対象テーマは「放射線計測」
2003年に創設した研究奨励賞「堀場雅夫賞」の第9回となる本年度募集を、4月1日から開始します。今回の対象テーマは「放射線計測」です。本賞は、当社が育んできた原理、要素技術ならびにそれらの応用分野を中心に毎年テーマを定め、多数の研究者の皆様から応募をいただき、その中から毎年3名の研究者を表彰しているものです。
分析・計測技術発展の将来の担い手となる方々の画期的でユニークな研究を支援することで、分析・計測技術の発展の一助になればと願っています。弊社の社是である「おもしろおかしく」を研究の場で実践されている研究者・技術者の積極的な応募を期待しています。
今回の募集対象:放射線計測
2012堀場雅夫賞のテーマは、「放射線計測」です。具体的には、以下の研究が対象となります。
- 天文学などに応用できる放射線検出器に関する研究
- 医療や材料加工など、放射線を安全に利用するための放射線検出器に関する研究
- 目にみえない放射線量分布の画像化など、放射線の計測・解析手法に関する研究
ただし、応募条件として、以下の両方を満たすこととします。
- 環境計測、放射線防護、医学・医療診断、宇宙物理・素粒子物理学、工業分野(材料分析、非破壊検査など)への応用展開が期待できること
- 放射線計測技術としての新規性があること
なお、今回の募集における「放射線」は、α線、β線、γ線、X線などを指します。
募集対象 | 国内外の大学または公的試験研究機関に所属する方 |
募集分野 | 「放射線計測」 |
応募期間 | 2012年4月1日~5月21日 |
審査方法 | 審査委員会が応募書類に基づき実績と将来性を審議し決定 |
発 表 | 7月末予定 |
賞の内容 | 受賞者には、賞状及び副賞として助成金を支給 |
表 彰 式 | 2012年10月17日(水) 京都大学芝蘭会館 (京都市左京区吉田牛の宮11-1) |
応募方法 | 応募書類など詳細は、本賞ホームページに掲載:http://www.mh-award.org/ |
応募・お問い合わせ先 | 〒601-8510 京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内 堀場雅夫賞事務局 TEL:075-313-8121(代)/ E-mail:info(at)mh-award.org |
審査委員会(敬称略、順不同) | |||
---|---|---|---|
名誉審査委員長 | 堀場 雅夫(株式会社 堀場製作所 最高顧問) | ||
審査委員長 | 堀場 厚(株式会社 堀場製作所 代表取締役会長兼社長) | ||
副審査委員長 | 井口 哲夫; | ||
海外審査委員 | Dr.Glenn F. Knoll(グレン F. ノル);Professor Emeritus of Nuclear Engineering & Radiological Sciences, University of Michigan(米国)ミシガン大学 名誉教授(原子力工学/放射線科学) | ||
審査委員 | 小田 啓二; |
当社の放射線計測への取り組み
放射線はレントゲンや放射線治療など医療分野で欠かせないものとなっています。また、半導体製造や材料加工、厚み計測、液面計測といった工業分野をはじめ、品種改良や害虫駆除などの農業分野でも応用されています。
その一方、過度の放射線を浴びたり、摂取したりすることは、ガンの発生をはじめとする健康リスクを高めることが懸念されます。そのため、放射線を利用する上で、被ばく量の計測・管理が重要視されてきました。
弊社では、設立からわずか3年後の1956年、放射線計測のキーとなる放射線検出器材料(ヨウ化ナトリウム結晶)の生産を開始し、国内外へ広く供給してきました。その後、ヨウ化セシウム(CsI(Tl))結晶の生産およびその応用製品である環境放射線計測機器を製品化するなど、放射線計測の普及に長年寄与してきました。
東日本大震災の発生以降、放射線計測の必要性が高まっており、放射線を短時間で高感度に検出する技術の重要性が改めて認識されています。このため、その基盤となる、検出器の材料や検出素子、イメージング技術など信号処理の研究開発には、大きな期待が寄せられています。
このような背景から、2012堀場雅夫賞では、放射線の検出・計測の基本要素技術の研究開発にスポットライトを当てます。