車載型排ガス分析に寄与した発明が令和元年度全国発明表彰「日本商工会議所会頭賞」を受賞

|   ニュースリリース

当社の車載型排ガス分析に寄与した発明「共存水分補正機能を備えた赤外線ガス分析装置の発明(特許第3771849号)」が、公益社団法人発明協会が主催する令和元年度 全国発明表彰において「日本商工会議所会頭賞」を受賞しました。発明者は、当社の代表取締役社長 足立 正之ならびにHORIBA Europe GmbH 代表取締役社長 中村 博司となります。
当社は、平成16年度の「全血を用いた血漿成分の免疫測定方法の発明(特許第3249919号)」が「日本弁理士会会長賞」を受賞し、その後、3件の発明が「発明賞」を受賞しており、本年度は特別賞の一つである「日本商工会議所会頭賞」を受賞しました。
受賞対象は、水分を含んだ状態での排ガス中の測定対象成分の濃度を精度良く得ることができる赤外線ガス分析装置に関する技術です。
 

受賞内容

通常、赤外線ガス分析計における成分間の干渉は吸収スペクトルの重なりが主要因と考えられていますが、それ以外に分子間の相互作用による干渉も存在します。つまり、計測対象となるガスが同じでも、周りにあるガス種が変化すると、対象ガスの吸収量が変化します。当社では特にプロセス向け分析計などにおいて古くから対応しておりました。本発明では、燃焼排ガス中の水分の干渉に対し、スペクトルの重なりに加えて分子間相互作用の補正を組み合わせることにより、水分を含んだ状態でも精度のよい濃度計測が可能となりました。
本発明により、排ガス中の水分影響を排除しありのままの排ガス中の成分が測定可能となり、また、除湿機構の排除により小型化・省電力化に繋がり、自動車を実路走行させた状態において排ガスを測定する、車載型排ガス分析装置を実現しました。後に、本装置は、実路走行と室内試験での自動車の排ガス計測値の差(ディーゼルゲート)の究明に繋がり、世界の排ガス規制の流れを変え、環境負荷の少ない自動車開発に貢献しています。

全国発明表彰について

公益社団法人発明協会が主催する全国発明表彰は、大正8年に科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に始まり、以来、日本を代表する幾多の研究者・科学者の功績を顕彰することにより、今日の科学技術の発展に大きな足跡を残しています。

日本商工会議所会頭賞について

科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ、顕著な実施効果を挙げている発明等が対象で、特別賞のうちの一つです。
 

受賞概要

受賞者:  株式会社堀場製作所 代表取締役社長 足立 正之
HORIBA Europe GmbH 代表取締役社長 中村 博司
受賞技術名: 共存水分補正機能を備えた赤外線ガス分析装置の発明
登録番号: 特許第3771849号
 

関連情報

受賞した技術を用いた製品「車載型排ガス計測システムOBS-ONE」
受賞した技術を用いた製品「車載型排ガス計測システムOBS-ONE」