グループバイオ事業 本格始動 グループ会社 (株)ホリバ・バイオテクノロジー 第一弾製品「残留農薬測定キット」を開発

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当社の100%子会社で、グループバイオ事業の中核を担う(株)ホリバ・バイオテクノロジー(本社・京都市、社長・冨田 勝彦)は、環境・食品分野における残留農薬を現場で迅速・簡便に測定できる、「試薬キットと簡易測定装置」をこのほど開発しました。全国の公的試験機関、全農、農協等を対象に、今月末から試供品のモニター貸与を開始します。
大学発ベンチャーとして設立以来培ってきた免疫化学測定法の技術をもとに、従来の機器分析法と比べ、分析コスト10分の1、測定時間50分の1と大幅な削減を実現しました。今回の開発成果を足がかりに、今後も産学連携の技術力をいかし、生活環境の安全と安心につながるバイオ事業を、グループの総力を結集して本格展開していく方針です。

=本件は、近畿経済産業局の平成14年度地域新規産業創造技術開発補助金を受け、その成果として開発されたものです。=


<背景>
近年、農産物の残留農薬、環境水中の環境ホルモン、土壌中のダイオキシンなどの微量な化学物質が生活環境や生態系に与える影響が問題とされています。(株)ホリバ・バイオテクノロジーは、免疫化学測定法をはじめとするバイオ技術を駆使し、これらの環境負荷化学物質を迅速・高感度に分析するシステムの開発を目指して、2000年に設立されました。同社は、測定したい化学物質だけと反応する抗体を使った微量物質の検出で多くの研究成果を上げている、神戸大学の大川秀郎教授を取締役に迎え、堀場製作所の測定技術と同教授の抗体開発をコア技術とする大学発のベンチャー企業です。環境負荷化学物質を迅速・簡便かつ安価に測りたいというニーズと必要性が、社会的に急速に高まるなか、同社は設立以来、得意とする免疫化学測定法のコア技術を活かした研究開発に取り組んできました。


<今回の開発成果>
このような背景のもと、同社は平成14年度から平成15年度にかけて行う“環境負荷化学物質の迅速・簡便・廉価な測定システムの開発”というプロジェクトに、近畿経済産業局の補助金を受け、平成14年度の成果として、今回の残留農薬を測定する簡易型の測定装置と試薬キットを開発しました。残留農薬など環境負荷化学物質の測定は、従来、公定分析法である機器分析(ガスクロマトグラフィーや質量分析等)が主体で、高額な装置と設置場所、さらには熟練した分析技術者が必要でした。また測定対象の前処理も含めて、測定に2〜3日あるいは1〜2週間かかる場合もありました。
今回開発した測定手法は、簡易測定装置と免疫化学測定法による特定残留農薬に対応した試薬キットとの組み合わせにより、測定時間が2〜3時間と従来の50分の1以下に短縮され、分析費用も従来の10分の1以下へと低減することに成功しました。農産物の出荷前検査や、輸入食材の受入検査など現場で測定したいというニーズに最適なトータル分析システムです。また、今回開発した試薬キットは順次、農薬の種類に応じてラインアップを拡充していく予定で、今月末から本分析システム(試薬キットと簡易測定装置のセット)を全国の試験機関、全農、農協等へモニター使用の募集をかけ、希望者に期限を限定して無料で貸出しを開始します。モニターで得られた評価や要望をもとに、平成15年度の開発プロジェクトにフィードバックすることで、さらに改良を重ねていく予定です。

環境分野や食品分野における環境負荷化学物質を迅速・簡便・安価に分析できる、本分析システムを市場に提供することで、経済的効果や環境保全への社会的貢献につながればと考えます。今後も産学連携の技術力をいかし、グループの総力を挙げてバイオ事業を展開していく方針です。


参考資料

  • 株式会社ホリバ・バイオテクノロジー会社概要
    環境ホルモン、残留農薬、ダイオキシンなど環境負荷化学物質の高感度分析を市場とする子会社、株式会社バイオ・アプライド・システムズとして2000年に設立。(2003年4月に現在の社名に変更。)堀場製作所が培ってきた製品化、システム化の技術をバイオ技術と融合することで、環境分野の新たな市場開拓を目指す。環境負荷化学物質の測定に関して、数多くの研究実績のある神戸大学大川秀郎教授を取締役に迎えたことで、試薬開発に直接ご指導頂いている。
    資本金:5000万円(堀場製作所100%出資)
    設 立:2000年6月(2003年4月1日付で現在の社名に変更)
    所在地:京都市南区吉祥院車道街48番地
    TEL075−692−1786、FAX075−692−1790
    社 員:20名
    役 員:代表取締役社長 冨田勝彦
    取締役 堀場雅夫(堀場製作所取締役会長)
    取締役 石田耕三(堀場製作所取締役副社長)
    取締役 大川秀郎(神戸大学教授)
    取締役 安井義晶(堀場製作所 開発センター兼任)
    取締役 河野猛(堀場製作所 医用システム統括部兼任)
     
  • 免疫化学測定法
    通常、動物はウイルスや細菌などの外敵(抗原)が体内に侵入してくると、抗原に対して選択的に結合する抗体(タンパク質の一種)を生産し、この抗体が抗原にとりついて抗原を不活性化する。このような免疫の働きによって動物の体は、常に外敵から守られている。この免疫メカニズムを使って、特定の測りたい物質とだけ選択的に反応する抗体を使い、微量な化学物質を測定する方法を、免疫化学測定法という。
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