血球+CRP同時計測装置のグローバル展開を加速

欧州向け新製品Microsemi CRP LC-767 Gを発売

当社は医用事業の主力製品である自動血球計数CRP装置の欧州向けモデルMicrosemi(ミクロスエミ) CRP LC-767Gを開発、2021年3月より販売を開始します。
自動血球計数CRP測定装置は白血球などの血球成分を測定する血球計数と炎症の指標となるCRP(C反応性たんぱく)濃度※1を同時に測定、検査結果を即時に提供できることから、臨床医による即時診断の支援と早期治療に貢献しています。 Microsemi CRP LC-767シリーズは、従来モデル(Microsemi CRP LC-667シリーズ)と比べ設置面積を約20%縮小し、診察室の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)改善による快適・安全な環境づくりに貢献するほか、近年普及が進む電子カルテに対応し、病診連携※2の効率化や診療記録の省力化が期待できる製品です。今回販売する欧州市場向けモデルMicrosemi CRP LC-767Gは、欧州で使用されている特殊採血管に対応させ、さらにドイツ規制に対応するためOID(Operator ID)の入力(管理)機能を追加しました。欧州市場のニーズに応え、市場シェア拡大を図ります。

※1 CRP(C‐Reactive Protein/C反応性たんぱく)
体内に急性の炎症や組織の損傷があるときに、血清中に増えるたんぱく質の一種で代表的な炎症マーカー。組織や細胞の炎症に早く鋭敏に反応し、その度合いを知ることができる。また、病態の改善の際には速やかに減少するので、病態の診断、予後の診断、治療効果の観察に役立つ。

※2 日常の診察は近くの診療所で受け、再検査や入院・手術などは大病院などで行う地域医療連携。電子カルテなどIT技術が活用され、効率的な情報共有をめざしている。
 

自動血球計数CRP測定装置について

当社は、1998年に、血球計数と感染症の判別指標となるCRP濃度を同時測定する血球計数CRP測定装置を世界で初めて開発しました。診療所や開業医小児科に展開し、乳幼児など症状を伝えられない患者の診察や、肺炎など高齢者が重症化する可能性がある病状の早期発見、薬の処方判断などに活用されています。本シリーズは国内外で累計約24,000台を販売し、医用事業の収益を支える主力製品です。
 

新製品の主な特長

1. 省スペース化を実現 
装置内部構造の見直しや部品点数の削減により、従来の設置面積比で約20%縮小し、質量も16キログラムと従来比16%の軽量化。診断室の省スペース化やレイアウト変更の省力化に貢献します。
2.微量血量(18μℓ)で負荷が少ない点やタッチスクリーン操作など、既販売の自動血球計数装置CRP LC-667Gの性能・機能を引き継いでいます。
 

主な仕様

外形寸法・質量:220(W)×430(H)×440(D)mm,約16kg
測定項目:19項目(白血球3分類を含む血算18項目+CRP濃度)
赤血球:赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット,平均赤血球容積,
平均赤血球ヘモグロビン量,平均赤血球ヘモグロビン濃度,赤血球粒度分布幅
白血球:白血球数,リンパ球数,リンパ球比率,単核球数,単核球比率,顆粒球数,顆粒球比率
血小板:血小板数,血小板粒度分布幅,血小板クリット,平均血小板容積
血  清:CRP濃度
測定時間 約240秒(注記:血算のみの場合は65秒)                                      

Microsemi CRP LC-767 G