株式会社堀場製作所(以下、当社)の自動運転システムに関する発明「車両自動運転ロボットの固定方法 (特許第7008615号)」が、公益社団法人発明協会の主催する令和7年度近畿地方発明表彰において「京都発明協会会長賞」を受賞しました。
当社の自動運転システムは、試験室内での車両試験において自動運転ロボットを搭載し、車両の運転を自動化するものです。今回の受賞発明により、自動運転ロボットを迅速かつ確実に車両へ固定することが可能となり、車両試験における搭載作業工数の削減や省人化に大きく貢献しています。
受賞内容
本発明は、自動運転システムにおいて、短時間かつ簡単な作業で自動運転ロボットを確実に運転席へ固定するための方法に関するものです。
自動車メーカーなどが車両の性能評価を行う手法の一つに、試験室内で実走行環境に近い状態を再現してデータを測定するシャシダイナモ試験があります。過酷な条件下(長時間試験、低温や減圧などの環境試験)で試験をしなければならないケースも多々あることから、テストドライバーの代わりに車両を自動で運転してくれるロボットを用いた評価のニーズが高まっています。また、シャシダイナモ試験では一日に複数の車両を入れ替えながら実施することが多く、短時間で自動運転ロボットを搭載することが求められます。さらに、試験で安定した走行データを取得するためには、運転席への確実な固定が不可欠です。特に近年は、電気自動車における航続距離試験の長時間化が顕著となり、その重要性が一層高まっています。
従来は、複数箇所に固定器具を取り付け、自動運転ロボットの搭載台を車両の運転席に固定することが一般的でしたが、時間がかかることや、運転席が破損する恐れもあるため、強い力での固定が困難でした。本発明では、車両の後部座席に備えられている、チャイルドシートを固定する高強度な金具であるISOFIXアンカーに自動運転ロボットのベルトを固定しました。これにより、短時間かつ簡便な作業で強い力をかけて運転席に固定することが可能となり、固定にかかる時間を約80%、搭載にかかる総作業時間を約52%削減することに成功しました。(当社従来製品ADS-7000との比較)
本発明によって、シャシダイナモを用いたさまざまな試験で自動運転ロボットの活用が増加し、工数削減と省人化に大きく寄与しています。
※航続距離:航空機や船舶、電気自動車などが燃料または電力を満充填した状態で飛行、または航行、運転できる最大距離
近畿地方発明表彰について
公益社団法人発明協会が主催する地方発明表彰は、各地方における発明の奨励および育成、科学技術の向上と地域産業の振興を目的として大正10年に始まりました。以来、優れた発明、考案又は意匠を生み出した技術者・研究開発者の功績を称え顕彰することにより、今日の科学技術の発展に寄与しています。
受賞概要
◆京都発明協会会長賞
受賞者:株式会社堀場製作所 松原 由明、古川 和樹
受賞技術名:車両自動運転ロボットの固定方法
登録番号:特許第7008615号
令和7年度近畿地方発明表彰 その他受賞一覧
◆発明奨励賞
受賞者:株式会社堀場製作所 出島 悠貴
受賞技術名:検査オーダー処理装置およびそれを用いた検査システム
登録番号:特許第6768688号
◆発明奨励賞
受賞者:株式会社堀場エステック 金丸 隆史
受賞技術名:液体材料気化装置、液体材料気化システム
登録番号:特許第6712440号
◆発明奨励賞
受賞者:株式会社堀場アドバンスドテクノ 中井 陽子
受賞者:株式会社堀場製作所 飯田 裕、中川 和哉
受賞技術名:試料前処理機、及び、分析システム
登録番号:特許第7227978号

左から、発明奨励賞 出島悠貴、京都発明協会会長賞 古川和樹、松原由明、発明奨励賞 中井陽子、金丸隆史
