分光器ユニット「OC-300」を開発

|   Press Release

バイオ市場向けの細胞観察、金属加工部品の微細形状3次元測定など試料内部構造の非接触イメージングに貢献

当社は、透過型回折格子※1を搭載した、高分解能、高感度、低偏光依存性※2を特長とする小型分光器ユニットを開発しました。本製品はOCT (Optical Coherence Tomography、光干渉断面撮影法)システムのキーコンポーネントとして使用されます。
OCTは光の干渉性を利用して試料の内部構造や形状を高分解能、高速、非接触で撮影するイメージング技術です。近年、主に眼科での眼底検査に用いられていますが、肌内部の血管構造可視化に応用できることから化粧品開発や美容市場への展開、細胞の内部構造観察に応用し創薬や再生医療といったバイオ市場への展開、さらに金属加工部品の微細形状3次元測定など、幅広い分野への展開が期待されています。本製品はこのような今後ますます期待される試料内部構造の非接触高速イメージングに貢献します。本製品は2020年11月11日から13日まで開催されるJASIS 2020に初出展します。

 

開発の背景

OCT(Optical Coherence Tomography、光干渉断面撮影法)は、光の干渉性を利用して試料内部の構造を高分解能、高速で撮影するイメージング技術です。近年、主に眼科での眼底検査機器に用いられていますが、非接触、非侵襲でリアルタイムに撮像できることから、その他の医療、肌内部血管構造の可視化、バイオ市場向けの細胞観察、金属加工部品の微細形状3次元測定など、さまざまな分野へのアプリケーション展開とそれに伴う市場成長が期待されています。
そうした背景のなか、OCTシステムの高性能化に伴うOCT装置メーカーからの高い要求に応えるため、透過型回折格子を搭載した、高分解能、高感度、低偏光依存性を有する小型分光器ユニットを開発しました。本製品は各アプリケーションに応じて、波長範囲や波長分解能などを最適化することでOCT装置の最高性能を実現します。
また各アプリケーションのOCT性能を最大限に上げるため、設計には柔軟性を持たせており、回折格子や一部光学部品を変更するだけで、波長範囲などの仕様を個別に対応することができます。さらにその特徴からOCTだけでなくラマン分光測定装置やプラズマ発光モニターなどの高感度化へも応用が期待されます。
  

製品の特長

透過型回折格子により、高分解能、高感度、低偏光依存性を実現
OCT性能を最大限引き出せる設計の柔軟性
波長範囲、分解能などをアプリケーションによって最適化

 
主な用途

医療、バイオ市場における細胞観察装置
眼科における眼底検査装置
金属加工品微細形状測定装置
自動車部品の形状測定装置


主な販売先

OCTシステム装置メーカー(細胞観察装置、眼底検査装置、金属加工部品形状測定装置など)
ラマン分光やプラズマ発光計測を利用した各種装置メーカー

製品仕様

本製品はお客様のアプリケーションによってさまざまな仕様にカスタマイズします。
以下仕様の一例を紹介します。

名称: 分光ユニット OC-300
波長範囲:790-890nm   (可視光~近赤外まで広範囲の波長域でカスタイマイズ)
波長分解能:0.09nm     (波長範囲や、入射開口数に依存)
NA(Numerical Aperture:開口数): 0.13
入射取り合い:FC/APCシングルモードファイバー
外形寸法:203(W)×66(D)×102(H) mm
質量:1.5kg
 

※1 回析格子
回折格子(グレーティング)は,種々の波長が混ざった光(白色光)をさまざまな波長に分散させる光学素子の総称です。光の散乱方向により反射型と透過型に分類されます。

※2 低偏光依存性:
光は電場と磁場が波となって進む電磁波の一種です。光を試料に入射する際、電場(または磁場)の振動の方向により、s偏光(電場が入射面内で振動している光)とp偏光(入射面に垂直に振動している光)に区別されます。一般に反射型回折格子は入射光の偏光状態により、各偏光成分の回折効率(回折格子への入射光のエネルギーのうち回折光として取り出せるエネルギーの割合)に違いが生じますが、透過型回折格子は各偏光成分の回折効率差を最小化することができます。

※3 ラマン分光測定装置:
試料から散乱されるラマン散乱光を検出することで、試料の分子構造同定や物性を評価する装置。