日本初、動物専用血糖値測定器で薬事法認可

|   ニュースリリース

ペットの糖尿病治療に わずか1滴、45秒で測定
 "少量の採血・迅速・高精度"で安心・安全

当社は、農林水産省が所轄する薬事法で、日本で初めて認可を取得した血糖値測定器「アントセンスⅢ VET」を1月4日に発売します。
ペットの高齢化や室内飼育などが原因で、糖尿病などいわゆる"生活習慣病"を患うペットが増加する一方で、医療現場ニーズに合った"少量の採血・迅速・高精度"で血糖値を測る専用機器がなく、理化学分析装置や人用の自己血糖測定器の代用で補われています。このたび業界に先駆け、たった1滴の血液で生化学分析装置に匹敵する測定精度の血糖値を、45秒で測る機器を提供します。家族の一員として人生を共にするペットも医療環境が充実するなかで、診療の負担軽減と迅速な検査を提供することで、動物医療の安心・安全に貢献します。

 

動物の糖尿病診断について

国内のペットは約2100万頭(*1)をかぞえ、15歳以下の児童数約1800万人(*2)よりも多いというのが現状です。さらには、ペットの長寿命化や室内飼育などが原因で、糖尿病などいわゆる"ペットの生活習慣病"が増加しており、まさに動物医療には量と質の両方が求められています。動物用血糖値測定では、具合が悪くても言葉を話せず、小さな身体のペットの健康状態を診るため、"少量の採血・迅速・高精度"な検査機器が求められますが、血糖値測定器では農林水産省が認可した機器はなく、一定量の採血だけでなく、前処理など手間と時間がかかる理化学分析装置、自己チェックを目的にしたハンディタイプの簡易血糖測定器が採用されているというのが実情です。当社は業界に先駆け、人用測定器をベースに動物医療のプロ向けに、米粒ほどの血液1滴(5マイクロリットル)を測定部に滴下し、スタートボタンを押すだけで血糖値を測れ、測定精度も高機能検査装置に匹敵する機器を提供します。高齢なペットほど糖尿病を患う比率は高く、より体力的な負担が少ない血糖値測定を提供することで、ペットの糖尿病治療で安心・安全に貢献します。

 

動物市場向けの事業展開

当社は、医師・看護師と言ったプロ向けの小型自動血球計数CRP測定装置を柱とする、前処理なく全血で測定できるPOCT(*3)対応機器を販売しています。このたび、農林水産省から薬事法の認可も受けたことで、従前から強みを持つ、その場ですぐに測定できるプロ向けの小型検査機器を前面に、動物市場でPOCT対応機器の販売を本格化します。
動物病院にはペットに負担をかけない高精度な臨床検査を、ペットの家族には迅速な検査結果を提供することで、ペットの負担低減と動物医療の迅速化に貢献します。

 

自動血糖値測定器の特長

  1. 5マイクロリットルの血液で測定できる
    測定方法は、本体の直径4ミリメートルの測定部に1滴(5マイクロリットル)の血液を、前処理せず全血で滴下し、スタートボタンを押すだけ。測定値を45秒で表示します。
  2. 理化学分析装置に匹敵する高精度測定
    血液から血しょうのみを分離させる構造で、血しょう中のグルコースを酸化させて血糖値を測定。動物により状態が異なる血球を取り除き、動物の種類を問わず高精度測定ができます。

 

製品概要

用途糖尿病診断、健康診断、手術中の血糖値管理
外形寸法200(W)×180(D)×65(H)ミリメートル
質量約800グラム

 

予定希望販売価格

本体:17万8,500円(税込)  測定用カートリッジ:4,725円(税込)

引用
(*1)一般社団法人日本ペットフード協会「平成23年全国犬猫飼育実態調査」
(*2)統計局「日本の統計2012」
(*3)Point of care testingの略。診療の現場や患者の近くで迅速に検査する事を指す。

製品情報 自動血糖値測定器「アントセンスⅢ VET」