当社は、レーザー光を使って微粒子の大きさを測定する、粒子径分布測定装置の新製品「Partica LA－960V2」を12月1日に発売します。
本製品は、新たに粒子径の測定精度保証を従来機種の30ナノメートルから業界最小の20ナノメートルとさらに高精度な測定を実現しました。ナノ領域の微小材料の実用化が進む化粧品や触媒、二次電池などの分野で、製品特性を左右する粒子の大きさや分布を測定して均一性をみる最高精度の測定装置を提供します。お客様の品質管理体制の強化につながり、ナノ物質を応用した新技術の実用化や競争力の向上に貢献します。
また、原液に近い状態での測定により、凝集状態の測定が実現可能となった高い実績を誇る高濃度セルユニットを標準搭載可能となりました。
本製品は、11月28日から30日まで開催の国際粉体工業展東京2018 （東京ビックサイト）に初出品します。
レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置とは
各種の工業プロセスで取り扱う“粒子”の大きさは、製品の機能性を決定づける大切な要素の一つです。粒子径分布測定装置はセラミックスや顔料、燃料電池、触媒、化粧品、食品、製薬など、「粉・パウダー」を原材料とする分野で研究開発から品質管理の現場で使われています。
当社は、同装置市場で35年以上の販売実績があり、国内シェア約35％を占めています。本製品の測定方式の特長は、他の粒子径分布測定原理や方式と比較し、極めて広い粒径範囲で測定できることです。また試料の状態が粉体のものだけでなく、液中に分散しているもの、サンプル量が少なく粒子同士がくっつき易いものなど、試料の特性に応じた測定が可能です。
また、全粒子計測市場規模は2019年に世界で135億円、2022年まで4.2%の平均成長率で拡大が見込まれています。（当社調べ）
新製品の特長
業界最小粒径の20ナノメートルまで精度を保証する信頼性
従来機種から継承する二波長光学系により、業界内で一番幅広い測定レンジを提供。3Dシミュレーション手法を開発し、ナノ粒子の散乱光強度・分布の整合性を高めました。業界最大の50万倍のワイドレンジ（0.01～5000μm）
粒子を高精度に測定するため、短波長光源の併用、シームレスな検出器の配置、そして粒子径や分布幅に応じた演算条件を自動選択する処理技術を搭載しています。試料注入→測定→洗浄、わずか1分の全自動測定
試料濃度の調製から光軸調整、測定、試料の排出、内部清掃など全自動で稼働。一連の前処理から測定、洗浄までを1分で完了するスピードは、お客様のストレスを感じさせない分析作業を提供します。お客様のニーズに応じて、サンプルを希釈せず、高濃度での分散状態で測定
サンプルの希釈によって、粒子は再凝集や凝集粒子が分散します。本来のサンプル状態をそのままで測定したいニーズを応えるために、Partica LA-960V2モデルは、標準で高濃度セルユニットを標準搭載可能となりました。
測定分野と用途
- 食品、飲料→味、舌触り、賞味期限のコントロールなど
- 半導体材料→半導体ウエハ研磨剤の製造管理
- 薬品・化粧品→製剤、粉砕、コーティングなどの研究開発、品質管理
- 精密機器→高速・高品質印刷用インクなどの材料開発
- 化学工業→製剤、造粒、粉砕、コーティングなどの研究開発、品質管理
- ゲル材料→3Dプリンタ材料、人工軟膏などの研究開発・品質管理
- セラミックス→ファインセラミックスの紛体材料の研究開発、材料出荷・受け入れ検査
- 触媒・二次電池→新規材料の開発、改良など研究開発、品質管理
- バイオ・ライフサイエンス→ ウイルスや抗体医薬品などの研究開発
- 農林業、水、家電→殺菌や浄化作用があるファインバブル
販売目標台数（販売地域：日本、アジア、米州、欧州）
2019年度
国内100台 海外300台
2021年度
国内150台 海外400台
主な仕様
測定方式
レーザー回折／散乱式
表示範囲
0.01～5000μm
測定精度
標準粒子の規格から±0.6％以内
測定時間
1分（分散媒注入から内部洗浄、および粒子径分布結果表示まで）
外形寸法
705(W)×565(D)×500(H)mm
質量（本体）
約56kg
言語対応
5ヵ国語（日本語、英語、ドイツ語、中国語、フランス語）
