当社の小型化技術とABX社独自の血液分析機構を融合したシナジー力の結集 個人医院や小規模病院での即時検査向け小型血球計数装置

|   Press Release

当社とフランスの子会社(HORIBA ABX社:以下ABX社)は、血液中の赤血球や白血球数など18項目を計測し臨床検査に使用される小型の血球計数装置の新製品LC-660(愛称:Microsemi=ミクロスエミ)を開発。従来当社グループにおける小型血球計数装置の世界販売体制は、国内は当社製を、日本以外にはABX社製を供給していましたが、世界戦略製品と位置づけて2社で共同開発した本製品は世界共通製品として12月から販売開始いたします。ただし、日本国内へは7月中旬先行発売します。

  • 近年、臨床検査においては、疾患の早期発見・早期治療による治癒率の向上や患者のQOLの向上、ひいては医療費の抑制を理由に医療の効率化と質の向上が求められており、病院における中央検査室での集中処理による検査と、病院内での分散化された検査や医院・診療所などでの即時検査とに二極分化が進んでいます。これら分散化された検査では、大規模な病院と地域の医療機関とが相互に連携をとりながら診療を進めています。このような医療の分野では、根拠に基づく医療(EBM=EvidenceBasedMedicine)、電子カルテやネットワーク化などに対応した製品が求められています。また医院・診療所などの即時検査では医療スタッフが簡単に検査装置を操作でき、正確な検査結果を得られることが重要とされています。
  • 今回開発の血球計数装置LC-660は、10μLと微量の血液検体で即時に精度の高い検査結果を提供できる検査装置です。ボタン一つによる全自動測定に加え、前面の大きなタッチパネルによるすべての操作やガイダンス機能の充実など簡単操作を実現し、測定結果を大きく表示することで扱いやすさを向上しました。また高性能でありながら、試薬2種類(洗浄液、溶血剤)を装置本体内に収納することで小型・省スペース(設置面積業界最小)を実現しました。さらに、医療の情報化、ネットワーク化に対応した通信機能を備えており、万が一のトラブルや問合せに対しても当社から迅速なサポートが可能です。
  • HORIBA医用グループは小型血球計数装置から大型血球計数装置までのフル製品ラインアップを揃えて事業展開してきました。その上、自動血球計数CRP測定装置(LC-178CRP)や卓上型白血球5分類装置(Pentra60)などの革新製品により、他社にない検査を提供してきました。今回の新製品はABX社が独自に提供してきた小型血球計数装置の後継機種となることから、当社医用グループとして、小型血球装置製品が一元化されることになります。この一元化による経営資源の集中とブランド構築を弊社医用グループが一丸となって進めていきます。この新製品投入により発売開始後1年間、日本国内にて販売台数の1000台、海外向では7,000台の販売を見込んでいます。今後はABX社との更なる連携により、同製品のラインアップを充実させ、小型血球計数分野で5年後世界シェアNo.1を目指します。


〈主な特徴〉

  1. 医療現場のネットワーク対応
  2. タッチスクリーンによる簡便な操作
  3. 精度管理機能の充実

〈発売予定時期〉
 日本国内 7月中旬 /日本以外 12月発売開始
〈標準価格〉
 日本国内 420万円 (海外は未定)
〈販売目標台数〉
 発売開始後5年間 8,000台(国内) 50,000台(海外)
〈主な仕様〉

  • 測定項目:18項目(白血球3分類を含む血算18項目)
    赤血球数,白血球数,血小板数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット,平均赤血球容積,平均赤血球ヘモグロビン量,平均赤血球ヘモグロビン濃度,リンパ球数,リンパ球比率,単核球数,単核球比率,顆粒球数,顆粒球比率,赤血球粒度分布幅,血小板粒度分布幅,血小板クリット,平均血小板容積
  • 測定時間:約60秒
  • 外形寸法:262(W)×450(H)×430(D)mm, 約17Kg


参考資料

【用語説明】

  • 血球計数装置=血液中の血球成分として、赤血球、白血球、血小板がある。
    一般に血液検査は、これらの血球成分を計測することが基本となっている。白血球計測に関して、白血球の分類を行なわず白血球総数として計測する場合を血算基本8項目と呼ばれている。また、白血球3分類の計測機能がついた装置では、血算18項目を測定できるものが一般的である。
  • 白血球3分類=白血球はいくつかの細胞種によって構成され、大きく分けて顆粒球、リンパ球、単核球の3つに分類することができる。感染症により白血球の増加が見られる場合、この3つのうちどの細胞種がどの程度増加あるいは減少しているかを知ることが、感染症の種類を特定するのに有用な手段となる。本製品では、白血球3分類を知ることができるので、前述の効果が得られる。
    例:「顆粒球」→殺菌能,アレルギー関連/「リンパ球」→免疫制御機能/「単核球」→貪食能
  • HORIBAABX社
    当社グループ医用事業の中核を担う、血球計数装置メーカーであり、全世界13カ国に7子会社、6支社を持ち、140カ国に製品を供給しています。従業員数は840人。1996年に当社が買収し、HORIBAグループに加わりました。独自の高い技術力と顧客の立場にたった製品開発、ならびに欧米はもとより世界各国に展開する営業ネットワークで、現在世界5位と急進しています。
  • EBM=EvidenceBasedMedicine
    科学的根拠に基づいた治療、医療を行う手法。経験ではなく、臨床研究の結果に基づいて診断治療を行う手法。
  • 自動血球計数CRP測定装置
    血球計数用の検体で、血球計数と免疫学的検査であるCRP(C反応性蛋白)の定量検査を同時に行える、弊社独自の検査装置。本装置で使われている特許に関して、平成16年度全国発明表彰 日本弁理士会会長賞を受賞。おもに医院診療所の内科、小児科、産婦人科また、病院での夜間・救急検査に使われています。
  • 白血球5分類装置
    血球計数装置のうち、白血球の成分を5種類に分類することが可能な装置。通常は病院の検査室向けの大量処理型の大型装置が主ですが、弊社の小型化技術の応用により卓上型の小型化を実現。医院診療所や病院での夜間・救急検査に使われています。