免疫化学に基づく分析法
イミダゾール系殺菌剤 トリフルミゾール測定キット
概要
トリフルミゾールはイミダゾール系の殺菌剤です。1986年に農薬として登録され、多くの農作物に使用されています。本キットは、農産物に残留するトリフルミゾールを簡便、迅速(2時間以内)、高感度かつ定量的に多検体を分析できるので、生産現場での出荷/加工前検査や一次スクリーニングに最適です。
特長
機器分析との比較
機器分析は高精度な測定法ですが、下記の前処理や装置のオペレーションに高い技術と時間、また大量のアセトン、酢酸、アセトニトリル、ヘキサン等の多種の有機溶媒が必要です。本キットは、前処理が簡便で時間も大幅に短縮でき、抽出溶媒も少量のメタノールのみを使用するだけでトリフルミゾールを測定することが可能です。
主な適用例
図は、トリフルミゾールを添加した各農産物のメタノール抽出液(10%メタノール相当に希釈)を用いて反応曲線を描き、10%メタノール標準曲線と比較したものです。両者が一致していると、その農産物抽出液の影響なくトリフルミゾールを測定可能といえます。
製造会社: HORIBA
仕様
次のデータは基本性能です。詳しい仕様はお問い合わせください。
標準曲線
交差反応性
農薬 | 交差反応性(%) |
---|---|
トリフルミゾール | 100 |
トリフルミゾール代謝物 | 3.7 |
トリアジメホン | < 0.1 |
ビテルタノール | < 0.1 |
ミクロブタニル | 0.1 |
ヘキサコナゾール | < 0.1 |
イマザリル | 0.2 |
イミベンコナゾール | 0.2 |
プロクロラズ | 2.8 |
機器分析との相関性(きゅうり)
データ提供:株式会社日吉 中田 俊芳様
試料 | 平均(ppb) | SD | CV(%) |
---|---|---|---|
A | 3.4 | 0.22 | 6.4 |
B | 8.3 | 0.61 | 7.3 |
C | 15.8 | 0.50 | 3.2 |
n=8
分析者間再現性(ミニトマト)
試料 | 平均(ppb) | SD | CV(%) |
---|---|---|---|
A | 3.4 | 0.51 | 14.9 |
B | 9.6 | 0.58 | 5.9 |
C | 16.8 | 0.84 | 4.7 |
n=3
日間再現性(ミニトマト)
試料 | 平均(ppb) | SD | CV(%) |
---|---|---|---|
A | 3.9 | 0.7 | 18.6 |
B | 9.4 | 1.1 | 11.7 |
C | 17.3 | 2.3 | 13.3 |
n=3
添加回収試験(ミニトマト)
添加濃度(ppm) | 回収率(%) |
---|---|
3.0 | 112.9±5.0 |
1.6 | 109.5±2.6 |
0.6 | 125.0±2.3 |
n=3
同時再現性、日間再現性、分析者間再現性、添加回収試験は、本キットが農産物中のトリフルミゾールを定量的に測定できることを示しています。
キットの主な構成品・有効期間
内容(剤型) | 容量 | 数量 |
---|---|---|
抗体プレート(乾燥品) | 8行×12列 | 1枚 |
標準試薬L(凍結乾燥品:2ppb) | 1mL(溶解後) | 6バイアル |
標準試薬H(凍結乾燥品:20ppb) | 1mL(溶解後) | 6バイアル |
酵素標識物試薬(凍結乾燥品) | 6mL(溶解後) | 2バイアル |
洗浄試薬(溶液:10倍濃縮) | 50mL | 1バイアル |
発色試薬(溶液) | 13mL | 1バイアル |
発色停止試薬(溶液) | 13mL | 1バイアル |
有効期間 | 製造後12ヶ月 | 2~8℃保存 |
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