Q&A

色の違うものでも測れる?

測れます。原理的には色による誤差は生じません。

物体の色の違いは、物体表面が可視光線領域の波長の光の一部を吸収し、残りを拡散反射することによって生じます。青色の波長の光が拡散反射されれば青く、赤色の波長の光が拡散反射されれば赤く見えます。また、可視光線領域の波長の光が全て吸収されれば黒く、全て拡散反射されれば白く見えます。
放射温度計では、可視光線領域の波長の光ではなく、赤外線領域の波長の光を測定しています。このため、原理的には色による誤差は生じません。
ただし、塗料などの顔料の材料によっては、わずかに放射率が異なる場合があります。

空気の温度は測れる?

空気の温度を測ることはできません。

空気は、赤外線の放射エネルギー量が非常に小さい(放射率が小さい)ので、測定することはできません。これは同時に、空気は赤外線の吸収率が小さい、つまり空気が赤外線をほとんど吸収しないということでもあります。赤外線にこのような性質があるおかげで、空気中の別に置かれた対象物から放射された赤外線を透過することによって、その対象物の温度を測定することができるのです。キルヒホッフの法則 を思い出していただけたでしょうか。
ところで、晴れた空に放射温度計を向けて測定するとどうなるのでしょうか?
この場合は、下限の測定レンジオーバーになります。
理由は、宇宙空間から放射される非常にわずかな赤外線エネルギー(一部は大気中で吸収されます)と大気層からのわずかな放射エネルギーを測定していることになるからです。

水の温度は測定できる?

表面の温度を測定することができます。
また、攪拌している状態では、内部と表面の温度の差はほとんどなく、精度よく測定することができます。

次のような場合は表面と中心部の温度差が生じます。

  •  鍋などで加熱中の水では、暖められた水が上部へ移動する自然対流現象によって、内部でも大きな温度差が生じます。  このため、比較する部分によっては内部より表面の方が高温になることがあります。
  •  さらに加熱して、沸騰直前の水では、内部より表面の方が低温になります。これは、表面からの水蒸気の発生量が著しく増加し、このとき大量の気化熱が奪われるためです。

また、表面から白い湯気が発生している状態では、湯気による赤外線の散乱の影響で測定誤差が大きくなります。

水の温度は測定できる?
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透明なプラスチックは測れる?

ブロックや厚い板状のプラスチックなど、放射率の高いものは測定できます。

色の違うものでも測れる? 」でも触れましたが、放射温度計は可視光領域ではなく赤外線領域の波長の光を測定していますから、可視光線領域で透明か不透明かということは、放射温度計で測定できるか否かには関係ありません。
そこで、問題はそのプラスチックが赤外線領域で透明か不透明かによることになります。不透明であれば吸収率が大きく、放射率も大きい(キルヒホッフの法則 )ため測定が可能です。
一般にプラスチックは非常に種類が多く、放射率もさまざまです。また、薄い板状のものやフィルム状のプラスチックは放射率が低く、中には測定できないものがあります(ポリエチレンやポリプロピレンなど)。しかし、同じ種類のプラスチックでも、ブロックや厚い板状のプラスチックは放射率が高く、測定が可能です。

どこまで離れて測れる?

被測定物からの赤外線を遮る物質がない限り、どこまででも離れて測定することができます 。ただし、放射温度計の視野(標的サイズと測定距離の関係)に注意が必要です。

放射温度計では、被測定物からの赤外線を遮る物質がない限り、どこまででも離れて測定することができます。ただし、放射温度計の標的サイズの大きさは、測定対象物までの距離(測定距離)によって変わります。離れれば離れるほど視野が広がって、広い範囲の温度を測定することになるので、被測定物の周囲にまで視野が広がってしまうこともあります。したがって、離れても、被測定物が放射温度計の標的サイズより大きい場合であれば、正確に測定できます。

高周波や磁力の影響は?

対象物の近くで床面などのような比較的一定温度の場所を測定してみて、指示がふらついたり、誤動作を起こさないことを確認したうえで測定を行うとよいでしょう。

通常の電波影響に対する対策は施していますが、高電磁場においては、指示誤差やCPUの誤動作だけでなく、装置の故障を招く場合もあります。
対象物が大きい場合は、放射温度計との距離を離すことで誤動作を避けることができる場合があります。対象物の近くで床面などのような比較的一定温度の場所を測定してみて、指示がふらついたり、誤動作をおこさないことを確認したうえで測定を行うとよいでしょう。

接触式の温度計とでは、どちらが精度がいいの?

表面温度の測定では、以下のように放射温度計の方がより精度よく測定できる場合が多くあります。

放射温度計は原理的に物体の表面の温度を測定するので、表面の温度を測定する場合に限って接触式との比較をしてみます。
接触式の温度計では、接触面積による誤差(姿勢誤差)が大きくなる場合があります。また、紙などの熱容量が小さい物質など、接触によって温度が変化するようなものに対しては正しい値を得ることは困難です。また、加熱・冷却中の物体など、接触させている温度センサーと物体との熱平衡に達するまでの時間が十分に確保できない場合も正しい値を得ることが困難です。
非接触の放射温度計では赤外線エネルギーを高速で測定するため、熱容量が小さい物質や温度変化中の物質も精度よく測定することができます。

接触式温度計

放射温度計

ゴム


(「水の温度は測定できる? )

フィルム

プラスチック

食品(表面)

食品(内部)

電子回路

金属


ただし、黒体スプレー・黒体テープ使用
(「黒体スプレー、黒体テープを利用する )

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金属を測定できる?

黒体テープや黒体スプレーを使用して測定できます。

金属を測定できる?

通常、低温域においては金属は放射エネルギーが小さいため正確な測定を行うことが難しいとされています。
この場合は、黒体テープや黒体スプレー等を使用して測定してください。ただし、黒体テープの耐熱温度は180℃以下、黒体スプレーの耐熱温度は300℃以下です。

設備の保守点検に放射温度計を使いたいのですが?

アラーム機能付きのIT-545シリーズが便利です。

設備の保守点検に放射温度計を使いたいのですが?

配電盤等の電気設備で接触不良による温度の異常をすばやく検知することは非常に重要です。
IT-545シリーズでは、基準温度を超えるとアラーム音とレーザまたはLEDマーカの点滅でお知らせする機能があります。
温度表示を目視確認しなくてもよく、作業効率が向上します。

ガラス越しに測定できますか?

ガラスの代わりにフッ化バリウム窓(オプション)を使用して測定してください。

一般に使用されている石英ガラスでは2.5μmより長い波長の光は吸収されてしまいます。
HORIBAの放射温度計は、2.5μmより長い波長の光を用いて測定するため、ガラス越しに測定することはできません。ガラスの表面温度を計測してしまうからです。
ガラスの代わりにフッ化バリウム窓を使用して、測定してください。

真空チャンバー内を測定できる?

赤外線は真空を透過するので、測定することができます。ただし、実際の測定にはフッ化バリウム窓(オプション)を使用してください。

真空チャンバー内を測定できる?

赤外線は真空を透過するので、原理的には測定することができます。しかし、実際に測定されるときには、オプションのフッ化バリウム窓(φ40×4t)を使用してください。通常のガラス窓は測定波長領域の赤外線を透過しないので、真空容器内の物体の温度測定はできません。フッ化バリウム窓を使用する際、赤外線がフッ化バリウム窓を透過するときに減少することから、この補正を放射温度計の放射率設定値変更でおこなう必要があります。

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