半導体プロセスで使用される特殊材料ガスやプリカーサーの多くが可燃性、毒性の高い危険な材料です。最先端の半導体プロセスにおいては、正確なプロセスガスを流量制御しチャンバーへ供給する必要がありますが、プロセスガスの流量計測においては、十分な安全対策が施された施設が必要となります。このため、個々のプロセスガスの特性を考慮した換算係数を用い窒素ガスを代替ガスとして、多くの流量制御機器の流量校正が行われ、正確なプロセスガス流量の制御が行えないと言う課題を抱えていました。京都福知山テクノロジーセンターでは、国家基準にトレーサブルな流量標準器により校正された流量計測システムと多様な特性を持つプロセスガス、プリカーサーの流量を計測可能な安全設備を熟練したエンジニアが正確な流量計測が行える体制を整備しています。
大型恒温槽内部に、高度に内容積を値付けされた計測チャンバーシステムと計測対象となる流量制御機器(Mass flow controller :MFC)を設置し、計測チャンバーの圧力上昇値と上昇時間を正確に計測し、プロセスガスの流量計測を行います。このプロセスガス流量計測システムで計測した流量値をベースとして、高精度なプロセスガスの流量制御が行えるMFCの生産を行っています。
常温では液体や固体の材料:プリカーサーの気化試験システムにおいては、十分な安全対策と共に気化ガスの状態を確認する必要があります。加熱された気化ガスを精度良く計測できる高温対応の流量計測システムや気化ポイントでの詳細な状態を計測するハイスピードカメラなどを実験フード内に設置し、万全な除害設備のもと各種試験が行える体制を整えています。
気液混合方式
ダイレクトインジェクション方式では、気液混合部でキャリアーガスとプリカーサーを高圧状態で加熱し均一に混合した後、ノズル通過後に減圧気化させます。従来の気化方式と比べ気化効率が向上し、気化流量の拡大と気化温度の低温化が可能となりました。