
製品情報
放射温度計 IT-480シリーズ
概要
IT-480シリーズは、当社がこの分野で長年培った独自の赤外線検出テクノロジーとノウハウを結集して実現した、組込み・設置型の 放射温度計です。
業界最高水準の高精度を持つ放射温度計として、さまざまな工場の生産ラインや装置:プラントの温度管理など産業・工業用途でご利用いただけます。またWindows® PCとの接続により研究開発や実験用途などにも幅広く活用可能です。
ご愛用者登録
特典1 PCと接続するためのソフトウェアを無償でダウンロード可能です。
特典2 通常保証期間の1年から2年に保証期間を延長します。
<人の体表面温度を測定する際のご注意事項>
放射温度計は手軽に非接触で、色々なモノの温度を測定することができますが、体温計(薬機法で規定)ではありません。最近の新型コロナウイルスの感染拡大の報道により、発熱者のスクリーニング目的で放射温度計に対するお問合せが増加していますが、以下内容をご理解いただき、HORIBAの高精度放射温度計をご活用いただけますよう、お願いいたします。
1.(体温計について)
薬機法では「体温計」が医療機器として指定されており、HORIBAの放射温度計を含めて一般的な放射温度計や
サーマルイメージャは、体温計として使用できません。
2.(体表面温度測定について)
人の体表面は、外気に触れているため外気温度影響を強く受けています。
従いまして、一般的に体温よりも外気温が低いため、体表面を放射温度計で測定すると体温より低い温度が
表示されます。また、ヒーターなどの近くにいる場合には、逆に体温よりも高い温度が表示される場合や、
運動をして発汗すると気化熱が奪われて低めに温度表示される場合もあります。
体表面温度は体温ではありませんが、一定条件の下で温度の高低を比較することは可能です。
3.(HORIBA放射温度計内蔵のレーザポインタについて)
HORIBAの高精度放射温度計には、一部の機種に測定対象物の温度測定領域を確認するために、レーザポインタを
内蔵している機種があります。特にハンディタイプのIT-545NおよびNH型の放射温度計は、温度を測定する際に
測定ボタンを押すとレーザポインタ(クラス2)が自動的に点灯します(工場出荷設定)。
人の体表面温度測定のために顔に向けて温度測定をしようとすると、レーザポインタのレーザ光が目に入り大変危 険です。視覚障害を引き起こす可能性があり、決して人に向けて使用しないようにご注意ください。
顔の体表面温度等を測定する場合は、放射温度計のレーザポインタが点灯しないように設定することが可能です。 取扱説明書をご確認の上、必ずレーザポインタが点灯しない設定に変更してご使用ください。
なお、IT-545SはレーザポインタではなくLEDの近距離用マーカを採用していますが、マーカを覗き込む等で
目に集光しないようご注意ください。
特長
- 高精度:業界最高水準※の高精度温度計
- トレーサビリティ:国家標準に沿った設備で調整・校正
- 安心安全な各種各国規制準拠製品:CE、WEEE/RoHS、FCC、KC照準用レーザ安全関係(PSC、FDA)
- 専用アプリケーションソフトウェア:無償でご提供
▸ 対象物に接触せずに温度測定
傷、汚染の問題を回避。状態(静止/回転/移動)を選ばず温度測定可能。
▸ リアルタイム温度測定
▸ ワイドな測定温度範囲
-50~1000℃(IT-480F/Pタイプ)。-50~500℃(IT-480N/W/L/Sタイプ)
▸ 小型・計量設計
装置への組み込み、生産ラインへの設置に最適
▸ 場所を選ばず簡単に使用可能
Windows® PCとUSB接続のみで稼働
・USBバスパワーで稼働(その他の外部電源不要)
・カメラ用三脚の取り付けが可能
専用アプリケーションソフト利用(無償提供)
・最多で8台のIT-480を使用可能
・測定データの収録可能
・IT-480の各種設定可能(放射率、測定条件等)
※2020年当社調べ
【ソフト画面例:デバイス設定モード】
【ソフト画面例:データ取集モード】
用途例
- FPD露光装置でガラス基板やフォトマスクの温度分布管理に
- 精密機械部品の熱膨張を考慮した精密寸法測定に
- 食品の調理温度管理に
- 製造プロセスの温度連続監視に
- コンクリートミキサの練り混ぜ温度管理に
- タイヤ製造等で合成ゴムの加硫工程の温度管理に
関連産業
製造会社: HORIBA
仕様
■IT-480S、IT-480L
タイプ | 微小スポットタイプ | 小スポットタイプ |
---|---|---|
型式 | IT-480S | IT-480L |
測定波長 | 8〜14μm | |
測定温度範囲 | -50℃〜500℃ | |
出力 | USB出力(分解能0.1℃) | |
電流出力範囲 | -50℃〜500℃ (出荷時0℃〜500℃) | |
測定精度 | 〔USB出力〕 | |
繰返し性(再現性) | 0.5℃以内 | |
応答時間 | 〔電流出力〕 0.14s以内(95%、移動平均1のとき) | |
測定視野 | φ3mm以下(距離30mm) | φ8mm以下(距離100mm) |
温度ドリフト | ±0.5℃/℃以内[-50〜0℃] | |
放射率 | 出荷時設定 0.95(PC用アプリケーションソフトにて0.100〜1.999で変更可能)※ | |
使用温湿度範囲 | 温度 0〜55℃、相対湿度 35〜85%、結露なきこと | |
電源 | DC12〜24V/USBバスパワー | |
消費電流 | 30mA以下(DC24V時) | |
ケース材質 | アルミニウム | |
