開業医向け自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-787CRP」を発売開始

2017年9月 7日


当社は、開業医向けに自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-787CRP」を8月より発売を開始しました。本製品は、「Microsemi LC-687CRP」の後継機であり、わずか18μLの検体量で、血球と、炎症や感染症の発症時に生じるCRP(C反応性たんぱく質)を同時に測定することができます。このような従来の測定機能を備えつつ、約18%減のコンパクト設計と、当社の電子カルテ連携ソフト「GATELINK」との接続機能向上による業務の効率化を実現しました。また、総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」に対応し、ネットワーク回線で装置の稼働状況やメンテナンス時期などを常時モニタリングし、予防保全を行います。今後も当社は、お客様の多様なニーズに対応した製品を提供していくことで、医用事業を拡大してまいります。

 
開発の背景

CRPは、感染症や炎症の発症後に生じる免疫の役割を果たすたんぱく質であり、白血球などの血球成分を測定する血球計数と合わせて感染症診断を行っています。感染症や炎症は特に子供が発症することが多く、循環血液量が少ない子供の負担を低減するためには、検体量を減らすことが求められています。
今回、上位機種である「Microsemi LC-767CRP」の白血球3分類機能をなくし、お求めやすい価格に設定しました。また、お客様のニーズに応えるため、従来の600シリーズをよりコンパクトにし、さらに作業性を向上しました。
 

血球計数CRP測定装置について

当社は、1998年に、血球計数と感染症の判別指標となるCRP濃度を測定する血球計数CRP測定装置を世界で初めて開発しました。装置として診療所や開業医小児科に展開し、乳幼児など症状を伝えられない患者の診察や肺炎など高齢者が重症化する可能性がある病状の早期発見、薬の処方の判断などに活用されてきました。2008年には世界最速・採血量が最少である新型の販売を開始し、本シリーズは国内外で累計約20,000台を販売し、医用事業の収益を支える主力製品です。現在もIoTに対応したネットワーク管理や、電子カルテ連携ソフトの機能を向上することで、よりお客様が安全に使いやすい製品を提供します。
 

自動血球計数CRP測定装置「Microsemi LC-787CRP」の特長

  1. 「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」に対応し、ダウンタイムの低減とメンテナンスの質向上
    ネットワーク回線で常に装置の稼働状況やメンテナンス時期等をモニタリングします。トラブルを事前に予測し、予知保全を行うことで、機器トラブルによるダウンタイムの低減に貢献します。万が一トラブルが起こった際も、故障原因を分析しやすくなります。
     
  2. 電子カルテ連携ソフトの機能を向上 操作時のミス低減と作業の効率化に貢献
    従来は患者のIDと医者の指示項目を手入力する必要がありましたが、LC700シリーズではバーコードリーダーで瞬時に入力することが可能になります。また、当社の電子カルテ連携ソフト「GATELINK」との連携時には、検査オーダーが入った患者のIDを自動で受信するため、ID入力のミス軽減と手間を短縮し業務効率の向上に貢献します。
     
  3. 開院日に応じて、自動で起動、洗浄 業務を軽減
    設定した曜日と時間に自動的に起動、終了、洗浄を行うタイマー機能をさらに向上させ、祝日や開院日の細かな設定が可能となりました。これにより、検査準備に必要な作業を軽減します。
     
  4. 試薬残量の可視化
    試薬残量をよりわかりやすくするため、従来のイラストによる表示に加えCRP試験や希釈液など測定回数を基準に、使用可能な回数を測定画面から確認できるようになりました。これにより、在庫管理がしやすくなります。

 

主な仕様


外形寸法・質量


装置本体220(W)mm×440(D)mm×430(H)mm(突起部除く)・約16kg

測定項目

9項目
赤血球数、白血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット、血小板数、平均赤血球容積, 平均赤血球血色素量, 平均赤血球血色素濃度、CRP濃度

測定時間

約240秒 (血液学検査のみ 約65秒)

関連情報

自動血球計数CRP測定装置 「Microsemi LC-787CRP」

総合保守サービス支援システム「HORIBA MEDISIDE LINKAGE」

電子カルテ連携ソフト 「GATELINK」