米州本社を移転集約、事業統括機能を強化

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米国
米州本社を移転集約、事業統括機能を強化
海外事業の原点の地で戦略モデルを推進、13日本格始動

ブラジル
急成長市場で医用事業の製品供給力を増強
試薬生産能力4倍の新工場が18日竣工

当社は、6月13日に米国カリフォルニア州で取得した新社屋(*1)に、同州アーバイン市に分散するホリバ・インスツルメンツ社(以下、HII)(*2)本社および営業拠点を移転集約します。また、ブラジルで建設を進めていたホリバ・ブラジル社(*3)の新試薬工場(*4)が18日に竣工します。米国事業における意思決定の迅速化を図るとともに、医用事業のショールームや顧客トレーニング機能の拡充など事業基盤を強化します。また、ブラジル市場の急成長に対応し、収益の柱となる試薬の生産能力を従来比4倍に増強することで事業拡大を推進します。米国・ブラジルを合わせた総投資額は約23億円。

 

当社の米国展開について

当社は、1970年に米国企業と合弁会社(HIIの前身)を設立し、初めて海外に進出。同国の公的機関に自動車排ガス測定装置の標準機として認定された実績を足がかりに、世界に分析・計測機器を提供する企業に成長してきました。現在でもIT・エネルギー・ヘルスケア・自動車など多分野で世界を牽引する米国で、最先端技術に対応する分析・計測技術を提供することがグローバル競争力の向上に不可欠な要素となっています。HII創立から40年目を迎え、シェールガス分野の計測事業や再生医療分野の分析事業の買収を主導し、自動車事業の2工場を増強するなど、多岐にわたる投資を継続し事業成長を推進しています。

 

米国:統括機能および医用事業の強化

新拠点への社屋統合により同州で分散した人員を集約し、米州の本社として事業の効率化・迅速化を進めるとともに、米国内の産業集積地で展開する自動車・半導体・環境事業の支援体制を強化します。また、新拠点では医用事業における米国独自のニーズに対応する製品開発を視野に、顧客や学術界との接点を強化するため、技術的な交流を深めるショールームや顧客トレーニングサービスを拡充します。近年、人員増強や販売網の拡張により医用事業の営業改革を推進しており、2013年には米国を含む北南米の医用事業の売上高は過去最高水準の65億円となり、今後もさらなる事業成長をはかります。

 

ブラジル:血液検査機器の成長市場への拡販強化

ブラジルでは、1996年からホリバABX社の販路および試薬工場を引き継ぎ、同国ではトップシェアとなる中型血液検査装置を提供しています。同国は年率10%以上の急成長が続いており、経済発展や所得増加に伴い、社会生活に欠かせない医療ニーズも高まっています。
当社の医用事業においては、提供する検査試薬の需要が拡大し、既存工場の生産能力を超える需要が見込まれるため、従来比4倍の生産能力となる新試薬工場の建設を進めてきました。新拠点をベースに、さらなるシェアアップとブランド力の向上を狙います。
なお、南米においては、この医用事業を足がかりに、米州本社機能を高めた米国とも連携を強化することで自動車や環境などその他の事業も強化する計画です。

 

医用事業のグローバル展開

当社の医用事業では、1977年に血液分析装置を初めて開発して以来、生体の分析・計測機器を提供しています。1996年に仏国のABX社を買収し、収益の柱となる血液検査用試薬や検査装置をラインアップし、海外展開を本格化してきました。その後、日仏共同で世界初の血液検査装置を開発するなど、競争力の高い製品を提供しています。設備面でも、試薬工場の増設・増強を推進し、日本・仏国・ブラジルで生産能力の増強や中国・インドで試薬工場の新設をしており、急成長が続くアジア・ブラジルでも事業を拡大しています。

(*1)新社屋の概要
所在地:米国カリフォルニア州アーバイン市(9755 Research Drive, Irvine, CA 92618, U.S.A.)
構造: 鉄骨2階建て
敷地面積:16,689平方メートル  延床面積:7,308平方メートル
従業員:約110名
主な機能:ショールーム、顧客トレーニングサービス、ストックヤード、保守・サービスなど

(*2)ホリバ・インスツルメンツ社
1973年に設立。米州事業の統括会社ホリバ・インターナショナル社(新拠点に移転)の傘下で、自動車・半導体・科学・医用・環境の全5事業を米国で展開。米国内にIT・自動車・エネルギー分野の産業集積地などに12営業所2工場の拠点を置く。(代表者:ジャイ・ハク/従業員:約700名/売上高:約275億円)

(*3)ホリバ・ブラジル社
1996年に買収した仏国のABX社が展開するブラジルでの製造・販売事業を引き継ぎ、1997年に設立。2011年に新工場用地を取得し、このたび新試薬工場を本格稼働させ、仏国の試薬工場に次ぐ2番目の試薬生産能力となる。(代表者:ハミルトン・イバネス/従業員:約110名/売上高:約30億円)

(*4)新試薬工場の概要
所在地:ブラジル連邦共和国サンパウロ州ジュンディアイ市 (Road Dom Gabriel Paulino Bueno Couto, km 67,7 City of Jundiai State of Sao Paulo  Brazil)
構造: 鉄筋コンクリート2階建て
敷地面積:10,033平方メートル  延床面積:4,883平方メートル
従業員:約110名
主な機能:試薬製造、梱包、出荷、保守・サービス、事務など