高分解能を達成するために,モノクロメータの焦点距離は6.65mと規定されている。このような焦点距離とグレーティング溝密度(4,300本/mm)により,目標とする理論上の分解能である200,000以上を得ることができた。ただし,真空下におけるグレーティングの走査及び平行移動機構に対する制約が生じた。

例えば,平行移動の際の高さ誤差は,走査角度分解能を0.05″(arcsec)にした状態で,300mmの範囲で0.5μm以下になっている必要がある。平行移動機構と走査機構を新たに設計後,1999年,JYは新たに革新的なモノクロメータをビームラインに設置した(図2)。

図2 フランスLUREに設置されたEagle Off Plane モノクロメータ
図2 フランスLUREに設置されたEagle Off Plane モノクロメータ

 

設置・引き渡し完了以来,このモノクロメータは,スペクトル分解能が208,000[3](図3),迷光は従来の最良レベル(図4)を示し,科学者が予想した以上の性能を発揮している。この分解能は,現在もシンクロトロン・モノクロメータの世界記録となっている。

図3 モノクロメータの分解能208,000(λ/Δλ)を実証したAr自動イオン化分光スペクトル

図4 モノクロメータの低い迷光レベルを実証したNe自動イオン化分光スペクトル