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計測にバイオ技術取り込み、グループ展開 (株)環境免疫技術研究所よりバイオ技術の研究成果を購入

2002年1月15日


当社は、環境負荷化学物質を迅速・簡単に測定するバイオ関連の研究開発成果を、(株)環境免疫技術研究所よりこのほど購入しました。買い取ったバイオ技術は、子会社でバイオ分野の測定器開発を行う(株)バイオ・アプライド・システムズ(本社:京都市、社長:冨田 勝彦/「以下、BAS社」)に使用権を与え、バイオ技術の構築をはかります。また、BAS社は取得したバイオ関連の研究成果の数々を商品化し、それらの技術ノウハウを社会へ還元していく方針です。


<(株)バイオ・アプライド・システムズの展開>
当社より取得したバイオ関連技術の使用権を活かし、平成14年度には免疫化学測定手法による試薬キットの発売と、それらの測定をサポートする簡易測定器を同時開発の予定です。試薬のラインナップは、日本で野菜や果実の殺虫剤・殺菌剤として使われている主要な農薬に対するキットとなります。今後、年間約10種類のペースで順次試薬キットを製品化していく予定です。
これらの農薬に対する測定法は、これまでガスクロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーを用いており、コスト・測定時間・処理能力の面から農業生産・流通・消費の場でリアルタイムの測定に使うことができませんでした。現在、各県や農協などに残留農薬を産地で点検する動きが高まっており、今後、迅速・簡便に測定できるこれらの試薬キットを上市していくことによって、安全・安心な農産物の供給に貢献できればと考えます。


<当社の展開>
一方、当社としては、今後BAS社が研究開発していくバイオ関連の技術を、計測ノウハウに取り込んでいくことで、新たな応用展開が狙えます。
農薬をはじめとする環境ホルモンの計測では、試薬関連の技術が当社の医用分野にも生かせます。また、抗原抗体反応など免疫化学測定のバイオ技術は、将来的に計測器技術との融合による展開が期待できます。
今後も、BAS社と共に有力なバイオ技術を取り込んでいくことで、計測器メーカーとしての技術力の強化を積極的に推進していく考えです。

参考資料

  • 株式会社環境免疫技術研究所
    環境負荷化学物質を迅速・簡単に測定できる免疫化学測定法の研究開発を実施するために、1995年3月に設立。旧通産省の外郭団体である(財)基盤技術研究促進センターが7割、民間企業6社が3割の出資を行った。研究成果として設立から2000年3月までの間に、農薬を主対象とした免疫化学測定法に関する出願特許51件(登録特許7件を含む)を得た。
  • 株式会社バイオ・アプライド・システムズ 会社概要
    環境ホルモン、残留農薬、ダイオキシンなど環境負荷化学物質の高感度分析を市場とする子会社として2000年に設立。堀場製作所が培ってきた製品化、システム化の技術をバイオ技術と融合することで、環境分野の新たな市場開拓を目指す。現在は試薬キットや簡易型測定器などを開発中。環境負荷化学物質の測定に関して、数多くの研究実績のある神戸大学大川秀郎教授を取締役に迎えたことで、試薬開発に直接ご指導頂いている。
    会 社 名 株式会社バイオ・アプライド・システムズ
    資 本 金 5,000万円(株式会社堀場製作所100%出資)
    所 在 地 本社:〒601-8305 京都市南区吉祥院宮の東町2(堀場製作所内)
    TEL:075−326−3583、FAX:075−326−3584
    研究室:〒601-8394 京都市南区吉祥院中河原里北町24−2
    TEL/FAX:075−326−3948

    • 2003年4月に社名変更/住所移転(現在の社名・住所は以下の通り)
      株式会社ホリバ・バイオテクノロジー
      〒601−8315
      京都府京都市南区吉祥院車道町48
      TEL 075-692-1786 FAX 075-692-1790