放射温度計は手軽に非接触で、色々なモノの温度を測定することが出来ますが、体温計(薬機法で規定)ではありません。最近の新型コロナウイルスの感染拡大の報道により、発熱者のスクリーニング目的で放射温度計に対するお問合せが増加しておりますが、以下内容をご理解いただき、弊社の高精度放射温度計をご活用いただけますよう、お願いいたします。
1.(体温計について)
薬機法では「体温計」が医療機器として指定されており、弊社の放射温度計を含めて一般的な放射温度計やサーマルイメージャは、体温計として使用できません。
2.(体表面温度測定について)
人の体表面は、外気に触れているため外気温度影響を強く受けています。
従いまして、一般的に体温よりも外気温が低いため、体表面を放射温度計で測定すると体温より低い温度が表示されます。また、例えばヒーターなどの近くにいる場合には、逆に体温よりも高い温度が表示される場合もありますし、運動をして発汗すると気化熱が奪われて低めに温度表示される場合もあります。
体表面温度は体温ではありませんが、一定条件の下で温度の高低を比較することは可能です。
3.(弊社放射温度計内蔵のレーザポインタについて)
弊社の高精度放射温度計には、一部の機種に測定対象物の温度測定領域を確認するために、レーザポインタを内蔵している機種があります。特にハンディタイプのIT-545NおよびNH型の放射温度計は、温度を測定する際に測定ボタンを押すとレーザポインタ(クラス2)が自動的に点灯します。(工場出荷設定)
人の体表面温度測定のために顔に向けて温度測定をしようとすると、レーザポインタのレーザ光が目に入り大変危険です。視覚障害を引き起こす可能性があり、決して人に向けて使用しないようにご注意ください。
顔の体表面温度等を測定する場合は、放射温度計のレーザポインタが点灯しないように設定することが可能です。取扱説明書をご確認の上、必ずレーザポインタが点灯しない設定に変更してご使用ください。
なお、IT-545SはレーザポインタではなくLEDの近距離用マーカを採用しておりますが、マーカを覗き込む等で目に集光しないようご注意ください。