顕微フォトルミネッセンス測定装置 LabRAM-HR PL

概要

非破壊、非接触による、化合物半導体(ワイドギャップ半導体からナローギャップ半導体まで)の組成評価、欠陥評価、量子井戸の評価、不純物評価、結晶性評価が行えます。

特長

  • ツエルニターナ型分光器(焦点距離800mm)により、高精度測定が可能
  • 複数のレーザを搭載可能(DUV〜NIR)
  • 2つの検出器(アレイ型、シングルチャンネル型)が搭載可能で、UVからNIRまで、広い測定レンジ(200nm〜1600nm以上)を高感度で測定可能
  • 2種類の回折格子を標準で搭載
  • 最大300mm大型XYステージでのマッピング測定が可能
    また、高倍率対物レンズで、微小部分のマッピング評価も可能
  • PL信号でのオートフォーカス機能
  • 豊富な低温測定オプション
  • フィルターの交換で、同一測定点での、フォトルミネッセンス、ラマン測定が可能

新機能高速マッピング

マッピング速度を飛躍的に向上させた高速マッピング機能を開発しました。従来からの優れた光学性能を維持し、短時間でウエハ全体の情報が得られます。
さらに、高倍率の対物レンズを使用することで微小領域を高空間分解能でマッピングすることも可能です。

高速マッピングの測定例

●ピーク波長マッピング
●半値幅マッピング
●ピーク強度マッピング
●積分強度マッピング
●任意の波長での強度マッピング
●フィッティングによるピーク分離

従来からの高い波数分解能と優れた波長精度を維持した高速マッピング測定が可能になりました。

測定時間

3インチウエハ

2インチウエハ

測定ピッチ

データ数

測定時間

データ数

測定時間

0.5mm

23409

7分10秒

11025

3分20秒

1mm

5929

3分0秒

2809

1分30秒

2mm

1521

1分28秒

729

48秒

※どちらも、CCD検出器を使用して、すべての点でスペクトルを測定
 XYステージ駆動方式、積算時間は1ミリ秒

測定例

3インチMQWウエハ

ピーク波長マッピング(従来法との比較)

ピーク波長マッピング(従来法との比較)/ステップスキャン測定
ステップスキャン測定
測定時間1時間10分

ピーク波長マッピング(従来法との比較)/高速モード測定
高速モード測定
7分10秒

半地幅マッピング(従来法との比較)


ステップスキャン測定
ステップ 0.5mm
測定時間1時間10分


高速モード測定
ステップ 0.5mm
測定時間7分10秒

3インチ InGaPウエハ

101×101測定ポイント、積算時間1ミリ秒、測定時間4分9秒

ピーク強度マッピング
ピーク強度マッピング

積分強度マッピング
積分強度マッピング

任意の波長での強度マッピング
任意の波長での強度マッピング

シングルチャンネル検出器オートレンジ機能

シングルチャンネル測定では、オートレンジ機能があり、広いダイナミックレンジでの測定が可能です。

シングルチャンネル検出器(NIR)

アレイ検出器だけでなく、PbSやMCT等のシングルチャンネル検出器の搭載も可能
NIR領域だけでなく、より広い波長範囲の測定にも対応可能です。

  • 多くの検出ラインナップから、ニーズにあった検出器が選択できます。
  • 室温、電子冷却タイプ

検出器の種類による検出可能波長範囲

赤外線(IR)

プリアンプ付き赤外検出モジュールの仕様

検出器

Range(um)

NEP

Active Area (mm)

Cooling

InGaAs

0.8-1.66

7×10-14

Φ5

TE

1.0-2.05

1×10-13

Φ1

TE

1.2-2.56

6×10-13

Φ1

TE

PbS

1.0-3.2

8×10-13

4×5

TE

PbSe

1.5-5.2

1×10-10

3×3

TE

InAs

1.0-3.5

6×10-12

Φ1

TE

InSb

1.0-6.3

1.5×10-11

1×1

TE

PL強度を利用したオートフォーカス機能

実際のPL信号で、Z軸を駆動し、ある波長のピーク強度最大となるフォーカス位置でのPL測定が可能。また、その位置から、任意にフォーカスを移動させた位置での測定も行えます。

ピエゾを使用した、オートフォーカス機構もオプションで搭載可能です。

4 inch InGaP ウエハ測定例

Z軸を移動させたプロファイル
Z軸を移動させたプロファイル

AF機能設定画面
AF機能設定画面

2つのアレイ検出器 または アレイ検出器+シングル検出器が取付可能


CCD 1024 x 256 Back Illuminated Deep Depleted quantum efficiency (Manufacturer information -20℃


Typical spectral response of Spectrum One InGaAs detectors at 25℃

CCD 検出器(200nmから1050nm)、InGaAs検出器(800nmから1600nm)が同時搭載可能で、UVからNIRまで、高感度で測定が可能。 (Exended InGaAsアレイで、2200nmまで測定可能)また、1つのアレイ検出器と、1つのシングルチャンネル検出器の組み合わせで、赤外領域の拡張が可能です。

ソフトウエアの機能拡張

Visual Basic Script

Microsoft Visual Basic Scriptに準拠したスクリプト言語を搭載。LabSpec上で使用可能な測定機器の制御をスクリプトでコントロールすることができます。

  • 測定のオートメーション
    ルーチンワークな測定操作をスクリプトに記述することで自動化できます。
  • マッピングの拡張
    スクリプトを使うことで、より柔軟なマッピング測定が可能になります。
  • 外部機器の制御
    スクリプトより外部I/Oとの通信を直接制御する事で、測定環境を拡張することができます。
  • 解析/ファイル処理
    入出力のフォーマットの変換や、スクリプト上での簡単なデータ処理も可能です。

特注ソフト開発

ご要望に応じて、特注ソフトの開発/既存ソフトの改造を行ないます。

  • Multi Well 測定ソフト
  • 加熱冷却ステージ(LinKam社製)

豊富な低温測定オプション

  • 最大2インチウエハ対応 クローズドサイクル冷凍機
    2インチサイズのウエハがそのまま取付、冷却可能
    (高倍率対物レンズでの測定はできません。)
  • 超低振動クローズドサイクルクライオスタット
    超低振動を実現 ±0.5μ
    最低到達温度 6K以下
    (試料部内臓センサーにて輻射シールド開口φ30mm×1)
    クールダウン時間 約2時間(約室温〜到達温度(10K近辺))
  • 低振動クローズドサイクルクライオスタット
    到達温度 10K以下(試料ホルダー部)
    冷凍機とアイソレートされた試料部の採用で、±5μ以下の低振動
  • 低振動パルス式クライオスタット
    パルス管方式で、±2μ以下の低振動(冷却ステージ部)
    最低到達温度 3K以下(冷凍機単体、無負荷時)
  • 市販のほとんど全てのフロータイプ顕微鏡用クライオスタットが取付可能。

簡易PL測定用セット

分光器・検出器・集光系・ソフトウエア(LabSpec)を組み合わせた、ユニットも合わせて取り扱っております。
焦点距離320mm分光器iHR320(回折格子3枚搭載可能)、640nm分光器FHR640(回折格子2枚搭載可能)と、集光系、検出器、ソフトウエアのセットで、お手持ちのレーザを使用したPL測定が簡単に行えます。

iHR320

Modular Raman
・モジュラー顕微鏡を使用したPL測定も可能です。


製造会社: HORIBA