業界初 スマートフォン感覚で酸性アルカリ性がわかる

|   ニュースリリース

6種類のpH電極を用意
〈50マイクロリットルと微量対応や直接測れる半導体センサなど〉
3万人の顧客の期待から生まれた水質分析計『LAQUA』登場

当社は、酸性やアルカリ性を測るpHメーターの新製品『F-70シリーズ』および、全イオン濃度を測る電気伝導率(導電率)メーター『DS-70シリーズ』の、2モデル7機種の水質分析計をブランド名『LAQUA(ラクア)』(*1)として6月1日に発売します。
このたび、6種類のpH電極を開発。50マイクロリットル(μl)と世界最少量のガラス電極や、試料表面に当てるだけで測定できる半導体を使った電極など、食品や医薬品、ライフサイエンスなど様々なユーザーニーズや測定シーンに対応できます。また、分析機器では初めて、本体操作にタッチパネルを採用。測定準備から終了後まで、測定中の場面に応じたナビゲーション機能を搭載し、最近の若者が自由に操るスマートフォンのように直感的な操作を提供します。
同時発売の電気伝導率メーターも、最新の日本薬局方(*2)に対応しています。(DS-72)

 

pH測定のHORIBA

1950年、日本初のガラス電極式pHメーターで創業した堀場製作所では、常に時代の先端を行くpH・水質分析計を開発してきました。「pHといえばHORIBA」というお客様の期待に応えるべく、様々な取り組みを行っています。当社の技術サポート窓口には、毎年3万件近くの問い合わせが寄せられ、当社ホームページのpHのいろはを紹介するコンテンツは、世界中で年間20万件のアクセスがあります。当社ではこの関心の高さを、pH測定の難しさや煩わしさの表れとして受け止め、いかにpH測定を簡単にストレスなく、かつ研究に集中して取り組んでいただけるかという点から検討を重ねてきました。

 

創業来のガラス電極技術を応用

これまで「割れにくい電極」「コードレス電極」「カード型」「スティック型」「防水型」など、業界の常識にとらわれず時代を先行する様々なpHメーターを提供してきました。
このたび開発したガラス電極は、レアアースを用いた応答膜により世界最速応答を実現。当社独自の厚膜成形技術を応用してJIS規格の10倍の強度をもっています。また、特許技術のガラス加工・組立技法との組み合わせにより、温度補償(*4)付では世界最少量の50μl(従来比1/6)で測定が可能な電極で、高価な試料を使用する医療や製薬研究向けに微量pH測定を提供。さらに、新たにラインアップした半導体を使用した電極は、先端が平面のタイプがあります。これを使うと寒天培地や食肉などの表面に当てるだけでpH測定でき、ビーカー要らずの直接測定を提供します。

 

次世代の測定ニーズに即時対応

今回発売する製品は、実験室で使われる最もポピュラーな卓上型のシリーズと位置づけ、新たに『LAQUA』ブランドとして発売します。このたび、分析計において世界初のスマートフォン感覚のタッチパネルを採用し、操作画面を見て触り手順を追いながら操作できます。また、図解つきナビゲーション機能を搭載し、エラー発生時でも画面説明に沿って解決まで測定を導きます。“その場でトラブルを解決したい”、“画面上で電極の状態を確認したい”など、お客様から寄せられた要望に応える機能を完備しました。
医薬品の品質管理の基準が先月改正されました(第十六改正日本薬局方)。この改定により、製薬用水を使用する際に導電率(電気伝導率)の管理が義務化されました。これを受けて、今回の新型の電気伝導率メーター『DS-72』に自動測定機能を搭載。手作業では15分ほど要する測定作業を、手間のかからない自動測定機能を利用することで、本来の研究に集中していただけます。

 

主な特長

  1. 世界一の電極をラインアップ 医薬品・ライフサイエンス分野での用途を拡充
    世界初の微量サンプル用温度センサ付電極やビーカー無しで測れる半導体センサを開発。新ガラス電極は、世界一の反応速度(従来比2倍)と強度(JIS規格10倍)などの世界一の機能を追求
  2. 世界初 スマートフォン感覚のpH測定
    図解つきナビゲーション機能を搭載し、反応速度に優れたタッチパネルで操作性も向上
  3. 『第十六改正日本薬局方』即時対応 製薬用水の導電率(電気伝導率)の管理を自動化
    4月施行の薬局方に即時対応。15分ほどの製薬用水の純度試験を自動化し、手間要らず

 

pHメーターの用途例

pH測定は、物質の化学的性質の理解や化学反応を管理するために測定が行われ、化学工業をはじめ、水を扱うほとんどの工業、そして公共機関、農林水産関係、さらにライフサイエンスまで、幅広い分野で活用されています。(化学、食品、医薬品、バイオ、繊維・染色、紙・パルプ、石油精製、金属・鉱業、電気・電気化学ほか)

 

F-70/DS-70シリーズ、pH電極 希望販売価格帯

F-70シリーズ:税抜16,500円~360,000円(税込173,250円~378,000円)
DS-70シリーズ:税抜16,5000円~21,5000円(税込173,250円~225,750円)
(型式により価格が異なります。)

 

販売目標台数

初年度 3千台  2013年度累計 1万台

 

F-70/DS-70シリーズ 主な仕様

表示部5.7インチ カラー液晶静電容量タッチパネル
外形寸法170(W)×174(D)×73(H)ミリメートル(本体)
本体重量約700グラム

電源

ACアダプタ(100V~240V)

 

用語解説

(*1)新ブランド『LAQUA』
理化学水質分析計のブランド。ラテン語で“水”を意味し、国産初のガラス電極式pHメーターを開発して以来、60年間、お客さまの一人ひとりの声から、進化の可能性を具現化するために立ち上げた。

(*2)第十六改正日本薬局方
医薬品に関する品質規格書である日本薬局方が医学薬学等の進展に対応するとともに、諸外国における基準との調和を図るため、2011年4月1日に第十六改正日本薬局方として改正され、本改正では製薬用水の純度試験に導電率(電気伝導率)などが導入されている。

(*3) IUPAC2011国際分析科学会議
日本分析化学会と国際純正・応用化学連合の共同主催で10年ごとに日本で開催される分析科学に関する国際会議。世界トップレベルの研究者が一堂に会し、分析科学の発展とその応用展開を図ることを目的としている。

(*4)温度補償
電極に内蔵されている温度素子を使って、校正や測定ごとの温度が違っても、電極の変化を補正して温度に左右されないpH値が測定できる。

 

製品情報 卓上型pH・水質分析計「F-70/DS-70シリーズ」 LAQUA