測定上の注意点

放射温度計で正しい温度を測定するためには、測定対象物からの赤外線を遮るものや背光 などの余分な赤外線をできるだけ取り除くことが大切です。

光路中の吸収および散乱

測定面からの発煙、鋼材などの熱処理や食品の加工・調理に伴う水蒸気層、装置から飛散するミスト、遠隔測定での大気の成分ガスによる吸収ガスなどによって、被測定物からの放射エネルギーが吸収または散乱し、測定誤差が生じます。
燃焼ガスや大気中に含まれるH2O、CO2、COは赤外線に特定の吸収帯をもちますが、およそ1μm以下、3~4μm、8~14μmなどの波長では吸収がほとんどなく無視できます。H2Oの場合、霧状で視界が遮られるような場合は吸収・散乱が無視できず、測定誤差が生じます。

窓の汚れ

光路中に置かれた窓が汚れると、放射エネルギーの吸収および散乱により、測定誤差が生じます。温度計の対物レンズの汚れについても同様で、面積効果(「標的サイズ/測定距離(測定視野)」 )が増大する不都合を生じる他、吸収による測定誤差を生じます。ダスト、ミストなどでレンズを汚すおそれのある場合は、ご相談ください。

背光の影響

加熱炉内の被測定物を測定する場合には、炉壁からのエネルギー放射が物体表面で反射して放射温度計に入り、誤差になります。放射シールド板または放射シールド管を用いる方法が確実です。放射シールド板は、その光が被測定物に入射しないよう、耐熱板などの板を被測定物の近くに設置します。放射シールド管は、加熱炉内の被測定物で背光源の方向が特定できない場合に使用します。いずれの場合もシールド効果を高めるため、内壁(板の場合は被測定物側)の反射光をおさえ、自己放射をさけるため必要に応じて冷却します。


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