負荷化学物質の測定にも転用可能です。
具体的には免疫反応(抗原抗体反応)を利用して測定するため、環境負荷化学物質を測定できる試薬の開発が必要となります。試薬の開発には、環境負荷化学物質に対応した抗体が不可欠です。

神戸大学農学部 大川秀郎教授は、環境負荷化学物質の測定に関する研究を続け、特許など多数の実績があり、環境負荷化学物質の抗体に関するノウハウも持っておられます。

今回、(株)バイオ・アプライド・システムズの取締役に迎えることで、環境負荷化学物質測定専用の試薬開発にご指導頂きます。
これを受けて(株)バイオ・アプライド・システムズの事業内容としては、環境ホルモン、残留農薬の簡易分析市場が対象となります。まずは三年後をメドに卓上型の測定機器を商品化する方針です。医用分野で培ってきた、製品化・システム化の技術を環境に転用して、環境分野のポイントオブケア(現場測定)市場を開拓します。

当社は保有している技術シーズを活用した事業化を進める目的で、2000年春に「ベンチャー推進室」を設置しました。産学連携のベンチャー企業をグループ内に置き、環境分野をはじめとする技術力を中長期的に高める狙いです。



参考資料

  1. 生体機能利用型エコモニタリング技術の開発およびシステム化
    神戸大学農学部大川秀郎教授の研究開発成果である、酵素免疫測定法と、当社のコア技術である各種センサを組み合わせて、システムに融合した計測技術。
  2. 環境ホルモン計測法の開発およびキット製品の開発
    酵素免疫法を用いた環境ホルモンなどの計測技術。現場で迅速で簡易で廉価なキット計測機器。

    役 員:代表取締役社長 冨田勝彦(当社 ベンチャー推進室担当部長 出向)

    取締役 堀場雅夫(当社 取締役会長)

    同 石田耕三(当社 専務取締役)

    同 大川秀郎(神戸大学農学部教授)

    所在地:当社内 京都市南区吉祥院宮の東町2TEL075−326−3583 FAX075−326−3584

    事業開始:2000年9月(登記上の設立は、2000年6月)

  • 神戸大 大川秀郎教授のご紹介
    大川秀郎(オオカワ ヒデオ)昭和15年9月10日生まれ(60歳)
    神戸大学農学部生物環境制御学科・教授 農学博士

    • 主なご研究内容
      環境負荷化学物質(ダイオキシン類、残留農薬などの環境ホルモン)の測定法(酵素免疫測定法=EIA)に関する研究に取り組まれています。バイオ技術、遺伝子操作を駆使して測定物質に対する抗体を取り出す技術や、さまざまな種類の環境負荷化学物質を免疫反応を用いた測定手法での計測に豊富な実績をお持ちです。