JYは,エコール・ポリテクニク(フランス)のB.Drevillon 教授との共同研究により,世界に先駆けて分光エリプソメトリ技術を産業に応用した。教授の率いるチームは,SN比と測定速度を大幅に改善する位相変調方式を開発した。JYは,80年代後半に,この研究を卓上エリプソメータUVISELとして工業化し,現在も同分野のトップの座にある。1996年にはフランス科学研究賞も受賞している。JYの中核を成す光学・電子工学・機械工学技術にはもちろんのこと,エリプソメトリ技術にも,強力なモデリング及び最適化アルゴリスムが必要であるため,JYは,応用数学とソフトウエアを専門とするエンジニアをチームに加えて,技術ベースの拡大を図ることになった。

1997年にHORIBAグループに参加後,分光エリプソメトリ技術が同グループの半導体戦略に役立つ可能性が見えてきた。エリプソメトリ技術は,とりわけ,透明薄膜の複合層の特性を調べたり,その厚さを測ったりするのに適している。半導体産業では,より小さな寸法に向かって限界まで進化するため,超薄ゲート酸化膜の場合のように,エリプソメトリなどの限られた技術をもってしなければ,計測が不可能という事態が起こっている。

そうなると今度は,UVISELのようなセンサに,1時間に最大で200のウエハを分類するロボット型ウエハハンドラーを組み合わせ,工場オートメーションシステムとのソフトウエアインターフェイスを開発する必要が生じた。この開発は,HORIBA京都本社の研究開発部門のJYに対する力添えがなければ実現しなかっただろう。このことは,高度な光学技術を持つJYと,機器のトップメーカであるHORIBAの提携がいかに有意義であるか,ということを示している。