車載型排ガス計測システム OBS-ONE GS
実路での車載排ガス計測システム(Portable Emissions Measurement System:PEMS)です。排ガス中のCO、CO2、THC、NOx、NO2、A/F、排ガス流量、位置情報、環境条件(温度・湿度・大気圧)のデータ採取と質量計測ができます。
概要
実路での排ガス規制対応からエンジン・車両開発までのトータルシステム
OBS-ONEは、実路での排ガスの車載計測システム Portable Emissions Measurement System(PEMS)の最新モデルです。排ガス成分濃度(CO、CO2、THC、NOx、NO2)、PM、A/F、排ガス流量、位置情報、環境条件(温度・湿度・大気圧)のデータ採取と、マスエミッション演算が可能です。
さらに、OBS-ONEは、統合計測プラットフォーム”HORIBA ONE PLATFORM”を採用しており、他のONEシリーズ製品との接続やデータの統合が可能です。
また、テストオートメーションシステムSTARSとの連携による試験セルでの実路走行試験の再現、あるいは、排ガスデータにドライブレコーダで収集した運行情報を組み合わせるなど、規制対応から開発用途まで、従来以上に幅広い計測アプリケーションの開発を進めます。
特長
“シンプル&フレキシブル”
使いやすさと安全性を追求
◎ 搭載性
- あらゆる車両に搭載しやすいデザイン(モジュール構成・フロントアクセス)
- モジュールやケーブル類の接続は、ワンタッチ&工具レス
◎ 長時間安定稼働
- 長時間連続計測が可能な省電力仕様
- 電源切替ユニットの採用により装置の電源を切断することなくAC電源や交換用バッテリに切替可能
◎ 安全性
- ボンベレスでの車載計測による安全走行(LDV仕様)
- 緊急停止ボタンを標準装備(電源・ガス停止)
◎ 走行環境適応
- 悪走行環境(気温、気圧、振動)でも測定可能※1
- 想定外のバッテリ遮断時に備え計測データ保護機能(UPS※2)搭載
※1:仕様ページの「使用環境」を参照ください
※2:UPS : Uninterruptible Power Supply(無停電電源装置)
車載システム概要
※クリックで拡大します
規制対応へのアプローチ
最新の規制に対応
PEMSパッケージ
◎ 計測アプリケーション
試験前の自己診断・感度校正、品質テストなどをパッケージ化。
試験前の準備処理から走行中・試験後の処理までを一括管理し、オペレータをガイドすることで効率的な試験が可能です。
[ ガイド例 ]
・試験前に各装置の状態やデータを事前チェックすることで無効テストを回避
・ドライバーは、計測開始後の操作不要
◎ 後処理演算・解析アプリケーション
これまでは時間と手間を要していた、各国の規制対応も、簡単に演算・解析が行えます。
・LDV・HDV仕様に対応した演算・結果の出力(オプションでのカスタマイズ可能)
・認証機関へ提出するテストレポートなどの帳票作成
・計測データとリンクさせた走行中の動画とGPSマップの表示
・ASAM-ODS※規格準拠 (データ保存/検索用インターフェイス)
※ASAM-ODS : Association for Standardization of Automation and Measuring Systems ー Open Data Service
統合計測プラットフォーム HORIBA ONE PLATFORM
“HORIBA-ONEシリーズ”として、共通のデバイスコントローラDMCを採用
MEXA-ONE、CVS-ONEをはじめとする”HORIBA ONEシリーズ”のためのまったく新しいプラットフォーム、それがHORIBA ONE PLATFORMです。
人間工学をベースにした直感的なデザインにより、誰にでも簡単に操作できます。他の機器との統合画面からの制御や状態表示はもちろん、メンテナンス機能やアラーム・メッセージ機能などユーザサポートも充実しています。
・各種計測装置(粒子数計測、N化合物計測、排ガス流量計測など)の将来的な拡張が可能
・計測とユーザ心理に基づいた機能配置と画面構成
車両開発へのアプローチ
試験室内でのリアルワールド再現を目指して
テストラボ×リアルワールド
OBS-ONEは、実路での排ガス試験だけにとどまらずテストオートメーションシステムSTARSとの連携により、テストラボでの再現に向けた開発を支援します。
HORIBAは、実路試験からラボでの試験まで将来を見据えたトータルソリューションを提供します。
製造会社: HORIBA
仕様
車種 | LDV仕様 | HDV仕様 | ||
---|---|---|---|---|
OBS-ONE | OBS-ONE | OBS-ONE | OBS-ONE | |
CO | ● | ● | ● | ● |
CO2 | ● | ● | ● | ● |
NO / NOx※1 | ● | - | ● | - |
NO, NOx, NO2※2 | - | ● | - | ● |
THC | - | - | ● | ● |
排ガス流量 | ● | ● | ● | ● |
供給電圧 | DC 22〜28 V | |||
消費電力 | 0.2 kW | 0.45 kW | ||
外形寸法※4 | 約350(W) × 470(D) × 330(H) mm | 約350(W) × 470(D) × 470(H) mm | ||
本体質量 | 約32 kg | 約45 kg | ||
バッテリ※5 | 深放電用鉛蓄電池、DC 24 V | 深放電用鉛蓄電池、DC 24 V | ||
使用環境 | 周囲温度:-10℃ 〜 40℃※6、相対湿度 80%以下、高度:0 〜 2000 m |
分析計・センサの仕様
★NDIR : Non Dispersive Infrared Detection
CLD : Chemiluminescence Detection
FID : Flame Ionization Detection
測定成分/測定項目 | 計測原理★ | レンジ |
---|---|---|
CO | Heated NDIR | 0-0.5 〜 0-10 vol% |
CO2 | Heated NDIR | 0-5 〜 0-20 vol% |
NO / NOx | Heated CLD | 0-100 〜 0-3000 ppm |
NO, NOx, NO2 | Heated-dual CLD | 0-100 〜 0-3000 ppm |
THC | Heated FID | 0-100 〜 0-10000 ppmC |
サンプリング方法 | Wet測定 | - |
排ガス流量※7 | Pitot管式流量計 | 0-2.0 〜 0-65.0 m3/min |
標準測定項目 | 排ガス温度、排ガス圧力、大気圧、気温、湿度、GPS位置情報、車速 |
※1:NO/NOxは切り替えて計測
※2:NO、NOxは同時計測。NO2は演算にて算出
※3:加熱導入管の長さ(周囲温度20℃の条件)
LDV仕様 : 2 m
HDV仕様 : 5 m
※4:取手、突起部を除く
※5:ニッケル水素電池はオプションです
※6:0℃以下での運用の場合は別途ご相談ください
※7:OBD通信ユニットから排ガス流量の算出も可能
オプション
・OBD通信ユニット:対応規格 (ISO15765-4/J1939)
・汎用入力ユニット(EIU):アナログ電圧、アナログ電流、熱電対、白金測温抵抗体、周波数
・電源供給ユニット(PS):AC電源からシステムへ電源を供給
・電源切替ユニット(PE):装置の電源をOFFすることなく供給源を切替
[ 使用例] 路上走行時にバッテリの残量が少なくなった場合、装置の電源をOFFせずに交換用バッテリに切替可能
・加熱バブラーユニット : 水分干渉チェック