水質監視装置でクラウド情報管理サービス開始

|   ニュースリリース

業界包括型の新メンテナンス体制づくりを提案
8月から新サービスの無償運用を開始

当社の水質計測専業グループ会社の堀場アドバンスドテクノ(以下、HAT)、プラント排水用の水質監視装置で収集したデータをインターネットで管理するクラウド型メンテナンスサービス「HORIBA AQUA LINKAGE」を8月1日から1年間無償運用を開始します。HATとプラント事業者に加え、維持管理委託業者など関係者が包括的に情報管理できるサービスを提供することで、プラント運営の効率化や情報管理の最適化に貢献します。例えば、水質監視データや装置内部データを24時間体制で遠隔監視でき、また保守履歴や点検報告書など技術情報をクラウド上で共有することで、計測機器の現状を見える化します。本サービスを通じて、業界全体で有機的にプラント運営に関わることでヒト・モノ・情報の停滞を減らし、課題解決の迅速化やプラント運用のノウハウの蓄積を推進することで国内モノづくり現場の発展に貢献します。

 

HORIBA AQUA LINKAGEについて

HATは、HORIBA AQUA LINKAGEで東京湾や瀬戸内海などに立地するプラント(*1)の維持管理の効率化や最適化をめざします。本サービスの第一弾として、各プラントで水質監視が義務化されている排水に含まれる窒素やりんの測定装置「TPNA-500」(*2)の情報管理に活用します。窒素・りん測定装置は、一般的に納入から廃棄までにかかるコスト(ライフサイクルコスト:LCC)がかさむ事が課題とされる中で、当社およびHATは2013年に試薬使用量を削減するなど、従来比3割削減と業界に先駆けて低LCCを実現する新製品を上市しました。これまでの測定装置の改良によるハード面でのLCC削減に加え、HORIBA AQUA LINKAGE を展開することで“ヒト・モノ・情報”といったソフト面でもプラント運営の効率化や情報管理の最適化をめざすことで総体的なLCC削減を追求します。排水の窒素・りんは、環境省のガイドラインで、測定用試薬と排水を反応させて測定する事が義務化されています。測定装置は24時間稼働が求められる中で、特に窒素・りん測定装置の場合は、試薬と排水との調合を行うなど測定部の構造が複雑なため、目詰まりや配管の汚れなど不具合につながる要因が多く、予防保全に係る作業が増え、コストがかさむとされています。クラウドを活用して測定値に加えて、装置の現状を解析する情報も収集し、保守作業のタイミングや作業量の最適化をはかり、安定稼働とコスト削減に貢献します。

 

HORIBA AQUA LINKAGEの主なサービス

測定値や測定値トレンドの監視
異常警告
故障予兆の通知
保守履歴や点検報告書の共有

 

HORIBA AQUA LINKAGE 無償試験運用の概要

試用期間2015年8月1日~2015年12月31日
稼働目標台数TPNA-500 20台
想定希望販売価格未定
クラウドシステム

ウォータービジネスクラウド(WBC)を使用
[運用会社:メタウォーター株式会社(*3)]

 

用語解説

(*1) 東京湾や瀬戸内海などに立地するプラント日本では東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などの閉鎖性水域の水質汚染防止のために水質総量規制が設けられ、規制対象の国内約3000ヶ所の事業所では窒素含有量及びりん含有量、CODの3項目の測定が義務付けられている。

(*2)TPNA-500
2013年に上市した水質保全のために排出量が規制されている窒素やりんを同時に測定する自動全窒素・全りん測定装置の最新機種「TPNA-500」。TPNAシリーズで国内40%の市場シェアを占める。

(*3)メタウォーター株式会社
2008年(平成20年)4月、日本で最初の水・環境分野における総合エンジニアリング企業として発足した。発足以来、機械技術と電気技術を併せ持ち、施設・設備の設計・建設から運転・維持管理までを提供できる企業グループとして、国内外の水道、下水道、環境の各分野で事業を展開。
上下水道施設の運転・維持管理の効率化と品質向上に貢献するウォータービジネスクラウドというプラットフォームを基軸としたサービスソリューションの提供にも取り組む。当社は2014年2月から保守点検クラウドサービスで協業開始。 

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