HORIBAのラマンイメージング

HORIBAのラマンイメージングは、

  1. 高空間分解能イメージング(TERS)
  2. 高速ラマンイメージング 
    2-1. Swift
    2-2. Duo Scan      を提供しています。

1. 高空間分解能イメージング
  チップ増強ラマン顕微分光法(TERS)

図1. チップ増強ラマン顕微分光法(TERS)の光学系概要
図1. チップ増強ラマン顕微分光法(TERS)の光学系概要

光学顕微分光法には回折限界による空間分解能の壁があります。我々は、近接場で試料を照らし、回折限界を超える空間分解能で顕微分光する方法としてチップ増強ラマン顕微分光法を提供しています。金属短針に光を照明することで針先数十ナノメートル領域に近接する新たな光を誘起されます。それを微小光源として試料を照らしラマン散乱光を取得することでナノメートルの空間分解能を実現する技術をTERSと呼びます[図1]。我々が提供するAFM-Raman を用いることで、超解像な化学組成分布を得ることができます。

 

ナノカーボンを初めとした新たなナノマテリアルの物性解明から開発まで、ナノ顕微分光手法として応用が期待されています。
AFM-Ramanアプリケーション

2. 高速ラマンイメージング

2-1. 高速ラマンイメージング機構(Swift)

従来のラマンイメージング手法は測定・データ転送・ステージ移動を繰り返し行いますが、Swiftでは一定のデータを保持しまとめて転送することでデッドタイムを省きます。紫外~近赤外領域で、共焦点性を保ったまま広範囲のラマンイメージングを高速に実行できます。

通常行われるポイントマッピングでは、試料のラマン散乱特性が低い場合でも質の良いラマンスペクトルが得られます。加えて、高分解能測定にも、広い面積に対しても適用することができます。そのようなマッピングの測定時間は、一般的に1ポイントあたり1秒から10秒程度です。そのため、測定時間が数時間に及ぶことがあります。Swiftと新型SynapseEMCCDを組み合わせた最新モデルSWIFTxsを使用すれば、この露光時間を1 msec/ポイント以下にまで短くできます。SWIFTxsを使用すれば、数万ポイントのイメージングが数分で行うことが可能です。測定時間を犠牲にすることなしに、しかも、高空間分解能を維持したままでラマン分光のメリットを生かすことができます。

図2. ポリスチレンビーズのSWIFTマッピング
図2. ポリスチレンビーズのSWIFTマッピング

レーザー: 532 nm
グレーティング: 600 gr/mm
対物レンズ: 100 倍
積算時間: 0.001 秒 x 1
ステップ幅(X): 0.1 μm
ステップ幅(Y): 0.1 μm
ポイント数: 38,763 点 (219X x 177Y)
測定時間: 208 秒

図3. 錠剤のSWIFTマッピング
図3. 錠剤のSWIFTマッピング

レーザー: 532 nm
グレーティング: 600 gr/mm
対物レンズ: 10 倍
積算時間: 0.001 秒 x 1
ステップ幅(X): 50 μm
ステップ幅(Y): 50 μm
ポイント数: 48,081 点 (341X x 141Y)
測定時間: 535 秒

2-2. Duo Scanラマンイメージング機構

図4. 広領域に分散されたカーボンナノチューブの検出
図4. 広領域に分散されたカーボンナノチューブの検出

DuoScannラマンイメージング機構は、新しいイメージングモードを実現するもので、顕微ラマン分光装置LabRAMシリーズ で利用できます。ソフト上で指定された測定対象領域を二枚の走査ミラーによってレーザ照射光が試料上を走査することで、ラマンイメージを取得します。走査デバイスを使ったマッピングでは、通常は光学系にレンズのような屈折を利用した光学素子を使うために使用波長領域は可視光領域に限定されます。DuoScanラマンイメージング機構は、この点を改良し深紫外から赤外までの波長領域でマッピング測定できるようにしました。さらに、DuoScanラマンイメージング機構を共焦点光学系と組み合わせるというユニークな設計により、水平・深さ方向ともに高い空間分解能で測定できます。DuoScanラマンイメージング機構には、次の3種類の測定モードがあります。

  1. 平均化モード

    平均化モードでは、レーザスポットが連続的に試料表面を走査した状態で測定するので、適当な対物レンズを選択することで、1μm~300 μmまでのマクロスポットの平均スペクトルを測定することができます。また、試料ダメージを抑える効果もあります。共焦点光学系により深さ方向の分解能も高いという特徴を持っています。
  2. ステップバイステップモード

    ステップバイステップモードでは、指定された測定対象領域を、一点ずつ測定しながら走査していきます。その際、レーザスポットが試料上を移動し走査していくので、電動ステージを用いて試料を動かす必要はありません。レーザ照射光の位置安定性と再現性もよく、ピエゾステージに匹敵する高い精度(最小50 nm間隔)でレーザを移動させることができます。
  3. マクロマッピンングモード

    マクロマッピンングモードでは、平均化モードで取得した情報を一ピクセルとして電動XYステージでマッピングすることで大面積のサンプルを短時間で測定します。大きな試料の表面を観察して組成分布を調べたり、干草の中の小さな針を見つけるような異物を探索したりする場合に有効です。Swiftと連動させることで300mmを超える大面積の試料も高速イメージングできます。

ラマンイメージギャラリー

 

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