ハンディタイプ残留塩素計「CL−51」発売

|   ニュースリリース

当社は、水道水やプール、温泉水などに残存する塩素を測定する、ハンディタイプの残留塩素計「CL−51」を1月4日に発売します。数値がデジタル表示されるため、比色法のように目測による個人差が無く、誰でも簡単正確に水質をチェックできます。水の濁りや温度変化の影響も受けにくく、従来困難とされてきた温泉水の残留塩素も正確に測定可能です。今後は、本製品を皮切りに、毎日の暮らしの安全・安心を支える、ハンディタイプ水質計測装置のラインアップを順次拡大していく方針です。

<背景>
上水道をはじめ、浄化槽、学校、レジャー施設のプール・大浴場などでは、殺菌のため塩素処理が行われており、大腸菌やO−157、レジオネラ属菌などによる汚染を防ぐために、残留塩素濃度の計測を通して殺菌効果の持続が管理されています。また、水道水中の残留塩素は、食品工場や給食センターなどでも、食品の洗浄のために現場測定されています。2002年には改正水道法が施行され、学校や病院、宿泊施設、ビルの受水槽など、1日に最大で20m3を超える水を供給できる施設は、毎日の水質管理として、残留塩素測定が必要になりました。残留塩素測定は、水の安全性の指標として重要な計測・管理項目になっています。

<本製品について>
近年、浴場施設のレジオネラ属菌が話題となり、循環式浴槽などでは塩素系薬剤を投入して消毒を行っています。これらの塩素測定には、DPD試薬を用いた吸光光度法での測定が一般に使われていましたが、温泉水に含まれているカルシウムやマグネシウムが、DPD試薬に含まれているリン酸と反応して白濁するため、測定が困難でした。本製品ではリン酸が含まれていない、温泉専用の試薬を用いることで、白濁せず高精度に測定が可能です。さらに、測定方式に2波長による吸光光度法を採用したことで、水の濁りや温度変化にも影響を受けにくく、より正確な測定を実現しています。
今後は、残留塩素以外の水質項目についても、ハンディタイプの計測装置を展開し、毎日の暮らしの安全・安心を支える、製品ラインアップを順次拡大していく方針です。

<測定用途例>

  • 水道水、受水槽、プール、温泉、調理用水等の水質チェック
  • 化学、食品工場などでの塩素濃度管理など


<主な特徴>

  1. 温泉水を測定可能/レジオネラ属菌対策もこれで安心
  2. 正確測定/水の濁りや温度変化の影響を受けにくい
  3. 数値をデジタル表示/個人差が無く、誰でも簡単に測定できる


<標準価格>
63,000円(本体のみ、税込み)
*標準試薬は、100回測定分で3,675円(税込み)

<販売目標台数>
初年度 3,000台、次年度 4,000台

<主な仕様>
測定方式:2波長吸光度測定
測定範囲:0.00〜2.00mg/L
外形寸法:75(W)×175(D)×96(H)mm
質量:約450g
電源:単3電池4本(1,000回以上の測定が可能)
 

参考資料

<測定原理/吸光光度法>
試料に発色試薬(DPD試薬)を加え、化学反応によって赤色を発色させる。これに光を当てると、残留塩素濃度に比例した吸収の強さ(吸光度)を示すため、残留塩素濃度がわかる。本製品は、光源に赤色と緑色の2波長の光を採用している。赤色の光は残留塩素濃度によって、吸光度が変わるが、緑色の光は変化しない。その2波長の光の吸収度合いを比較することで、測定精度を高めている。

  • 比色法:試薬の色の変化により、色見本などから目測で残留塩素の濃度を判断する方法。
  • DPD(ジエチル‐p‐フェニレンジアミン)試薬:粉末の試薬で、試料を赤色に発色させる。
HORIBAグループ企業情報