連続固体粒子数測定装置「SPCS-ONE」を発売

|   ニュースリリース

~Euro 7※1など次期排ガス規制の測定項目に対応しながら、データ管理の高度化を実現~

株式会社堀場製作所(以下、当社)は、連続固体粒子数測定装置「SPCS※2-ONE(エスピーシーエスワン)」を2月21日に発売します。
自動車のエンジンなどから排出される固体粒子を連続測定する「SPCSシリーズ」は、2009年の発売以来、最新規制への測定ニーズに応え続けながら自動車開発の現場で活用されてきました。
今回発売する「SPCS-ONE」は、欧州の次期排ガス規制であるEuro 7での導入が検討されているブレーキ・タイヤダスト※3や、直径10nm※4以上の粒子数(SPN※510)の連続測定に対応する従来機種の優位性を引き継ぎながら、当社独自の総合計測プラットフォーム「HORIBA ONE PLATFORM」へ新たに適応します。複数の装置の測定データを一元管理し、効率的な運用を行うことで研究開発現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に貢献します。
カーボンニュートラル社会の実現に向けた技術進展や規制強化を背景に、自動車の研究開発におけるニーズは複雑・多様化し続けています。当社グループは、お客様の抱える課題に寄り添った多彩な製品・ソリューションの提供を通じて、自動車産業のパートナーとしての価値創造に取り組んでまいります。

※1 欧州連合(EU)の次期自動車排ガス規制(2025年に乗用車、2027年に商用車を対象に規制の適用が検討されている)
※2 SPCS:Solid Particle Counting System
※3 ブレーキやタイヤの摩耗に伴い発生する粉塵
※4 ナノメートル、1nmは10億分の1メートル
※5 固体粒子数(Solid Particle Number) 
 

開発の背景

近年の環境規制強化を背景に、大気中の微小な粒子が及ぼす健康への影響に世界的な関心が高まっています。粒子は小さいほど肺の奥深くまで入りやすく、特にPM2.5と呼ばれる直径2.5㎛(マイクロメートル、1μmは1000ナノメートル)以下のものは、呼吸器や循環器系へ悪影響をおよぼすことが懸念されます。
自動車産業においても、各国・地域で粒子数に関する規制の導入が進んでいます。現行の欧州排ガス規制であるEuro 6d/VIでは、直径23nm以上の粒子数(SPN23)を対象とした規制が敷かれており、日本でも2023年からの導入が予定※6されています。さらに、欧州の次期排ガス規制であるEuro 7では、SPN10への対象粒子の微細化や、ブレーキ・タイヤダストへの測定対象拡大も検討されています。
当社では、2009年に国際連合欧州経済委員会(UNECE)より粒子数の計測手法が正式に発表される以前から、連続固体粒子数測定装置を世界に先駆けて開発し、最先端のニーズに応えてきました。
昨今のさらなる規制強化ならびに、高度化する開発効率化への要求に応えるため、新製品「SPCS-ONEシリーズ」を発売します。

※6 2023年末までにディーゼル車、2024年末までにガソリン車を対象に規制が適用される予定
 

「SPCS-ONE」導入による期待効果

1. データの一括管理による効率化~デジタルトランスフォーメーション推進を支援~

1台のPCから複数装置の操作とデータ管理を一貫して行うことのできる統合システム「HORIBA ONE PLATFORM」に適応。各種試験時のオペレーション、測定データの管理の自動化、予知保全機能を用いた計画的なメンテナンスなどを行うことができます。さらに、データマネジメントシステム「STARS Enterprise」※7と組み合わせることで、リモートモニタリングを用いた試験・設備状況の見える化による稼働率・保守率向上など、デジタルトランスフォーメーション(DX)推進に貢献します。

※7 「STARS Enterprise」は別売り

<HORIBA ONE PLATFORMイメージ図>
試験室内における各種装置のオペレーションおよびデータ管理を一括で管理し、開発効率を向上

       

2. 多種多様な測定・運用ニーズへの対応

■次期排ガス規制「Euro 7」への対応
欧州におけるEuro 7で規制強化が検討されるSPN10やブレーキダスト、タイヤダストなどの効率的な測定ができます。また、各国のPN 最新規制の要求に適合し、認証・研究開発から性能評価まで、あらゆる試験のご要望にお応えします。

【各国の現行PN規制(例:乗用車の場合)】

国・地域現行排ガス規制成分
EU Euro 6dSPN23
中国China 6b
インドBharat Stage VI 


■次世代エネルギー・燃料開発への対応
従来のエンジンよりも環境への負荷が少なく、よりクリーンな動力源として期待される水素エンジン開発や代替燃料などの多様な燃料に対応するエンジン開発にも寄与します。

■プロダクトライフサイクルにあわせた長期的な顧客サポート
規制動向を注視するお客様の幅広いニーズに応え、お客様の設備状況に合わせた本製品や試験設備の活用提案を行います。さらに、設置後の校正サポート(ISO/IEC17025認定校正)など安心して長期間ご使用いただくサポート・サービスも拡充しています。
 

連続固体粒子数測定装置「SPCS-ONE」