質量 | 約95 g (ケーブルおよび取り付け治具類除く) | |
付属品 | 取扱説明書、取付金具、電源/出力ケーブル(2m)、設置ゲージ |
※他方式等の温度計と測定指示値を一致させる必要がある場合は、放射率を0.100~1.999の範囲で補正することでご利用いただけます。
■IT-480N、IT-480W、IT-480F、IT-480P
タイプ | 汎用タイプ | 狭視野タイプ |
---|---|---|
型式 | IT-480N/IT-480W※1 | IT-480F/IT-480P※1 |
測定波長 | 8〜14μm | |
測定温度範囲 | -50℃〜500℃ | -50℃〜1000℃ |
出力 | USB出力(分解能0.1℃) | |
電流出力範囲 | -50℃〜500℃ (出荷時0℃〜500℃) | -50℃〜1000℃ (出荷時0℃〜500℃) |
測定精度 | 〔USB出力〕 | 〔USB出力〕 |
繰返し性(再現性) | 0.5℃以内 | 1℃以内[ -50〜0℃] |
応答時間 | 〔電流出力〕 0.14s以内(95%、移動平均1のとき) | |
測定視野 | φ72mm以下(距離1000mm) | φ35mm以下(距離1000mm) |
温度ドリフト | ±0.5℃/℃以内 | ±0.5℃/℃以内 |
放射率 | 出荷時設定 0.95(PC用アプリケーションソフトにて0.100〜1.999で変更可能)※2 | |
使用温湿度範囲 | 温度 0〜55℃、相対湿度 35〜85%、結露なきこと | |
電源 | DC12〜24V/USBバスパワー | |
消費電流 | 30mA以下(DC24V, レーザオフ時) | |
ケース材質 | アルミニウム | |
質量 | 約95 g (ケーブルおよび取り付け治具類除く) | 約115 g (ケーブルおよび取り付け治具類除く) |
付属品 | 取扱説明書、取付金具、電源/出力ケーブル(2m) |
※1)IT-480W、IT-480Pに照準レーザは付いておりません
※2)他方式等の温度計と測定指示値を一致させる必要がある場合は、放射率を0.100〜1.999の範囲で補正することでご利用いただけます。
測定原理
IT-480cameraは、放射温度計IT-480と組み合わせて使用します。スマホのカメラを利用して、離れた場所から測定した対象物の表面温度と一緒に測定対象の画像や動画を保存できます。
IT-480cameraインストールについて
「IT-480camera」は、Android™ 8.0 (Oreo)以上のOS対応に対応しています。
Android™ 版アプリは弊社にて動作確認を行いました。
全てのAndroid™ 端末上での動作を保証するものではありません。
オープンソースソフトウェアについて
下のリンクからダウンロードしていただけます。
モバイルアプリIT-480cameraのオブジェクトコードの提供をご希望の場合は、IT-480cameraのバージョン情報を記載の上で、it480camera@horiba.comにメールでご連絡ください。
商標について
Google は、Google Inc.の商標または登録商標です。 Android は Google LLC の商標です。 Google Play および Google Play ロゴは Google LLC の商標です。その他、記載されている会社名、商品名は、一般に各社の商標または登録商標です。
アクセサリ
IT-480データ収集ソフトウェア「IT-480 Data Acquisition」は、放射温度計IT-480シリーズ専用のソフトウェアです。
本ソフトウェアを使用して、Windows® PCとUSB接続したIT-480の各種設定の確認・変更、動作確認、データ収集が可能です。
「ご愛用者登録」を行う事で、本ソフトウェアを無料でダウンロードして頂く事ができます。
また、本ソフトウェア以外の項目も「ご愛用者登録」を行って頂く事で、ダウンロードが可能です。
*IT-480シリーズは、本ソフトウェア無しでも、初期設定のまま電流出力(4〜20 mA)をご利用になれます。
【ダウンロード可能な項目】
- IT-480シリーズ用データ収集ソフトウェア「IT-480 Data Acquisition」
- 32 bit.zip
- 64 bit.zip
- IT-480シリーズ用データ収集ソフトウェア「IT-480 Data Acquisition」 ユーザマニュアル
- IT-480シリーズ用仮想COMポートドライバ
- driver.zip
IT-480シリーズ用仮想COMポートドライバをパーソナルコンピュータにインストールすることにより、「Tera Term」などの通信ソフトウェア、またはお客様が作成したプログラムでIT-480とのシリアル通信が可能です。
シリアル通信で、IT-480の各種設定の確認および変更、測定値の取得などの操作ができます。
IT-480シリーズ用データ収集ソフトウェア「IT-480 Data Acquisition」のみ使用する場合は、仮想COMポートドライバのインストールは不要です。- IT-480シリーズ用仮想COMポートドライバ リファレンスマニュアル
本ソフトウェアはWindows 7、Windows 8、Windows 8.1、Windows 10(32 bit、64bit)を搭載したパーソナルコンピュータまたはタブレットで動作します。弊社にて動作確認をおこないました。
全ての端末上での動作を保証するものではありません。- IT-480取扱説明書