厚さ1nmの超薄膜分析装置

1999年11月25日


当社は、半導体の超LSIやフラットパネルディスプレイ(FPD)の膜の厚さおよび特性を測る、超薄膜分析装置
「UT−300」を開発、12月から受注を開始します。

測定にエリプソを使うという製品の特長から、シリコン原子わずか数個分にあたる1nm(ナノメータ)の超薄膜計測や、今まで電子顕微鏡で観察するしかなかった種類の薄膜も計測可能です。最先端の超LSIやFPDの生産ラインの評価分野へ、本機を手始めに参入します。

本機は、フランスのグループ子会社が持つ計測技術と、当社の自動計測化技術の融合により開発に成功しました。生産は当社が行ないます。また、販売については当社グループの販売ネットワークを活用して行なうなど、グループ力を結集した開発・生産・販売体制のもと、半導体分野での拡販を展開します。


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半導体や液晶パネルに代表される電子部品は、シリコンウェハやガラス基板上に、配線や薄膜をつけて製造されます。その成膜やエッチングなどの製造過程で、薄膜の膜質・膜厚の管理が不可欠です。より高集積化が進むに伴い、膜厚は極限まで薄くなりつつあります。

それに伴い、より薄い酸化シリコン膜や特殊な素材による膜、または何層にも重ねられた多層膜などの評価・分析の重要度が増しています。実際に半導体メーカの間では、「より薄い膜の厚さを測りたい」,「多層膜に使う新素材を研究したい」という測定ニーズが増大しています。

一方、従来の測定装置は、測定原理が光干渉法や、エリプソ法でも単波長エリプソ法が中心だったために、薄い膜の測定の精度が悪く、多層膜を一度に測るのに適さない面がありました。


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本装置は、「超薄膜を自動測定」をコンセプトに、グループ子会社であるフランスのジョバンイボン社と共同開発しました。ジョバンイボン社は分光分析技術・薄膜計測エリプソメータ技術では世界トップであり、本製品の測定部には同社の分光分析技術が活かされています。


「光弾性変調素子(PEM素子)を用いた分光エリプソメータ」という測定原理を採用したことで、短波長の約190nmから約850nmまでの多波長計測でのデータ解析が行なえるため、従来まで電子顕微鏡を用いて断面を観察するしかなかった1nm(1nmは100万分の1ミリメートル)の超薄膜測定や、フラッシュメモリ用の多層膜の測定が可能です。

さらに、今まで業界では不可能といわれてきた、窒化シリコン膜上の酸窒化シリコン膜などの測定も可能です。また膜の厚さだけでなく、物質特性(組成・均一性など)や光学定数(光の屈折率など)も計測できるため、より高度な品質管理が可能です。

これに、当社が持つ搬送や連続分析対応といった自動化技術を融合し、半導体生産ライン専用の超薄膜分析装置として開発に成功しました。

販売については、ジョバンイボン社の国内総販売代理店で、半導体分析向け計測機専門商社の愛宕物産(株)を中心に、当社グループの国内外拠点を総合的に活用して行います。半導体分野において独自の販売ルートや販売力を持つ同社は、輸入販売にとどまらず、顧客密着型のサポート体制を進めています。


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< 主 な 特 長 >

  1. 従来の製品と比べ約10倍高精度の測定データを提供。
    測定原理に、光弾性変形素子(PEM素子)を用いた分光エリプソメータを採用。
  2. 自動搬送メカを採用、完全自動で測定。
    生産ライン専用機として開発した本機は、ラインで要求される仕様を全て満たしています。300mmウェハも対応の自動搬送機能は、100枚/時間と高速処理が可能です。



< 主 な 仕 様 >

  • 測定方式:光弾性変調素子(PEM素子)を用いた分光エリプソメータ
  • 測定能力:300mmウェハ 100枚/時間
  • 外形寸法:2280(w)×2052(D)×2000(H)
    (本体:300mm/3カセット用)
  • 計測波長域:190〜830nm  [オプション:UV(193nm)]
  • 計測エリア:25 / 50 / 100 / 200μm



< 受 注 開 始 > 本年12月上旬より


<目標販売台数> 初年度10台


< 予 定 価 格 > 7000万円〜