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農業排水や下水処理中の汚泥濃度を連続測定

1996年8月29日


当社は、農業排水処理場や下水処理場など、汚泥処理プロセスでの汚泥濃度を測定する、汚泥濃度計(SS-100形)を、農業など分野別製品担当の子会社(株)コスと共同で開発。地方農村で整備が進められている汚水処理施設を中心に拡販していきます。

標準価格:162〜250万円
販売開始:9月3日
販売目標台数:100台(次年度は 200台)
販売ルート:日製産業株式会社(本社・東京,社長・石川 昭夫)

環境保全の観点から、汚水処理施設、特に地方農村部を対象として、農業排水の水質保全や農村の生活環境の改善および公共用水の水質保全等を目的に、農林水産省を中心に全国3万地区の設備の整備が進められています(農業集落排水事業)。これら処理施設では、微生物(活性汚泥)を使って排水中の有機物を分解する活性汚泥処理の運転管理のため、DO計(溶存酸素),ORP計(酸化還元電位),pH計,UV計(有機性汚濁物質)などと共に、汚泥濃度測定は重要な項目です。今回の新製品は、この汚泥濃度を、光(LED)の透過量で検出する透過光方式を測定原理とし、汚泥で汚れやすいセンサ部をゴムワイパと水ジェットで定期的に自動洗浄および自動校正を行うので、従来市販製品に比べて保守頻度が1/4に低減できます。当社は、今回の汚泥濃度計が加わったことにより、農業排水処理施設で必要な水質分析計5種類を全て品揃えでき、水質分析システムとして拡販していきます。

本技術の開発は、RITEの地球環境保全につながる技術の開発を支援する、「技術開発促進事業」の本年度の技術開発テーマのひとつに選定されたものです。RITEとの共同開発として、当社にRITE分室を置き、11名のスタッフ,3年間で約2億8千万円の事業費で本月より本格的にスタートしました。なお、当社としては、1991年度の自動車排ガス測定技術に次いで、本研究が2つ目の共同開発テーマです。


〈 主 な 特 長 〉

  1. 保守頻度が従来比1/4
    自動洗浄・自動校正機能付きなので、センサ部は処理槽に浸けっぱなしでOK。引き上げての保守は1回/月以下と従来の1回/週と比べ1/4。煩わしい保守作業が減りました。
  2. 処理槽浸漬型の他にパイプライン直結も対応
    センサ部を処理槽に浸けて測定する本製品(SS-100形)と併せて、配管に直接挿入するタイプのSS-150形も用意。



〈 主 な 仕 様 〉
測定範囲:0〜2万mg/L
  精度:±2%
外形寸法:200×230×100mm(センサ部)192×192×210mm(表示部)
  質量:4kg(センサ部),3kg(表示部)
(お客様からのお問い合わせ先)
(株)堀場製作所 カスタマーサポートセンター
TEL.0120-37-6045(フリーダイヤル)


参考資料

  • 農業集落排水事業
    昭和48年度に、総合メニュー方式事業として発足した「農村総合整備モデル事業」の中の農村環境基盤整備メニューの一工種としてスタート。その後、(社)日本農業集落排水協会が昭和58年度に設立されたことにより、本格的に事業がスタート。汚泥処理施設の整備が都市部に比べて遅れている農村部を対象に、農業用排水の水質保全,農業集落の生活環境の改善,公共用水域の水質環境保全などを目的に、平成14年度をめどに国内3万地区の整備が進められている。
  • 農業集落排水処理施設での測定項目と市場処理施設での測定項目には、汚泥を一定濃度に管理するための汚泥濃度計,微生物を生息させるためのばっ気状態の監視用のDO計,好気性状態と嫌気性状態を判断するためのORP計,処理水を放流する際のUV計やpH計がある。
  • 総整備目標地区数は全国で3万地区で、年間約500地区ずつ整備が進められている。今後は、処理施設の大型化や高度化により、分析計ニーズが拡大すると予想される。
  • 測定原理(透過光方式)
    LED光源からの赤外光が、試料水を通ることで、どれだけ減衰したかを検出し汚泥量を求める。
  • 校正 感度調整。
    試料水自体が汚泥を含んでいるのでセンサ部は汚れやすく、通常の市販製品では、この校正作業を1週間に1回程度、センサ部を引き上げ、検出部の洗浄および校正をする必要がある。今回の新製品は、洗浄機能に加えて校正機能もセンサ部に付いているため、センサ部を一度浸ければ1カ月以上引き上げての保守点検は不要と、メンテナンス性に優れている。
  • 自動洗浄・自動校正機能
    水圧で上下運動するピストンワイパの表面のゴムとワイパの上部から供給されるジェット水によって、検出部(セル窓)を洗浄する。また、洗浄した直後にゼロ校正(感度調整)を自動的に行う。
  • 浸漬型と流通型の利用方法
    センサ部を処理槽(深さ4〜5m程度)に浸けて測定する方法が浸漬型(今回の新製品ではSS-100形)。一方、処理槽から試料水を引き抜いた配管にセンサ部を直接挿入し測定する方法が流通型(同SS-150形)
  • mg/L
    1リットル中に何mgの汚泥が含まれているかの濃度を表す単位。
  • (株)コス
    水耕栽培での水質監視といった農業分野をはじめ、半導体や小規模水処理分野など、特定分野向けに絞り込んだ専用の計測機器を開発・製造・販売する当社の子会社。

    設立:1975年,
    売上高:約22億円,
    社員数:160名,
    社長:小林祥二,
    本社:京都市南区吉祥院宮の東町2