中国国家環境保護総局から水質汚濁自動計測機器(UV計) 認証第1号を取得

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当社は、中国政府が地球環境保全の観点で進められている、主に工場からの排水規制において昨年認可された連続測定方法=UV法(*1)の2ヶ月間の試験を経て、このほど本方式第1号で、中国国家環境保護総局(*2)の認証書を受領しました。

1978年の日本の水質総量規制導入以来、日本国内で本方式トップシェアを持つ当社の性能・信頼性と併せて、今回の中国の新市場向けに新たに開発した新製品を投入(=新製品 OPSA-150型)したことは、水質環境汚染が進む中国市場に受け入れられると確信しています。

なお、納期短縮と顧客要望への迅速対応を目指して、分析部は日本から中国に供給し、組立ては 中国 上海工場(*3)でのシステムアップ方式で行い、今月から受注を開始します。


日本国内では昭和40−50年代にかけて、産業・経済振興に呼応して環境悪化が増大し、大気や水質の規制が導入され結果、高効率自動車にみられるように、環境負荷を考慮することで効率の良い生産体制や製品開発につながりました。毎年2桁近い経済成長をみせる中国でも、発展とともに環境対策を展開されてきています。この流れの一環として、工場排水に起因する河川など水質汚染をくいとめる動きが活発化しています。20世紀末から、中国でも5000トン/日を超える工場では、水質自動モニタリング計器をとりつけることが義務付けられており、その中の項目にCOD規制(*4)があります。しかし、その測定方法は試薬を使用するCODcr法(*5)やTOC法(*6)など時間がかかったりメンテナンス技術が必要だったりしていました。

日本において主に水質の測定方法を研究し標準化を行う「日本環境技術協会」(*7)と中国の環境省にあたる中国国家環境保護総局(SEPA)との交流から、メンテナンス性に優れランニングコストが安く誰にでも簡単に扱える、COD監視において日本で最も使用されているUV法が、昨年9月に新たな測定方法として認可されました。このUV法は、測定する排水に紫外線(UV)を照射し、そのときの吸収度を計測する装置です。有害な排水が発生せず、中国での地球環境に寄与するだけでなく、メンテナンス性に優れている測定法です。

国内でUV法による計測器のトップシェアを持つ当社として、この中国での新たな需要に対応し水質環境の保全・改善の一助となるために、これを機に新たな製品を開発することとしました。


  • 測定の心臓部にあたる測定セルの変更を加えて、排水の原水などの高濃度水から、排水の高度処理工程後などの低濃度水でも、1台で対応できるようにワイドレンジにしました。

  • 従来の国内向け製品は設置場所を小さくするために測定部と計測表示部だけのシンプル構造で簡単に組み立てられるタイプですが、中国仕様向けでは、悪環境でも耐えられるように収納タイプとし、よりメンテナンスフリー度を高めました。

  • 加えて、1995年の北京事務所を皮切りに、上海や広州に拠点を設置と中国国内の営業・サービスを長年強化してきた当社ですが、2002年に上海に現法工場を立上げて、将来の中国国内向け生産に備えてきました。計測機構は日本で製造し、収納部分や接続系は現地で調達・製造するシステムアップ形式での生産を行います。これによって、中国での生産納期短縮と顧客要望による特殊仕様も含めて迅速対応ができます。今回の製品が、初めての本格的な同国向け生産となります。また、中国市場への販売は、現地法人「厚利巴貿易(上海)有限公司」(社長:西分英行.住所:上海市南京西路1468号)が行います。

なお、今回 中国から認証を得ましたOPSA-150形は、日本国内でも同じく今春より販売を開始します。


<OPSA-150の製品特徴>

  1. 1台で 0-0.1Abs(低濃度)から0-5Abs(高濃度)までの測定に対応。
  2. サンプル中の汚れによる影響を、当社独自のセル回転機構によりゼロ点のドリフト(*8)がありません。
  3. 機器の操作はタッチパネルで操作が簡単です。COD、TURB(*9)換算表示機能によって現場での指示確認を行う事ができます。



<販売目標台数>
初年度 1,000台  (日本市場含む総計)


<主な仕様>
測定原理    2光路2波長セル変調方式 紫外線吸収法(UV法)
測定範囲    最小範囲:0〜0.1Abs / 最大範囲:0〜5.0 Abs
再現性     ±2.0%
外形寸法(外装) 460(W)×380(D)×1600(H)mm
 

参考資料

<用語説明>

(*1) UV法:紫外線吸収法
紫外線をサンプルに照射する。サンプル中に有機物が存在すると、紫外線の吸収を受けるため、有機物の濃度測定ができる。有機物濃度と COD(化学的酸素要求量)は非常によい相関が得られる事がわかっているため、日本ではUV法が一般的に使用されている。

(*2) 中国環境保護総局 (SEPA)
日本での環境省に相当する政府機関。中国では、環境保護に関する測定装置の認証も行っている。

(*3) 上海工場
HORIBA INSTRUMENS (SHANGHAI) Co, Ltd
今回、システムアップを行う体制を築き、今春よりOPSA-150の本格的な生産を行う。

(*4) COD規制
COD(化学的酸素要求量)は、排水の汚れ度合いの目安とされる指標。水質の汚れ度合いに応じて、汚染物質排出費が徴収される。

(*5) CODcr法
COD(化学的酸素要求量)を試薬を用いて測定する方法。水の汚れ具合を示す数値。
水中の有機物など汚染源となる物質を酸化剤で酸化するのに消費される酸素の量を表す。酸化剤として、重クロム酸カリを用いる方法のことをいう。CODの値が大きければ水中の有機物も多い。

(*6) TOC法
水質中の有機物を測定するために、サンプルを加熱分解させ、分解したサンプルのCO2 をガス分析計で測定する方法。TOC法では、触媒やキャリアガスを必要とし、過熱部のメンテナンスなどが必要となる。

(*7) 日本環境技術協会
(社)日本環境技術協会は、測定機器のメーカおよびメンテナンス会社を会員とし、環境分野で生じる様々な課題と国家施策に対応して、水質、大気、有害化学物質などの測定機器と測定手法を試験調査し、環境測定技術の向上とその体系化を推進。
近年、中国を始めアジア諸国との関係を構築し、測定技術に係る国際協力を推進しています。

(*8) ゼロ点のドリフト
通常、光学式のUV計の場合、サンプルの汚れにより、測定セルが汚れて測定値が正しく測定できなくなります。OPSA-150では、変化分をモニタリングすることにより、正確な測定を行うことができます。

(*9) TURB(濁度)
濁度とは、水の濁り度の事を示します。OPSA-150では、可視光の吸収度合いから、水の濁度を換算表示する機能をもっています。